magisyaのブログ

小説となぞなぞを投稿してます

気恥ずかしざ

少し遅いですがあけましておめでとうございます。年末はいかがお過ごしでしたか? 

12/24はどうでしたか? チキンとケーキで楽しい時間を過ごしたのでしょうね? 

ちなみに私はチキンラーメンにライスケーキ(餅)を入れた贅沢なご馳走を食べ炭水化物の過剰摂取を達成し、ブクブクになった体で12/31日はフジテレビの格闘を見て年を越しました。

その時シバターと言う乳製品の様な名前のYouTuberがプロに勝っていて、

 

「おお! 凄いなあ」

 

と一人テレビに向かって語り掛けていました。悲しいですね……こんな大人にはならないで下さいね? そして昨日1月4日昨日ですね。その試合が八百長だったという事を知りがっかりした物です。実際テレビで見ていた時、物凄く興奮して見ていて、試合後マイクで、

 

俺が負けると思ってたやつ、ざまぁみろ! YouTuberは強いんだ!」

 

と叫んだ時、何故か涙腺が緩んでしまい感動してしまったんですよね。その時感動を返してほしいと思っていますが、その瞬間は間違いなく心が動き、本当に感動していたんです。騙されているとも知らずに……一見体格差はあれどプロの格闘家に飛びつき腕ひしぎですからね。あんなに身軽に動けるのも驚きでしたし、彼の事はよく知らなかったんですけどその試合を見ただけでファンになってしまったんですよ。勝ち目はないと思っていただけにそのギャップがある分驚きは大きかったです。去年一番感動した事と言ったら大袈裟かもしれませんが、五位以内に入った出来事でした。去年の内だけですけど……

 

そしてこの

 

「騙された―」

 

と言う感覚は久しぶりに味わいました。と言うのも2020年の初頭に比べ自分から積極的に沢山の情報を仕入れ、メモしていて昔に比べて騙されにくくなっているとは思っていただけにその反動で異様に恥ずかしくなりました。

その時何故かシバターに対する怒りは全く無く、ただただ騙された自分の浅はかさに対してのみに恥ずかしいと感じたんです。でもこういう悔しさも時々味わわなくてはいけないのかなと思う時もあるんです。

 

そしてこう言う事を思う様になりました。

それは、現在ワ〇チンを打って安心している人達もそれがもしある日突然全て嘘でしたと言われた時、信じていた物に裏切られたらシバターに騙された私と同じ気分になってしまう。それが嫌だからおかしいと思っていても自分は今でも間違っていないと言う意地を張り続けているのではないかと思ったんです。

ameblo.jp

上に貼ったリンクから飛べるブログでは色々な情報が見る事が出来ます。取り敢えずここに私が書きたい事はほとんど書かれているので是非目を通して下さい。

そしてもし何か感じたらツイッター内検索で、

 

【打つんじゃなかった】

 

と検索すれば、同じような内容のツイートがいくつも見られるでしょう。

私は格闘技の対戦の結果が騙されただけで済みましたが、実際に既に打ってしまった人もこのブログを見た方の中でもいると思います。それでも上のブログの情報を信じ、取り敢えず3回目は様子見してはいかがでしょうか? 2回まで打ってしまってもまだ間に合うと思います。ですがこれから3,4回と打てば打つ程、体に色々な変化が起きてしまう可能性は否定できません。

ワ〇チンは人々を救うために作られた物なんだと仰る方も居ます。

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この方は歴史の中で何度もやって来た事だと仰っていますね。

それは半分事実で半分嘘だと思っています。どういう事かと言うと、それを作っている方は全くの同一人物なのでしょうか?

本当に命を救いたいと考えられて作られた物だと言えるのでしょうか? 当然天然痘とか結核コレラ、ペスト等が流行った時に作られたワクチンはそう言う気持ちが込められ作られたのかもしれません。

 

 ですが今はどうでしょう? 今のワ〇チンは過去に命を救って来たと言うパッケージで覆われた猛毒なんではないかと私は今でも思っています。その根拠は、全て無料で、しかも20代の方の中で打った人に車をプレゼントとか、打たなかったら接種証明パスポート発行出来ないから色々行動制限出るよ? とか、打たないと仕事辞めてもらうよ? とか脅しをかけられ仕方なしに打ったと言う方も居ます。

そして北海道の医師達が反ワクを唱えたらその上司が、

 

「仕事を辞めてもらうよ?」

 

と圧力をかけたそうですね。この話ご存じですよね?

この様に今まで見た事の無い様な打たせようとする行為を平気でやっているからおかしいと思ったんです。こんな事今までありましたか? インフルのワ〇チンを打たなかったら行動制限されるとか。そんなおかしなこと今まで一度でもありましたか? 私の生きている範囲では無かったです。2021年が初だと思います。

2010年に酸化グラフェンが知られるようになり、5Gになっている今の時代とは内容が全く同じとは確定できませんよね? だから今でも打つつもりもないですし、そんな架空の病気に罹るつもりも無いです。

そろそろ

 

「騙された! でもこれからはもう絶対に騙されない! くそー騙しやがって! 許さんぞ!!!!!」

 

と多少の気恥ずかしざを味わってでも、知らず知らずの内に植え付けられた考え方を変える時が来たのではないでしょうか?

そして何でこんな事を国は平気で行って来たんだろうと自ら進んで考え、調べるようになってほしいと思っています。

私は信じています。いつまでも善良な市民がと一握りの人の手のひらの上で操られ続けているほど馬鹿ではないという事を。

 

 

慈愛と進撃の巨人女神ショコターンケイル

「ではこのお題で戦っていただきます」

「負けねえぜ?」

「私だって!」

「では画像班お願いします!」

「はいっ!!!!!!!!!!」

お? 気合が入っている画像班。何故なのだ?

挿絵(By みてみん)

ぬ? ぬわーーーーーーーーーっ!!! な、何だこれは? 怒虎よりも大きい人? の顔が、怒虎を今正に食しようとしているのか? そ、そうか……たった今、あれ程までに画像班が気合が入っていた理由が分かったぞ。このインパクトのある画像を見た客なら、絶対度肝を抜かれる! と、いう事を事前に予想出来ていたからあんな得意気だったのか……してやられたわ……しかし、何と言う事なのだ……こんな巨大な顔の生き物が存在するというのか……世界は広いな……だが……大きいとは言えど、気品が漂っている気がする……何と言うか……そうだ……ギザウツクシスナァ……ハッ! ブンブン! 私は何と言う……しかし、ギザとは……? 私の中で一体何が……それに私にはケイトと言う女神がいるというのに……なんとふしだらな男だ……頼む! こんなふしだらな私を見ないでくれ……今だけは……しかし、この女性? 私すらを魅了してしまうとはどういう……む! 分かったぞ! この方は人ではない! ぬ? 気でも触れたかだと? 大丈夫だ。今は正常だ。先程頭が乱されおかしな事を言っていたがな……既に

【おれはしょうきにもどった】

それと同時に、気付いてしまった。そう、このお方は……

【女神】

だ。しかも、先程のお題にも出ていたヘカトーンケイル。それに属するギガー久、野球がとっても得意な源辰徳や、☆飛雄馬。サイクロプ久にティターソに韓国の巨人格闘家チュホソマソや工レソ・イェーガー等ほとんど全ての巨人族を統べる超女神。

【慈愛と進撃の巨人女神ショコターンケイル】

という事をな……いや、正確には、少々短めの肩書が付く。それは、

【遥か上空にそびえし天空優美金剛宮を居城をとし、慈愛と寵愛と友愛の力で全巨人を支配せし、現役愛弗げんえきアイドルにして、舞台、龍支配四ラクエ4、御転婆姫役も務め、究極絶対の明眸皓歯めいぼうこうしな唯一無二妖艶超越慈愛と進撃の巨人女神ショコターンケイル】

であった。私程の聖人ですら魅了出来る力があるのも、彼女の人知を超えた神魅力にかかればしょうがないわなぁ……しかし、何故運営はこんな写真を持っているのだ? ……いや、これは仮説であるが、この写真は彼女本人が撮影したのかもしれぬ。

どういう事か? と言うと、この画像は、インスタキログラムにスイーツを食べる瞬間を自撮りし投稿しているOLのノリで撮影された物なのだ。そう、女神スマホを女神スタンドで固定してな。

彼女も女神とは言え女の子だ。自分がスイーツを食する瞬間を皆にシェアしたかったのかもしれぬ。みんなに《いいね!》や、《お気に入り登録》をされたいと言う願望があったのだろう。そう、彼女が意図的に広めた物なのだからこの様にお笑いの大会のお題としても使われても仕方がないだろう。

そして、この画像から私は気付いてしまった。それは、怒虎を頭からかぶり付いている様から、彼女はたい焼きも頭から食う派なのだろうという事だ。かなり乱暴な食べ方だな。

ぬ? それが普通じゃん。それか尻尾から食べるしかないじゃん。お前は尻尾から食べる派なのか? だと? それは違うな。それでは結局女神のやっている事と何も変わらないだろう。私の場合オーソドックスな型で面白味もないが、お皿の上に置き、スプーンで片方の皮を食した後に、中の餡をストローで吸い、残ったもう片方の皮はお湯で戻し、少し水を飛ばしたら生卵を混ぜてしっかりとこねて、180度のオーブンで15分焼きクッキーにして食べちゃう派なので、素手で掴み食べる様な乱暴な方法は到底出来ぬ。

ただ、こしあんのたい焼きの場合は大丈夫だが、つぶあんであると、大粒の小豆がストローですすり切れず残ってしまう為、通常のクッキーから残った小豆の入った小豆クッキーになる。これもこれで美味しい。是非試して下さいね♡しかし、怒虎の表情を見て欲しい……私達が憧れ、目標としていたあの強くて逞しい怒虎が……まるで借りて来た猫の様に大人しくなってしまっている……絶対的な力の差に絶望し、凛とした表情の怒虎ですらそんな表情にならざるを得ないという事か……

       △ △

【助けて……(= ;ω;=)】

と、訴えかける様な瞳で私を見て来るのだ……人の身でありながら烏滸おこがましいとは思うが、神獣の彼に同情を禁じ得ない……終焉を悟り、諦めに満ちた表情。私はこんな彼の表情を見るのは初めてかもしれぬ。ご存じの方も多いと思うが、怒虎は神獣、いや、全生物の中でも最高峰にポジティブな獣なのだ。どんな時でも前向きに捉え、前進していく。

その教えは、人間でありながら、怒虎達にその精神を植え付けたと言われている

【松谷修造】

から授かった金科玉条。創造主の神よりも尊敬している唯一の人物。彼の教えの特長は、悪いとされている物の中でも良い部分がある。それを見つける事で何事もポジティブに生きようぜ! と教えている。例えば太ってしまえば、みっともないと嘆くのではなく、貫禄が出た! と喜び、髪の毛が薄くなってしまえば、頭寒足熱が捗ると歓喜し、大好きな限定スイーツの行列に並んだ時も、自分の前の人で売り切れ、待たされた5時間が無駄になったとしても、その間、前の人と楽しくおしゃべりが出来、初対面ではあるが、

「甘党と言う共通の趣味を持つ者同士と触れ合う事が出来たから別にいいにゃん」

と、心の底から喜べる様な、そんな前向きな神獣なのだ。弱音も決して吐かない。そして、もしも生命の危機にさらされる様な出来事に対面したとて、最後の最後まで決して諦める事なく、その苛烈な運命に抗い、それどころかそれを楽しみながら戦い、そしてその全てを乗り越えて来た。それに全力であれば光と全く同じ速さで走る事が出来る怒虎。相手が女神であったとしてもこんなあっさり捕らえられる事などあってはならぬ事だ。まあ女神が光よりも速ければどうしようも無いもんなあ……しかし、彼の表情からは抵抗をする気概が一切感じられぬ。まな板の上の鯉状態……最早逃げようとする気力すらないという事か……

「何度ギザ逃げてもギザ無駄ですよ。ぬふふぅww」

と一回捕まった時に釘を刺されてしまったという事か……ギザオリハルコン製の釘をな……そしてそれがハッタリでは無いという事を実際に味わってしまったと言う顔だ……これ程までに前向きで諦めが悪く、極限までに鍛錬された肉体の持ち主ですらこの慈愛と進撃の巨人女神に掛かれば、あっさり捕らえられ、彼女のスイーツに早変わりしてしまう。この神聖な生物を食べようと言う考えに至るとは……彼女の発想力は尋常じゃないな……流石慈愛と進撃の巨人女神だ。しかし、やけに豪華なスイーツであるな……魔力の塊であるぞ? だが逆に考えると、彼女の慈愛と進撃の巨人女神力は、これ程の存在を食さなければあっと言う間に枯渇してしまうのかも……だとすればこれはやむを得ない犠牲なのかもしれない……そう、神の世界でもあるのだ。

【弱肉強食】

が、な……否、厳密には

【神獣肉慈愛と進撃の巨人女神食】

であったな……

「サイコロタイムです。たあ! 1ですね。白川さんからです!」

「うーむ……よし!」

相変わらず早いな……

「どうぞ!」

『去年に比べて、5ミリ程すり減っています』

ドッ

「成程。岩が風によって少しずつ削られていく浸食の様に、この子も舐め続けられた事でそっち側だけすり減ってしまったんですね……自然の厳しさを感じるお答えですね……」

「ではアリサさんの番です!」

「えー? 難しいなあ……」

「時間は幾らでもありますので、安心して下さい」

「あっ! これならいいかも!」

「おお、早い! ではどうぞ」

『血圧130の78、HDLコレステロール53、LDLコレステロール122、HbA1cが4,6、視力は右目0,003で、左が2,0、体重6キロの体脂肪率30です。はい! どれもギザ正常ですね』

『あにょー、他に検査方法ってにゃいんですか?』

ドドッ

「ああ、これは捕食の瞬間では無く、町の診療所でののどかな検査風景だったんですね? 口で触れる事で、内部の情報を読み取れる、ただのスーパードクターだった? 人は見かけによりませんね。しかし検査されている側の右目の視力が極端に低いのはどういう事なのでしょう? まさかこの検査の影響で下がってしまったのでしょうか? そうだとしたらギザハイリスクですね。そしてこれだけ視力が低いのにギザ正常だって言ってますよ? どう考えてもおかしいですよ? ギザって何なんですか? 教えて下さい!! 謎が多いですね。うーん……これは……アリサさんでしょうかね?」

「よっしゃああ」

「まあいい、これは難しかったぜ」

「では次のお題です」

挿絵(By みてみん)

ん? これは? 恐らくそういう種類のお茶であろう。これにどう言葉を加えればお笑いになると言うのだ? 選手のセンスが試される難問と言えないだろうか?

「ではサイコロですっやあっ! 4ですね。偶数なので、アリサさん先攻です」

「うーんどうしよう……」

「ゆっくり考えて下さい」

「うーんうーん……あっこれで行って見よ」

「どうぞ!!」

『時々キツネの髭も混ざっている』

ドッ 

コーン茶なだけに? 成程」

ぬ? ちょっと待てよ? おかしいな……確かキツネの鳴き声は……すまぬ、度忘れしてしまった。ちょっと調べておくか……確かアリサが言うには

【不思議に思った事は1分以内に自分自身で調べる!】

だったよな……ならば急がなくては!! ゴソゴソ えーと、

【語り専用PC 】

内に住んでいる

【語り専用GOOGLE先生

で検索してっと……まずはkでしょ? ポチ。で、次が……Iで、ポチ。その次は確かtで……次は……yか? あっUじゃない? どっちだったっけ? ううむ良く分からぬ……そしてN、Eで何とか全体の40%達成した。ぬふうぬふう……お茶を飲まなくては……この作業は水分の消費が著しい…… グビグビ。では続きだ。憂鬱だなあ……でも頑張らなきゃ!! ええっと……N、O、で、次が……N、A、K、I、G、O、Eッと。ああ、終わったぞ。やっとだ……ヌハァヌハァヌヒィヌヒィヌフゥヌフゥヌへェヌヘェヌホゥヌホゥ……辛いなあ……また命……使っちゃったね……そして! エンターキーを力強くターン!! 

★☆ターン☆★

おっと出て来たぞ……ほほう……やはりそうだ……アリサよ、まさかお主ほどの女がこの重大な勘違いに気付いていないというのか……

「では、続いて白川さんです」

「うーむ……」

「さあ、悩んでいる!」

「これか? いや……これしかない」

「どうぞ!」

コーン茶お1つですと600円のところ、姉妹品のローン茶 (600円)と、ユーン茶 (600円)をセットで買うと、1980円でお買い求めになれます』

ドドッ

「おっと1980円と言う2000円に少し届かない数字を見せる事で、お得感を出しているのでしょうが、簿記2級の資格を有し、家計簿を毎日付けているこの私は騙せませんよ? これらはそれぞれ単品で買った方がお得です! しかし、ローン茶ユーン茶はどんな味がするんでしょうね? ユーン茶は想像が付きませんが、ローン茶はローン地獄の苦しさになぞらえ、とても苦いお茶なのでしょうか? えーと、これは白川さんでしょうね」

「よし」

「流石プロね……まあ諦めないけどさ!」

「では第8問目です」

挿絵(By みてみん)

これはキツネであるな。可愛いな。うむ、安らかな寝顔で癒される。

ようやく普通のお題登場である。こういう事もこの運営は出来るのだな。少し安心したぞ。

今まではキワモノばかりで、考る余裕なかったからな。こう言う考えやすいお題なら、素人の私でも思い付くかもしれぬな。

「サイコロタイムはい! 5ですね? 白川さんの先攻です」

「よし……きたぜ!!」

「どうぞ!!」

『コン美さん! ケッコーンして下さい! 新コーン旅行は、コーンゴ共和国で、お笑い芸人のキングコーンゴのコーントを鑑賞しながらコーンデンスミルクをたっぷりかけたコーンフレークを食べましょう!!』 

『オーマイガッ……ガッデムガッデム! コーンチクショウのコンコンチキがぁ』

コンコン

『コン美さん? どうしたのです!? 頭をコンコン叩いたりなんかして??』

『悔しいの。嬉しくて……そして……悔しい』

『え? そ、それは一体……? 悔しいという事は、もしかしてケッコーンしたいけれど何か理由があって……ハッ……まさか僕がただのアルバイトだから、ご両親が許してくれないのですか?』

『コン吉さん。あなたには何一つ落ち度はないの。全ては私……私のこの体』

『あなたの体がおかしい? 何がでしょう? 私は何一つおかしいとは思いません。あなたの美しいオレンジ色のボディと、その美ボディが包み込む幻想的な青の球体とのコーントラスト。究極の美です。ずっと見ていたい位に!』

『……OHそんな風に思っていただなんて……嬉しい……嬉しいけど……アイムソーリーヒゲソーリーワキゲソーリーケツゲソーリー。実は私、姿やツイッターのアイコーンは狐に似ているけど、実はウェブブラウザのファイガフォックスなの』

『そ、そんな……コーンなにも可愛いのに? コーンなにも美しいのに? でも通りで最近パソコーンの速度がサクサクだし、プライバシーを一切侵害せず、スピードとツールを揃えてくれるし、ファイガフォックスブラウザーはユーザーに関するデータをほとんど収集しないため、ダウンロードの際にメールアドレスもいただきませんし、他社ブラウザーとは異なり、金銭的利益を求めてウェブ上でユーザーを追跡する必要がない訳だよ……コーンなの、コーンなのって……酷いよ……ズコーン』

ドドドッ

 かなり長めのネタだ。白川も中々やるな。しかし、ネタの随所に紛れ込んでいる【コーン】と言うワードは何なのだ? まさかそれをキツネの鳴き声として認識していて、それと掛けているのか? フッ成程な。だとしたら白川は本来のキツネの声を知らないただの阿呆だと言う事だ。

こやつはそんな事も知らずに紫色の髪の毛をして、Gと書いてあるTシャツを着ているという事か。そんな事をする前にやるべき事があるであろう! 芸人にとって、動物の鳴き声の把握は必須科目と言っても良い程重要な物。

芸人は、ネタ中で色々な役になり切らなくてはならないのだからな。保険の勧誘員や学校の先生。何にでもなる。そして、時には犬になる場合もある。その時、にゃー等と言ってしまっては、恥以外の何物でも無い。

全く、話にならないな。まあこれも仕方のない事であろう。あのアリサも同じミスをしていたしな。

私も先程気になったので1分以内に調べたばかりなのだ。その事をしっかりと語らねばならぬ。キツネはコーンとは泣かない筈である。

本来のキツネの鳴き声とは、犬の様に「ワン」と吠えたり、「キューン」とか「キャー」と鳴くのだ。これは私が先程調べたページだ。見て欲しい。

挿絵(By みてみん)

この様に……ん? 下の方にもまだ何かあるぞ? ほほう……

挿絵(By みてみん)

何だと? コンコンと鳴く場合もあるのか。その場合とは、求愛時の……ハッ……何て事だ……何故私はコーンな事に気付けなかったのだ……何も知らない阿呆なのは……他ならぬ、私だ……白川の演じた、振られてずっこけたコン吉さんは、今正にコン美さんに求婚をしていた最中であった……だから、異性と対峙している時は、コンコンもしくはコーンで正しいのだ。

奴は……そこまで考えていたと言うのか? くそぅ……白川は全く間違っていなかった……キツネのTPOに応じた鳴き声の使い分けを調べずともしっかり出来ていたのだ。

わ、私は、検索してしたり顔になり、最重要部分を把握出来ていないままに語ってしまっていた……そうだ。知識をひけらかそうとして、逆に恥をかいてしまったのか……哀れであるな……次からはしっかりと最後まで調べてから語らなきゃ……皆さんにお願いがある。

数行上に語られていた内容は脳みそから全て消去してくれ……頼む<(_ _)> アリサよ、奴は、手強いぞ! 気を引き締めて戦うのだ……ぬ? 見なかった事にしてやるからお前もこのお題をやれだと? 確かにそんな様な事を語った様な……はたまたそうでもない様な……そんな気もしないでもないが……何故今なのだ? 私は今恥を掻いちゃってしおれている状態の語り部だぞ? 物語の進行だけで精いっぱいだ。そんな暇はないのだ! 絶対に嫌である! 今はこんな素人のキツネネタなんぞより、この戦いの行く末の方が楽しみであろう。また後で気が向いたらな!

「なんと! まさかコン吉さん女の子キツネとウェブブラウザを見間違えてプロポーズしていたと言うのですか? 確かファイガフォックスのアイコンってこんな形ですよね?

挿絵(By みてみん)

そして、そのアイコンが、コン吉さんに生身のキツネではない事をバレずにお付き合いしていたという事なのですか? うーん……一瞬で気付くと思いますが……恋は盲目と言う言葉もあります。本当に気付かなかったのでしょうね。そしてお題のあの画像は、最後に振られてしまい、ずっこけているシーンを表しているという事なんですね? 成程! 斬新でいいですね。では後攻のアリサさんどうぞ!」

「うーんうーん」

「ゆっくりでいいですよ?」

「ハッ! 閃いた!」

「どうぞ!」

『ねつきいいきつね』

ドドドッ

「ほほう、俺のネタには劣るがなかなかいいな」

「おお確かに寝つき良いですね……? ハッ! こ、これまさか回文になっていませんか? 分かるんですよ私。先輩に教えて貰いましたから」

「え? 何の事?」

「コネこそ子猫。これも回文です」

「あっもしかして司会の言ってたやつ? あなた司会の後輩なんだ」

(そういえば控室で誰かが言っていたような気がする)

「そうです。私はずっとそれを胸に抱き生きています。お陰で私は今、この大舞台の司会進行と言う華やかな仕事が出来ています。味噌先輩の言う事は間違っていなかったんです」

確かに彼の後輩でなければ代理でも司会に抜擢される事は無かっただろう。コネを作っておく事は大事なのかもしれぬ。

 因みに回文とは、

【たけやぶやけた】

とか

【イタリアでも〇モでありたい】

などの逆から読んでも全く同じ響きになる言葉を指す。

例に挙げた2つの回文には無かったが、一般に濁音、半濁音、促音、拗音は、清音と同一として考える事が多い。

すなわち、「は行」と「ば行」と「ぱ行」、「つ」と「っ」、「や」と「ゃ」などは逆にした際に入れ替わっても問題ないものとするルール。

だが、アリサは逆から読んでも同じ響きになる様な綺麗な回文を瞬時に作っただけでなく、寝ている狐の写真とも見事マッチさせたのだ!!

「パッと閃いたんだよね。ここまで冴えてるのは初めてかもね」

「凄い! ですが白川さんもかなり長いネタで良かったんですよね。甲乙付け難いです。

うーん……分かりました! ここは、会場の皆さんの判断に任せましょう!」

「なにい?」

某タイヤ人のエリート王子をほうふつとさせるなにい? を放ってしまう白川。

「え? やった! まだチャンスはある! みんなお願い! アリサに力を貸して!」

「では白川さんだと思う方々は拍手お願いいたします!」

パチパチパチパチ

「ではアリサさんだと思う方々は拍手お願いいたします!

パチパチパチパチパチ

「グッ……あんな短いネタに……」

とは言っても白川は、それ以上強く出られない。それは、その短い中に色々な技術が集約されている事実を認めざるを得ないからだ。

「これはもしかして……私?」

「うーん、これは微妙ですが、アリサさんでしょう! おめでとうございます!」

「よかったーみんなありがとう♡私、まだ、舞えるんだ!」

 

私の書いている小説です

リンク先はブログより4話ほど進んでいます。先が気になる方はご覧下さい。

https://estar.jp/novels/25771966

 

https://novelup.plus/story/457243997

 

https://ncode.syosetu.com/n1522gt/

 

神裔VS神裔

「では第1問」

挿絵(By みてみん)

 これは? 怒虎ではないか? もう珍しくもなくなってきてしまったな……こんなに沢山の怒虎の写真が残されていればそれもしょうがない事……時代は変わったな……ほう、この怒虎は仕留めたばかりの大蛇を今正に食べようとしてい……ぬう!!? ひぃ……ひ、左の【あれ】はなんなのだ? 怒虎よりも遥かに巨大な【存在】がある様に見えるのだ……!

ゴシゴシ

いや、私の見間違いではない。確実に居る……!! 画面端に全貌は露ではないが遥かに大きな存在が……! 一体あれは……確か怒虎の大きさが高さ2kmで幅1kmで体重が300トンである筈だ……そこから比較し、目算していけばあの巨大な存在のおおよその大きさが算出出来る筈。ううむ……画像では怒虎の大きさは私の人差し第二関節位だ。もし怒虎背を正し、直立したとて1本分程度か……そしてその巨人は……恐らく左足のスネの真ん中あたりまで確認出来るが、その確認出来る部分だけで比較しても怒虎より大きいのだ。

ここからイメージで、この存在は写真に写っている4倍以上は高さがある筈……故に高さ8~9kmで幅も4km、体重は2300トン以上はある巨人という事が推測出来るな……これだけ大きい巨人となると絞られてくるぞ……よし、調べてみよう。えーと、ゴソゴソ……ジャジャジャジャーン

【語り専用PC 】

だ! 私は語り中にこっそりこの中に住んでいる

【語り専用GOOGLE先生

に、分からない事を尋ねつつ語っていたのだ。別に悪い事ではないが言うまでもないと思い今まで秘密にしていた。ではその彼に聞いてみよう。いつもお世話になっております♡まずはここで語り専用マウスと言う外部入力装置を使用する。これをPCに差し込み使用する。で、そのマウスの裏には玉っころが搭載されていて、それを上手い事床の上を事滑らせる事で語り専用カーソルを移動させる事が出来る。それを巧みに操り、語り専用検索バーと言う検索する際に入力出来るスペースがあるのだが、その中にカーソルを移動させる。次にマウスの左側のボタンクリックを一回する。クリックとは押すと言う意味だ。右手人差し指でしっかりと押す。これがこのバーに文字を打ち込みますよ! と言う命令指示操作となる。これをうっかり忘れると、キーボードを幾ら叩き文字を入力したと思っても全く反映されないのだ。そう、打ち込んだ労力が完全に無効化され、時間と命を大幅に損してしまう。故にしっかりとやらなくてはな。これは語り専用PCだけでなく通常のPCの基本でもある。忘れるでないぞ? で……高さだから……T、で、次がAでしょ? 次がK、で……A、S、A、で高さ完成っと。ぬふう……疲れるなあ……だが、まだ戦いは始まったばかりなのだ……この様に一つの事を調べるにも相当な命を使う。これが私の仕事なのだ……全く……割に合わぬ仕事である……で、9に、K、mと! よし半分終ったぞ。ぬふうぬふう……で、次は重さを入力するんだよね? えっと……その前に一旦語り専用スペースキーを押して間を開けてから……2,3,0,0、t、で完成! なんとか重さの数値も打ち終えたぞ。もう一息! 頑張れ私! そしてN,O、で【の】を作り出し、最後の仕上げにK、Y、O、J、I、N、Nと打ち込み、完成だ! そして! 語り専用エンターキーを力強くターン!!

☆ターン☆

ぬはぁ終わった……これはかなりの命が削られたわ……どれどれ? ぬ? 出て来たぞ!

な、成程。あれはギリシャ神話に記された、巨人ヘカトーンケイルと言う巨人族なのか? 言われてみれば禍々しき邪闘気がこちらにも届く様である……! これはそのヘカトーンケイルが怒虎と会話しているシーンなのだろうか? 一体何を? 恐らく人類の身勝手な行動に不満を吐露しているのだろう。しかし、こんな画像を如何にしてここの運営は入手出来たのだ? ま、まあよい。まずはこの写真で対決する様である。さて、どんな戦いに?

「ではサイコロです。はい! 3です。白川さん先攻!」

「くっ……よし行くぜ」

流石に早い。ものの10秒で閃く。

『これでおさかにゃ捕まえてくるんですか!?』

ドッ

「おお中々の反応です。では後攻アリサさんです」

「考える時間も無いの?」

「あ、説明し忘れましたが制限時間は無いです。申し訳ございません。ですからじっくり考えて頂いて結構ですよ」

「そうなんだ! でもっ! はいっ!」

アリサも負けじと10秒で閃く!

「どうぞ!」

『大縄跳びの回す係の人が非力すぎる』

ドドッ

「むぅああ……」

VIP席からも感嘆の声が、恐らく蘇我子だなこの戦いをしっかりと観戦している様だ。そして、アリサのネタに「まあ……」と感動しているのだろうな。

「おお! こちらも中々の反応です。小学生の観点からの見事なネタですね! ですがこの学校は猫も生徒として学んでいるのでしょうか?

男女猫共学の珍しい学校ですね。これは拍手の大きさが違いますね。言うまでも無くアリサさんです!」

「やったー」

「おい! おさかにゃネタ面白いだろ!! ったく……客のセンスなってねえなあ」

客のせいにする白川。

「まあまあ、こう言う事もあるってww」

余裕のアリサ。

「アリサさん1ポイント先取! では第2問です」

挿絵(By みてみん)

これは? 虎であるな。怒虎よりは大人しい生物ではあるが、猛獣である。そんな獣がアリサよりも幼い幼女を追いかけているぞ? 撮影者は何をしているのだ? 暢気に撮影などする余裕などない筈であろう?

そのキャメラを手放し、急いであの幼女を助けるのが優先の筈だが、全く焦る様子もなく淡々と撮影しているな。

写真の仕上がりが見事で、手ビレ等で一切画像が歪む事なく撮影されている。そこからも良く分かる。この画像の撮影者は人間ではない。恐らく悪魔なのだろう。

もし撮影者が人間であれば、同じフィールドにいる以上当然危険が危ない筈だ。だが全く物怖じする事無く撮影出来ている事実から、自分には絶対虎は来ないと言う確信があっての行動。故に

【人間以外の存在=悪魔】

と言う単純な等式が成り立つ訳だな、その悪魔は、幼女が獣から逃げ惑う様を至近距離で楽しんでいるに違いない。そして、それを一回見るだけでは飽き足らず、撮影し写真に残す事で脳内で反芻させるだけでなく、その写真を見る事で何度も何度も楽しもうと言う事か……これは完全に撮影者のエゴイズム以外の何物でも無い……それにしてもこんな写真が出回ったと言う事実が恐ろしい。このような犯罪スレスレの画像を流しても平気な顔をしている輩が確実に最低でも一人はいると言う事実が明るみに出てしまったからだ。

そう、こんな事をしても大丈夫。安全な所に居るからね! とその悪魔は我々一般人や警察に挑戦状を叩き付けているという事なのかもしれない。だが私達はそれを手をこまねいて見ている事しか出来ない事実……(´・ω・`)そして私はこの画像を見て気付いてしまった。それは、本当に罰せねばならぬ存在と言うのは、実際は安全な所に隠れつつ悪事を行う為、決して表に出ることなく生き続ける物なのだなあ……という事をだ!! これが世に言う

【憎まれっ子世に憚る】

と言う言葉の真の意味なのだ。そして、その悪事を時々こうやって人々に見せつける事で、快感を味わい更に、

【お前たちは無力だ】

と言う事を伝えて来ているのかもしれない。こうして我々の無力さを痛感させているという訳だ。まあ折角悪い事をしても、誰にも気付かれなければやった意味は無いと言うひねくれた考えを持つだろうからこうしたアピールをしたいのだろう。寂しがり屋の悪魔なのだ。こんな目的で犠牲になった幼女も、それを追う虎も、これを見せられている我々も、全てが犠牲者なのかもしれない。そう考えるとこれは悲しい画像だな……作った本人以外誰も得をしない。

この数秒先を想像するのが非常に怖い写真であるが、こんな悪魔の生み出した写真を果たして面白くする事は出来るのか? 選手の腕の見せ所だな。

「サイコロは? はい! また奇数の1ですね。先攻白川さんです」

「うーんうーん。よっし」

「早いですね! どうぞ!」

『お前も反神タイガーズに入れー』

ドドッ

「ああ、これは獲物を狩る虎と、逃げる幼女の写真ではなく、女子野球選手の勧誘なんですね? 強引な勧誘ですねえ……しかし、スカウトマンのスカウト方法もその姿もちょっと野性的過ぎますよ。

では次は、後攻のアリサさんです! お願いします!」

「これで行けるかなあ」

「すごい! もう思い付いてらっしゃる? ではどうぞ!」

『親父があたちに与えたちれん(試練)』

ドッ

「酷い父親ですね。目的は何なんですかね? 女の子が虎に食べられる危険性がある中、あえてこの試練にしたと言う理由は? この試練の果ては、女の子が虎のエサになるか、何とか逃げ切っても下半身だけムキムキのゴリラの様な幼女になるかの2つに1つですよ? どっちにしても嫌ですよね? うーん、これは白川さんですね」

「よしっ! 今度の客はセンスがあるな!」

同一人物であるが……

「くうーくやしい! 差を付けて余裕を持ちたかったなあ」

「白川さんも1ポイントです。並びました! 第3問です」

挿絵(By みてみん)

何だこのお題は? 男達が9人いるな。しかし、8人は表情こそ違うが同一人物だな。

中央にいる人物は、良く見るとカリフォルニア州の元州知事のツュワルシェネガーではないか? この2人の男達、一体どういう関係性があるのだ? この運営の傾向が全く掴めぬな……このお題一体何が正解だというのだ?

「サイコロタイムです。はい! 4ですね。という事は、偶数が初めて出ました。アリサさん先攻です」

「一瞬で出たわ」

ほほう、このお題でか……

「おおっ! どうぞ!」

『10連ガチャで全部被りかなと思ったら、最後の最後でウルトラレアの大当たりが来た!!』

ドドッ

「うぇ? ぬぅあぬぅいくぁすぅいるぁ? ゆぅぉくうぁかるぁぬぁういぅぁ? どぅえむぅぉおいむぃをすぃってるぁっしゃるうくぅたぁぐぁつぁぬぁるぅぁあおむぉすぃるぉうぃんどぅえしゅぉうぬぅええ? うぁつぅぁすぅぃいむぅおむぅおすくぉすぅいあんつぅえぬぅあをふぃるぅぉぐぅえぬぁくぅえるぅぇヴぁいくぅえむぁすぅえんぬぅえ……」

訳「え? 何かしら? 良く分からないわ? でも意味を知ってらっしゃる方々なら面白いんでしょうね? 私ももう少しアンテナを広げなくてはいけませんね……」

「これはソシャゲの10連ガチャですね? そのガチャ結果の画面だと考えたんですね? 流石小学生ですね。今風ですねえ! 真ん中が大当たりなんですね? 何となく分かります。

当りが最後という事は、左上から時計回りに一つずつ排出されて、最後に真ん中が開くと言った感じで終わるガチャなんですね。開き方も珍しいですね。

ですが、回した人も途中まで被りのゴミクズばかり出てイライラしてたでしょうねぇ? でも最後の最後で報われましたねえ……でも10連ガチャって仰っていませんでしたか? どう見ても9個しか排出されていない様な? 故障していますねこのガチャ。これ、運営に通報できませんか? ま、まあいいですね細かい事は。しかも、大当たりも来たんですからね。

もし文句を言って、じゃあ再度引き直しましょう。なんて言われて、折角引いた大当りまで回収されて、引き直しで爆死だったら目も当てられませんし。では、後攻の白川さんです!」

「うーん……」

「あっ、白川さんが珍しく長考されています」

「よし、いける!!」

「閃いたみたいですね! どうぞ!!」

『海外のおそ松様』

ドドドッ

「アリサさんとは対照的に、昭和のアニメで攻めたあ! あれ? 実写だからドラマですね? ちょっと待って下さい? おそ松様って確か原作では赤塚藤子不二夫先生の、6つ子が登場するギャグ漫画ですよね? どうして9人なんでしょうか? あっ成程! 分かりました! 海外って言ってましたもんね! 海外だと9人になっちゃうんです! 日本のドラマをそのまま使うのではなくて少しアレンジをするんです。そして今回は人数を少し水増ししたんですね。何でもスケールを大きくしたがりますからね海外のドラマって! 監督さんが、

「ジャパニーズと同じ数じゃつまらないデース! 1,5倍に増量シマース!!」

って感じですね? 分かります。しかし、追加された3人の名前は何なんでしょうね? 赤松、黒松、後始末でしょうかね? 後気になったのですが、真ん中の子だけ同じ遺伝子配列とは思えない程異様に発育が良くないですか? どう考えても別のグループですよね? まあ似てない双子も居る筈ですから、9つ子にもなれば、一人や二人変わった子がいてもおかしくないですね。納得しました。しかしこの豪華メンバー達で一体どんな物語が繰り広げられるのか……個人的に気になります。うーん……これは歓声の盛り上がり方が違います。これは白川さんでしょう!」

「よし! どうだ!! 逆転だぜ?」

「うーん、ソシャゲネタは駄目だったかー、悔しいよー! リセットボタン欲しいよー」

「馬鹿め、人生もソシャゲにもリセットボタンなんぞねえよwお前はな、思い付いた物を勢い任せで言うからダメなんだw客にうけるかどうかを言う前にしっかり判断して、駄目なら却下しろ! 時間はあるんだからよ!」

「くー、でも確かに……言われてみればそうだったわ……」

「白川さん2ポイント目です! 一歩リードです! そのまま突っ走るのでしょうか? そして連取され、ピンチですアリサさん。

一体どうなってしまうのでしょうか? 続きまして第4問です」

挿絵(By みてみん)

これは? 男性の髪型が生き生きと爆発しているな。

「では……サイコロです。行きます! 6です。と、言う事は? アリサさん先攻ですね。どうぞ!」

「うーんとうーんとあーでもないこーでもない」

「時間はありますから、落ち着いて下さい……!」

「よし! これで行ってみるか」

「どうぞ!」

『防御力+31 攻撃力+385』

ドドドッ

「頭に装備する防具なのに、攻撃力も上がるタイプのお得な装備ですね? 確かにあれに切られたら痛そうですね。と言うかコレ装備なんですね? 髪の毛の形してますし……と、いう事は? この人カツラって事になっちゃいますけど……ばらしてはいけない気がしますが……では後攻の白川さんどうぞ!」

「……どうするか」

「時間は幾らでもあります」

「うーん……よし、これ行ってみるか……」

「はい! お願いします!」

『骨山臑男すねお35歳』

ドドッ

「こ、これは……アニメの銅鑼衛門でお金持ちキャラの臑男君が、25年後にはこんなにもダンディで素敵な漢になって……ポッ♡……て、あれ? 臑男さんって確か小柄で、鳥類のくちばしの様に尖っている口元をした少年でしたよね? お顔も少々変わった気がします。それに全体的に大きい様に感じるのですが……髪型の迫力でそう見えるだけでしょうか? まあ、体までは見えませんもんね……顔はあれでも体は小さいという事でいいですね? そう考えると萎えちゃいますね……それにしても確か日本人だったような気がしますが……髪の色が……人種も変わっている様な気がしますよ? これも気のせいですか? うーん……これはアリサさんでしょうか?」

「よかったー」

「では次の問題です」

挿絵(By みてみん)

これはコートジボワールのサッカー選手か? その上に口癖を聞いてくるテキストが。これはどういう答えが最適なのだろう?

「サイコロタイムです。はい! 2ですね。立て続けにアリサさんです」

『今年ももう終わーる』

ドッ

「まだ七月の終わりですよ? まだ少しありますね。変な口癖ですね。口癖って言うからには新年から毎日言っているのでしょうか? では、白川さんお願いします」

「これは簡単だぜ」

「おお! どうぞ!」

『ξ§ΘΔν£ЖΦ(=^ω^=)(*´▽`*)bЩ』

ドドドッ

「え? なんて? 何を言っているか全く分かりません。ですが、盛り上がりが凄いですね。これは白川さんでしょう」

「やったぜ」

「結局差が縮まらないなあ」

 

私の書いている小説です

リンク先はブログより4話ほど進んでいます。先が気になる方はご覧下さい。

https://estar.jp/novels/25771966

 

https://novelup.plus/story/457243997

 

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決勝前控室

「どうぞ」 

アリサは一人控室に通された。アリサが案内されたのは先程みんなと一緒に居た控室。

だが、一人だと広く感じる。

司会の死体は既に救急車で運ばれて行き、現場検証も済ませてある。早く終わったのは事故として判断された為だ。もう逃げ場はない。

「ちょっと仮眠……ヘッ……ヘッ……アーチューアーチューあれ? 何か寒いなあ」

日本式のくしゃみの予備動作をしたのにそこから見栄を張り、アメリカ式のくしゃみに変更するアリサ。

「大丈夫ですか? へっくしょんでもいいんですよ? 無理してオシャレな感じに取り繕わなくても……」

「わたしはねえ、へっくしょんなんて古いくしゃみはした事無いのよ?」

アリサのくしゃみの99.9%はへっくしょんである。

「くしゃみに新しいとか古いとかありませんよ?」

「今の子にはそういうのはあるの! 若い世代に関心が無さすぎよ? でも寒いなあ……ねえお兄さん? ここのエアコンの設定温度ってどれくらいなの?」

「え? 確か26℃ですよ? では休憩時間は10分です。ゆっくり休んで下さい!」

「はいっ!」

案内の係の者が部屋を出て行く。それと同時に、元気よく返したものの大勢の人の前で

大声を張り上げ続けたせいもあり、疲れが出てしまう。

コンコン

誰かが来たようだ。

「はーい? 開いてるよ」

「はあはあ」

梓が入ってきた。

「あ、あずにゃん? どうしたの? 何か汗だくだけど」

「ちょっと逃げて来たの」

「誰から?」

鎌瀬って人から」

「何で逃げるのよ」

「しつこく愚痴をこぼして泣きついてくるのよ……涙と鼻水たらしながら!」

「梓さーん梓さーん……どこですかー? 話を聞いて下さーい……お願いです……」

外から、鎌瀬の情けない声が響いている。

「あー今近くにいるわね」

「あずちゃーん? あずにゃーん……結婚して下さーい」

突然プロポーズまでもしている。

「あの人相当メンタルやられてたからなあ。ちょっと可愛そうになってきた……ねえ? あずにゃん?」

「なに?」

「戻って聞いてあげなよ。彼は今追い詰められているの。あのまま放置していたら何しでかすか分からないわ。

会って彼の言いたい事全て吐き出させて、優しい言葉で慰めてあげなよ」

「えー嫌よ結婚しようとか言ってたわよ?」

「そんなの本人の前では言えないわよw私も結構きつい事言っちゃって反省してるのよ……大舞台であんな芸術的な滑りをした後に、慰められずに追い打ちかけちゃったからね私。

素人の私にプロで両親共にの芸人の彼があれだけ言われたから相当傷ついてる筈よ。

だから、あずにゃんを求めたんだと思うよ? あの人、あずにゃんの事気に入ってるみたいだから、戻ってあげれば本当に喜ぶよ。慰めてあげて! 

こればかりは私は出来ない事だから……私、あの人に、ゴキブリを見る様な目で見て来るのよ? こんなにも可愛いのにさ……私が行ったらきっと逆効果だと思う。多分精神崩壊してしまうかも……あの人さ、携帯欲しいって言ったあずにゃんに買ってあげます! って真っ先に言ってきたしさ、好きなんだと思うよ? きっと」

何故か優しいアリサ。

「でも……」

「情けは人の為ならず」

「え?」

「絶対に後であずにゃんにいい結果で何倍にもなって返ってくるから。

一見美人でクールなとっつきにくいキャラで通しているあずにゃんが人情を見せたら、一生従う奴隷、あず従者に出来るわよ鎌瀬さんなら! しかも、たった一回だけの我慢でいいと思うよ」

「なによあず従者って? まあいいわ。そうか、一応有名な芸人の二世だし、恩を売っておいても損は無いわね」

「そうそう。そして、散々愚痴を聞いた後、最後に、これから彼がどうしたいかを絶対に彼自身に言わせる事」

「どうして?」

「簡単よ。慰めて、それで終わりじゃ彼は成長できない。

そこで、傷ついた僕はとても可哀想だから、少しだけ休むね。って一時的に止まっちゃうのよ。

何時かは回復するとは思うけど、それまでに掛かる時間全てが無駄なのよね。無理やりにでも軌道修正しなきゃ駄目よ」

「でも時間が傷を回復してくれるって言うじゃない?」

「甘えなのよねー。ちょっと考えれば今日その瞬間に治す事が出来る事を、時間が癒してくれるって引っ張ってるだけで勿体無いんだよ。

これから少しだけどもあずにゃんの時間を奪った彼に、更にその後休む時間なんて与えたくはないでしょ? 人生は有限なの。悩んでいる時間程無駄な時間は無いの。最後は尻をひっぱたいてやらないと駄目なの! でも警察の取り調べみたいに強引に聞き出しては駄目よ? 出来るだけ優しい口調で聞いてね?」

「へえー……確かに悩む時間って、考えたら要らないわよね。……アリサちゃんってなんか私より大人みたい……かっこいいと思っちゃった。

分かった。彼を元の自信に満ち溢れた芸人に戻して見せるわ!」

「そして、どんな情けない事を言ったとしても、あずにゃんの意見は我慢して? 応援してるとだけ言ってあげてね。

でも好きな子の前で余程情けない事なんて言えないとは思うけどね」

「ふーん、良く分からないけど分かったわ。じゃあちょっと行ってくる。

あ、その前に、もしよければ携帯番号交換しない?」

ガラケーを取り出す梓。かなり使い込まれた物だ。

「うん、いいよ! それと、鎌瀬さんとも連絡取れる様にしておいて、時々渇を入れてあげるのもいいわね」

赤外線通信で交換する。

「え? まあいいか……うん、じゃあ頑張ってくる!」

「またねー」

パタン

「さてこれで少しは罪の意識が消えたかな? じゃあ寝よっか? いや瞑想にしようか迷うなあどっちも大事だからなあ。

よし、少し瞑想して頭を整理してから寝よう」

 睡眠は大事である。7時間から8時間がベストな時間で、それ以上眠るのも逆に体に良くないと言われている。

エヴィデンスはここでは語らぬが、気になった方は調べてみるのも良いかもしれない。

中には4時間位でも大丈夫な、ショートスリーパーという人達もいるにはいる。

約半分でも普通に日常生活が送れ、その分沢山活動できるから良いと言う人もいるが、個人的には酷使した脳や体を休めるには足りないと思われる。

(そう言えば竜牙さんも早乙女さんもユッキーの被害者よね……愛する竜牙さんにあんな目に合わせてユッキー壊したい……そういえば、同じ会場に居るわね。

もし二人が出会てしまったら被害者同士で話が合って意気投合して……それに両方トクホのケソを愛読書にしていたしなあ……もしかしたら……そんな事絶対に許さない!)

もしも、二人が結ばれ子供が生まれたら、人類最強の兵器として活躍してくれそうだな。

「もう! 疲れる様な事考えてたら、なんか眠くなってきちゃっ……ぐうぐう」

話の途中で眠ってしまった様だ。まあ相当な経験を短時間で積んだ筈だ仕方がないな。

暫くアリサのかわいい寝顔を楽しんでほしい。しかし、語る事がないな。

だが、休眠も必要。無理に起こす事は出来ない。十分彼女の寝顔を楽しんでくれ。

「すやすや」

まあゆっくり休まぬと奴には勝てぬ。しかしこの状況、私の語りが無いと、ただの放送事故であるな。

「くうくう」

眠りの音に関してもアリサはバリエーション豊富だな。私も見習わなくてはならぬ。

「すやぁすやぁ」

いつまで続くんだろうか?

「アリサァ、アリササァ、アリサリオンァ」

ぬ? 寝言か? 何かの夢を見ている様だが? おかしな寝言であるな?

「竜牙さんが1人、竜牙さんが2人、竜牙さんが3人」

次は寝ながら好きな男子を数えているな……彼女の夢は、目まぐるしく場面転換が行われている様である。

「修ちゃんが1匹、修ちゃんが2匹、修ちゃんが3匹」

アリサよ……憧れている人であろう! 単位がおかしいぞ? それにそれは眠れない時に羊を数える奴でなはかったか?

眠っている時にやる事ではない筈だ……!

「たこ焼きが1匹たこ焼きが2匹たこ焼きが3匹」

もう突っ込む気力もない。早く時間が来るか起きるかしてくれ。

「ふぁー良く寝た。あ、まだ1分もある! 寝ようかなー? 瞑想しようかな?」

おお起きた! もう時間がないのだ! 迷ってる場合ではないぞ!!

「白川さんめちゃめちゃ気合入ってたからなあ、ちょっと怖いわ。

でも私もこの大会の中で、お笑いの基本が少しずつ分かって来た気がするの。惨めな戦いだけはしないわ!」

パチンパチン

両手で頬を叩き気合を入れる。

そう、大勢の人前に出るのは初めてではない。ホテルの事件で解決に導く為に経験済みなのだ。

そして、控室での芸人達との会話でも、そして、舞台で他の芸人達が披露するネタを一度見ただけでも、アリサにはそのノウハウが蓄積されていった。

アリサは他の一般人とは頭の質が違うのだ。一度聞くだけで、色々な事を【多面的】に理解する。

そして、少しずつ笑いの基礎が固められたのだ。

 どういう事かと言うと例えば、【布団が吹っ飛んだ】と言う面白ネタを聞けば、その情景を超具体的にイメージし、敷布団は無事である。

とか、枕は掛け布団と共には飛んでいかずに無事。とか、その布団で寝ている人が、掛布団だけが吹っ飛ぶ音で飛び起き、お空に舞っているそれを見上げて唖然としている。もしくはその人が一緒に掛布団と吹っ飛んで行って、悲鳴を上げるなど、一つのワードで色々な状況をイメージし、それを一纏めで覚えるのだ。それももの凄い速さでだ。

それを、必要な場面で幾つかの候補の中から最適の物を選択し瞬時に引き出す。

アリサはそんな事が出来てしまうのだ。末恐ろしい……

お笑いの用語などは一切知らないけれど、この大会の中で芸人の本気のネタを幾つも幾つも見ていく内に、そのスタイルを自然と自分の物にしてしまう。

それは、1番の腕章の男のガンバレネタを見事自分の物にして、更に本人よりも笑いを取っていた事でもわかると思う。

そして、相手の白川も、独自のネタの作り方で、毎回違うネタを考え続けてきたアドリブの王。

どんな無茶なお題でも、彼の実力であれば瞬時に対応出来てしまう筈。

片や何も知らない素人ではあったが、この大会の中で、凄まじいスピードで成長していく化け物。

そして既に成熟していて、なお挑戦をし続ける化け物。

一体どちらのお笑い怪物に軍配が上がるのだ? そして、最終戦のお題は一体?

「まけない」

ザッ

アリサは椅子から立ち上がり一歩を踏み出した。

そして!

「それでは決勝の時間が来ました。会場へ案内いたします」

「はいっ!」

 アリサは舞台の上に立つ。アリサは下手。客席から見て、左側から登場し、白川は逆の上手からの登場。そして並ぶ。

明らかなる身長差。誰もが白川の勝利なんじゃないか? と思いつつ舞台を見る。そして、嘗てない程の拍手が響き渡る。

パチパチパチパチ

「最終戦にはこのお二人が残りました。4番の白川さんは現役のお笑い芸人ですが、6番の女の子は、まだ小学5年生と言う事で、私も驚いています。

ですが、この決勝に残る程の実力は皆さんも十分知っている筈。そう、その目でご覧になって来た筈です! さあ、どんな戦いを見せてくれるのか? 今一度お二人に拍手をお願いします」

パチパチパチパチパチパチパチ……! そして声援が飛び交う。

「頑張れーよー」

「負けるなーよー」

「無責任な言葉だけどー」

「ひたすら君にエールを送るー」

「今年ーもー笑ーってー」

「春を迎えられますようにー」

お客さんも心を一つに応援してくれている様だ。

「おお皆さん素晴らしい応援ですね」

「うっうっ……なんかいい曲ねーぐすっ」

カバンに入れてあった二枚のタオルで交互に涙を拭うアリサ。

「え? これはみんなからの応援メッセージですよ? 曲ではありませんよ?」

「ククク……怖じ気付かずによく来たな! ここがァ……お前のォ……墓場だァァァ!!!」

魔王白川。

「何よ! そんな脅し効くもんですか!」

「まだ試合開始もしていませんが、凄い熱気です。ではルールを説明いたします。

一回戦と同じで、写真で一言です。決勝という事でかなりの難問を用意しています。

そしてここからが新ルールで、挙手制ではなく両方一つずつお答えいただきます。そして、拍手や歓声の多い方が1ポイントとします。

私の耳によるジャッジですが、微妙で判定が難しいと判断したら、お客様に拍手をして頂き、多い方を勝者とします。

5ポイント取得した方が、第11回ボケ人間コンテストの栄えある優勝者となります。

先攻後攻はサイコロで決めます。奇数の目が出たら、4番の白川さんが先攻で、偶数の目が出れば6番のアリサさんが先攻です」

「成程ね、純粋なネタ同士のバトルって事ね? でも! 私だってレベルアップしているんだ! 同じ様な問題ならいける! 多分!」

 最後に情けない事を言うアリサ。

「俺はお前が残ると思っていた。素晴らしい。最後にして最高の闘いをしようぜ? アリサよ!!」

--------------------------Final battle start------------------------

Alisa VS Syu Sirakawa

 

私の書いている小説です

リンク先はブログより4話ほど進んでいます。先が気になる方はご覧下さい。

https://estar.jp/novels/25771966

 

https://novelup.plus/story/457243997

 

https://ncode.syosetu.com/n1522gt/

イメージ問題?

「大分すっきりしたね」

「そりゃそうよ半分になっちゃったし……しかも男ばっかりじゃん。ムサー部屋変えてー」

「チビが色気づくな」

「何が?」

「異性を意識してんだろ! マセガキ!」

「してないしてないしてない! へークション」

アーチューを言う隙も無い程のマジのくしゃみ。

「ん? 風邪か?」

「何か寒いのよ……」

「あれ? 18℃に戻ってますよ?」

「道理で……暑がりのスタッフさんが18℃に戻したのかしら? ねえ! 27度位に上げて?」

「了解です」

ピッ

「よしあったかい♪夏に凍死なんてごめんよ」

「しかし……さっきは大恥をかいたよ……」

カンザス州ね……あの後吐血してたもんね。血液足りてる?」

「大丈夫。はあー、でも、あの醜態が全国に流れると思うと……優勝する気になれなくなったよ」

「おいおい! 例え勝てないと分かっていても、本気で来てくれよ……でねえと張り合いがねえよ! ここまでのし上がったのはあんたの実力だ。それは忘れるなよ?」

「はあ、そうですかぁああぁああ?」 

「もし優勝出来たら100万円返上してカンザスの部分をカットして貰えばいいと思うよ」

「そうかな? うーん……100万円も惜しいけど、僕にも芸人としての意地がある。もしあの部分をカットして貰えるなら100万円なんか惜しくない。出来る事ならそうするよ」

鎌瀬さんよぉ? そこまでするかぁ? 少し感動しちまったぜ? まあそれ以前に俺達に勝たなくてはいけないんだぜ? 出来んのかよォォおお?」

「頑張りますよ!」

   <凛> <凛>

凛とした瞳で白川を見つめ返す鎌瀬

「そうかい……お前の目。本気みてえだな。なんかあの出来事を経て吹っ切れた感じがするぜ? 今までの鎌瀬さんじゃねえ様だな? 油断しねえぜ?」

「よろしくお願いします!!」

「……まあもし俺があの失態をしたとしたら多分お前と同じ選択をしちまうかも知れんな」

「次はどんなお題が来るのかしら? もう脳みそ疲れてきちゃった」

「俺は平気だ。全然活躍してねえからなw」

「火村さんネガティブよ。一番でかいのにそんな事言ってたら、じゃない方脱却は先になるわよ?」

「だな」

「では準決勝が始まります」

「さて、と。仲睦まじい男子会は終了だ」

「女子も居るでしょ!」

「10年早いぜ♪」

そんな憎まれ口をききながら舞台へ戻る4名。

「さあ準決勝始まりました! お題はイメージ問題です。画面に文字を表示します。それをイメージでお答え下さい。では、スクリーンどうぞ!」

 日

「え?」

日であるな。これが問題か? 一体どういう……

「これをどうするのよ?」

「自由にお考え下さい」

「えー」

「はい!」

「3番の彼!」

『開いた本を、90度回転させてみました』

「成程! 本を開いたら□□となり、それを90度回転させると日になりますよね! いいですね! 他に居ますか?」

「そう言う事かー分かったわ!!」

「はい!」

「4番の彼!」

『ニソテソドーDS』

「確かにあんな感じですね。いいですよ! 次居ます?」

「はいっ!」

「6番の彼女!」

『資格情報』

「え?」

「は?」

「何言ってんだこのチビwww」

「説明するよ。あのね、日を、四角二つと考えたの。四角の上に方ってことね。方ってのは、それ一文字で四角って言う意味があるのよ。だから、四角の上に方。四角上方ね。それを変換してえ→しかくじょうほう→資格情報となった訳よ」

「凄い……何者なのこの子?」

「何でそんな事一瞬で思いつくんだよ!!」

「さあ? まあセンスかな?」

「な、生意気な!!」

「正直驚きました……他にはいますか……」

「……」

「いらっしゃらないようですね。では次行きます」

月月

「この文字を使って何か言葉を作って下さい!」

「なにい?」

「漠然としすぎでしょ? 何かヒント頂戴!!」

「ノーヒントです! 答えなんてないんですから。それに、今までヒントなんて出した事なんてありましたか? 答えがあるとするなら、それはお客様の笑いだけですよ」

「う……」

「こんなのにヒントくれなんてチビな馬鹿だぜw、おっと間違えたw馬鹿なチビだぜwまあ似た様なもんかww」

「くそー! チビと馬鹿を同じにするなー!」

「はい!」

「3番の彼!」

『二か月!』

「成程」

「反応が薄い……まあ余り印象に残る答えでもないですよね……」

「簡単だな。はい!」

「4番の彼!」

「2アウト」

「ん? どういう……あ! ゲッツ―ですか?」

「そうだ」

パチパチ

「では次居ますか」

「はい!」

「6番の彼女!」

「左の月を上下逆にするね」

「……? いいですよ」

『キツツキ!!』

「え?」

「待って下さい? もしかして? 月を逆から読んだキツと、それともう一つの月で合わせてキツツキですか! やりますね!」

「まあね」

「他にはいますか? ……居ないみたいですね。では次です」

スクリーンに映し出される。これは? 縦に火が3つ並んでいるな?

「はい!」

「3番の彼!」

『火山』

「火が3→火3→かざん→火山ですね。他に居ますか?

「はい!」

「6番どうぞ!」

『秘密』

「いやいやちゃんと答えて下さい」

「ええとねこれは、火が3つって考えてえ、ひみっつ→ひみつって感じにしたの」

「ああ、答えを秘密にしていたのではなくて、それ自体が答えだったんですね。他に居ますか?」

「はい!」

「4番の彼!」

『悲惨な火事』

「火が3つで火3→ひさんって事ですね。次は居ますか? ……居ないようですね。では次のお題です!」

    水    水    水

     水   水   水

         水 

        水 水

       水   水

      水     水

     水       水

ぬ? これは? 沢山の漢字で火の形を表現している? よく見るとそのパーツは水である。これは一体?

「これは何と読むのかイメージして下さい」

「はい!」

「3番の彼!」

『西瓜!』

「水と火を音読みにしてすいかですか? 成程! 他には?」

「はい!」

「8番の彼!」

『消火活動!』

「火に向かって水をかけているイメージですね? 何となく分かります。他に居ますか?」

「はい!」

「4番の彼」

『ガソリン』

「成程! 燃える液体と言うイメージですか? いいですね! 他には?」

「はいっ!」

「6番の彼女!」

「その前にちょっといい?」

「え?」

「地球は海が7割で水の惑星って言われているわよね?」

「はい」

「私達人間も7割は水ね?」

「そうですね」

「だから、もう人は水の様な物なのよ。でも水との違いは何?」

「喋る事が出来るとか?」

「まあギリ及第点ね」

「なんかイラつきますね。では正解を教えて下さい」

「正解は、どんな人間にだって熱い炎の様な心が宿っているって事なの!」 

「熱い心ですか……私にもあるのでしょうか?」

先程の突っ込みを見た限り、私個人的には冷徹な女だとは思う。

「ある!」

「今度探してみます。それで答えは?」

『つまり、体内に炎を宿した水なのよ! だから、この答えは人間!』

「うーん、深いんだか深くないんだか良くわかりませんが、まあいいでしょう。他に居ますか? ……居ないようですね。では次のお題です!」

 名刺

木木木木木

「さあ、イメージして下さい名刺と書かれている所も合わせて考えて下さいね」

木が五つ並んでいるな。しかも名刺と書いてある為、人名に絞られてしまっているな。

「う……難しい」

「はい!」

「3番さん」

『五木さん?』

「そうです。そんな感じで答えて下さい」

「いつも思うけど鎌瀬さんって毎回一番に答えるねー。早過ぎよ」

「誰かに思いついたのを先に言われるのが一番嫌だからね。兎に角早くを意識しているんだよ」

「へえ」

「他にいますか?」

「はい!」

「6番の彼女!」

「ちょっと鎌瀬さんと似ているけど少しひねって見たわ」

「どうぞ」

『五木ヨーコ』

「横に並んでいる5つの木ですね? いいですね! 他に居ますか?」

「はい!」

「8番の彼!」

木木木林きききりん

「おお、三つの木と、その隣の2つの木を林と考えて、それの音読みで女優の名前を作り出した! 凄いです! 他に居ますか?」

「はい!」

「また6番ですねどうぞ!」

『林みつき』

「ええと? 林に、三つの木でみつきですか? 成程。では、他にはいますか?」

「はい!」

「4番の彼!」

林木林はやしまき

「え? どういう事ですか?」

「林の間に木で、林間木→はやしまきで、女性の名前っぽくないか?」

「ああ! 確かに!! これは凄いです!!」

パチパチ

「他にはいますか? ……居ないようですね。では、次のお題です! どうぞ!!」

             金金金金金

               金

               金

             金金金金金

               金

               金 金

            金金金金金金金

ぬ? こ、これは? 金と言う漢字で大きい【玉】と言う漢字を形作っているな……そして、それを見るや否やアリサの表情がウキウキになる。一体何を考えているのだ? 想像も出来ぬ。ウム……これは、容易にアレを思い浮かべる事が出来てしまう。だが、それを回避しつつ面白い答えを出せと言う運営の狙いなのだろう。こんな子供だましに引っかかる馬鹿はおらぬな。皆アレ以外の答えを模索し始める……すると?

「はいっ!」

アリサが満面の笑みで手を挙げる。ぬ、皆さんお気づきであろうか? 今までどんな難問でも鎌瀬が一番乗りで回答していた。だのにそれを超えての速さでの解答か。余程の自信があるのかもしれない。アリサの解答に期待しよう。

「はい! 6番の彼女! どうぞ!」

『☆きんた☆……まずい! みんな気を付けて! これは……罠だよ!!』

罠だよ!! じゃないだろう! 容易に言ってしまった……テレビ放送用に録画をされている事も知っている筈のアリサが……本当か? 本当なのか? それを【きんた】まで言ってしまったら駄目なんだ……せめて【きん】で止めていれば……アリサほど頭が良いならそこまで言ってから気付く様な阿呆ではない筈だぞ? そうか。確かにあの問題は子供だましと語った。だが考えてみれば、アリサは小5の子供であった。……うっかりしていた……子供だましに子供が引っ掛かるのはごく普通の事……仕方ないよね……だがそれでも問題を見た瞬間気付き、それ以外の答えを考えるべきであったのだぞ!?

「むぁあ! ぬぁんておぐぅぇふぃんぬぁ! あんぬぁこぬぃわつぁすぃのくぉとをヴぁくぁぬぃすぁるぇたっつぇくぉとぬぁぬぉ? ゆるすぇぬぁいうぁぬえ!」

 何だ? 観客席から怒り狂った声が……この喋り方は? ああ……また蘇我子か……仕方ない……訳を入れるか……これも文字数稼ぎの為だ……

訳「まあ! なんてお下品な! あんな子に私の事を馬鹿にされたって事なの? 許せないわね!」

だそうだ。控室での事を覚えている様だな。

「あーあ言っちゃってるよ」

「言ってないよ? きんたと、まの間に……が入っていたから大丈夫だよ? き、ん、た、まを、続けては言ってはいないから! セーフセーフ! 大丈夫だよ!」

あのさあ……

「でも……今確実に言ったぜ?」

「このき〇たまは、例え話のき〇たまで、空想のき〇たまだから、あのき〇たまとは全く違うのよ?」

ああ……今までずっとお上品なお小説を貫き通していましたのに、全てが

《★☆ドンガラガッシャ―ン☆★》

と言う大きい音を立てて崩壊して行きますわ……アリサお姉さま? これはお上品なお小説ですのよ? お前回もお斉藤お隆之の事をお巻き○そと御連呼あそばせになって、品位を落とした事をお忘れですの? その教訓を全く生かせていないのですわ……こう言う所がお子様なのですわ。

私が以前語ったお笑い論に反するお下ネタをあんなに沢山言ってしまって……私悲しいですわ……ハッ 今、私の語り口が普段と違ってなかったか? そうか……大丈夫であったか……良かった……確かに私を含め全世界の約半数の人類は持っている【物】だ。

だがな? 所持している我々でもそこまでその名前を連呼する機会などないのだよ? それをお主はあの数秒間の間に何回言うのだ……男性が一生を終えるまでにその言葉を使う回数は大体3回ないし4回位だ。それを彼女はこの数秒で超えてしまったのだ。全く……お転婆な幼女である。

彼女は、小さい事がコンプレックスで、身長が駄目なら賢くなってやる! と、様々な分野を勉強している。図書館にも入り浸りその膨大な書物を読み漁りコンプリートして、現在別の図書館を探している程だ。だが、いくら大人ぶって色々知っていようが、根本的に実年齢は幼いから、こういうお題を見た瞬間、あっち方面に向かって行ってしまう。

アリサよ、まだまだ修行が足りぬな……我慢をする事を覚えよ……!

 ぬ? お下品な表現はそれ以前にも司会のお漏らしの件があったじゃないか? だとおお? お、おおお漏らしは下ネタではない。生理現象を描いただけで下ネタと言うにはまだ若い。多分な。まあその辺の線引きは十人十色だろうが、私はこれ位は大丈夫と思っている。だから、勘弁して欲しいw

「せめてさあ、きんた……まずいじゃなくて、きんた……やばいと言ってほしかったよ……そうすればまだましだったと思う」

「で、でも、こんなのどう考えてもお題が悪いわ! でも何で金○まなのかしら? 金じゃなくても良くない? 例えばプラチナ玉とかチタン玉とかダイヤモンド玉の方がいいと思うの」

「まあ確かに……でも金って金属の中では比較的柔らかいから、人体の一部として例え易いのかも知れない。知らんけど。それにさ、俺のプラチナ玉は今日絶好調なんだぜ? とか日常会話ではそんなに多用しないと思うし……金のままでもいいと思うよ」

「そうかなあ?」

「それにプラチナ玉は言いにくいし、ダイヤモンド玉は言いにく過ぎるよ」

「でも日常会話でそんなに多用しないと思うって言っていたよね? 言いにくくても良くない?」

「言ったけどいやだろ? 辞書でダイヤモンド玉とか調べたらしっかり意味が載っていたらさ」

「確かに」

「あのー? 金〇ま談義で盛り上がっているところ恐縮ですが、そろそろ……20秒程の間…… はいっ!【初めて】の回答者はまだでしょうか? 確かに難しいお題の様な気はします。ですけど、ここまで勝ち進められた皆様なら出来る筈ですよ! 頑張って下さい!!」

ほほう、この司会……先程のやり取りを全て無かった事にするつもりであるな? 【はいっ!】と言った部分で編集点を作った様だ。テレビの常套手段であるな! 金〇まを堂々と言ったのもどうせカットされる筈だからだな。まあ流石にあの部分はカットされても仕方がないな……だがこの司会少し抜けているな。理由は平気で、放送禁止用語を言う破廉恥系女子だという事を会場の全員に伝わってしまった事に気付いていないという事だ。カットされるから言ってもいいという根底があるから平気でそんな事を言えてしまうのだ。現実が全く見えていないな。それに、この会場は撮影禁止の決まりはない。故に編集しても、観客の内の誰かが、全て撮影していた物が動画投稿サイトに流れれば意味は無くなってしまうが……

「はい!」

「おお初の回答者が出ました! 3番の彼!」

わざとらしいな……

「将棋で、金とぎょくの両方の力を与えられた最強の駒!」

「え? 金も玉も移動範囲似ていますよ? 玉は8方向を一マス移動可能で、金はそこから斜め後ろに行けないやつでしたよね? まあさっきの6番の選手のネタよりはまだいいです。次居ますか?」

おいおい……折角編集点を作っておきながら【さっきの6番の選手のネタ】と言ってしまっては不自然ではないか? お茶の間の皆さんが「さっきって何だ?」 とならないか? 放送した際には今のが一回目の解答なのだぞ?

「はいっ!」

「6番の彼女! 今度はちゃんとした解答お願いしますよ?」

もう編集が難しくなってしまうぞ? 始めは賢いと思ったが、かなり抜けている司会だな……

『金魚のタマゴの販売店の看板!』

「ホッ、いいですね。他に居ますか?」

「はい!」

「4番の彼!」

『ジャックの豆の木のガチョウの産んだ卵』

「ああ金のタマゴですね? いいですね! 他には? 居ないようですね。次のお題です」

「次は土でしょうね」

ボソッと呟くアリサ。そう、今まで6問出てきたが、日月火水木金と言う順に問題が出されている。

故に一週間の曜日をお題にしている事はここまでくれば誰もが予想が付く。

「ではこれが最終問題です! ここまでの合計解答ポイントの多い方2名が最終決戦に進む事が出来ます。では、どうぞ!」

        土土土土土

       土     土

            土

           土 

          土

ぬ? アリサの予想通り土で来たな。だが、数字の7の様に並んでいるな……一体どういう答えを考えれば良いのだ?

「さあ! どなたかいらっしゃいますか?」

「はい!」

「3番の彼!」

『7月10日土曜日』

「え? どういう事ですか?」

「7を10個の土で表現しているから、その数字と土は土曜日にして表したんですよ。ていうか難しいですよ! これ位しか思いつきませんよ!」

冷房も効いている筈だが、赤面し、額から汗を流しつつ言う鎌瀬

「成程! これは確かに難問ですね。他いますか?」

「はい!」

「4番の彼!」

『よ、良い土で育った大豆で出来た納豆……』

解答は出来たもののやはり元気はない。まあかなりの難問だからな。

「これも聞かなくては分かりませんね」

「う……そのな? 7が、10個の土で出来てるからよ? 710で納豆と考えて、それが良い土で育ったんだよーって言う感じでさ……分かるか? 分かるだろ? こ、こんなの一般常識だぜ?」

白川もこの難問にタジタジだ。かなり焦っている様に見える……だが一切汗はかいていないな。そういう体質なのか?

「そんな位しか思いつきませんよね。まあいいでしょう。他いますか?」

「はいっ!!」

「おお6番の彼女!」

『±(プラスマイナス)7!!!!!!!』

「ん? ま、まさかこれ、土を±と考えて?」

「はいっ!!」

「これは中々凄いです!」 

「どう考えてもプラスマイナスには見えねえだろ! 笑いにもなってねえぞ!」

「確かにそうですね。ですが、今、私はあのネタを聞いてWコロリンのねずっちさんを思い出しました。

お題をお客様から頂戴して、物の数秒でなぞかけと答えを閃いてしまう天才芸人です。ああいう芸風だって、お笑いと言えばお笑いですよね?」

「くっ」

「他いますか? ……居ないようですね。では、集計行きます」

「頭真っ白よドキドキ……」

「6番 8ポイント! 4番 7ポイント! 3番 6ポイント! 8番 2ポイントですね……と、言う事は

6番と4番が勝ち抜けです!!!」

「うおおおおお」

「アリサーやったわねええええ」

「フンガーーーー!!」

「白川ーーーー決勝はあんなチビには負けねえよなああああ?」

「どっちも頑張れええええええ!!」

凄い歓声だな。

「勝ち残りやがったか……言っておく。決勝は全身全霊でいくぜ? お前には1厘の勝ち筋もねえ!」

白川の目つきが鋭くなる。

「……う」

その凄味に気圧されそうなアリサ。

「そう、ここに来てようやく笑いのイロハを覚えたてのド素人のお前にだ! だがな! どう考えてもお前は普通じゃねえ。

小5だったよな? そんな若い人間で考えられる物の限界を超えてやがるぜ? おめえはヤバ過ぎる。

芸人でもこんなヤバい奴は少ねえよ。でもな? お前とやりあってる時、何か知らねえが楽しいんだよな」

「よく分かってるじゃない! 新人に足掬われない様に気を付けなさいよ」

「言っただろ? 今の俺に油断は無い!!!」

「勝ち抜けおめでとう。信じられないよ全く凄い度胸だった……伊達に蘇我子さんをしわくちゃ呼ばわりするだけの事はあるね」

「ありがとう。鎌瀬さんの分まで頑張るから応援してね」

「はいアリサ兄さん」

「では10分の休憩です。決勝前の控室は、別々になります。

これから戦う相手と二人きりでは何かと気を使いますし」

 

私の書いている小説です

リンク先はブログより4話ほど進んでいます。先が気になる方はご覧下さい。

https://estar.jp/novels/25771966

 

https://novelup.plus/story/457243997

 

https://ncode.syosetu.com/n1522gt/

ベスト4決定

挿絵(By みてみん)

「まず回答する方は誰でしょうか?」

「はい」

「3番さん!」

『もし鬼に勝てなかったらどうするワン?』 

『そのとキーはおじいさんとおばあさんを鬼に投げつけて戸惑っている間に逃げましょう』

ドッ

「ああ、これって勇ましく鬼ヶ島に進軍しているシーンではなく、犬とサルの作戦会議のシーンだったんですね? ですが……おじいさんとおばあさんは居ないみたいですよ? もしかしてずっと後ろに居るのでしょうか? ですが彼らは投擲とうてきアイテムではないと思うのですが……それに実際は家で待機している筈ですよ? 彼らを連れだしたら鬼退治を達成した桃太郎を誰が迎えてくれるのでしょうか? 偉業を成し遂げた彼を誰一人待ってくれていなかった事を受け、悲しみに暮れた桃太郎は悪の道へと進んでしまう危険性もありますよ? 勝手に物語を改変してはいけないと思うのですが……それに付いて来てくれたとしても、彼らを持ち上げる筋力が桃太郎さんにあるのでしょうか? まだ子供なのですよ? 仮にその力があったとしても、ずっとお世話になった育ての親を鬼に投げる事なんて優しい桃太郎には出来ないと思います。投げつけられた鬼がもし戸惑ったとしてもですよ? それは一瞬でしょう。それに下手したら飛んできた二人をその大きな口で受け止め丸吞みに……ふえぇ……リスクが大きすぎますよぉ。費用対効果は極めて小さく、関節の弱いお年寄り達を投げてしまったら後遺症がエゲツない事になりそうですよ? せめて投げやすい形のキビ団子とか、犬とサルでは駄目だったのでしょうか? ハッつい喋り過ぎてしまいました……すいません……次の方いますか?」

フム、鎌瀬のネタの10倍以上も喋っているな……彼女も文字数稼ぎの一役を買ってくれている様だ。蘇我子、高音、そして新司会。全てが女性と言うのは気になるが、3人寄れば文殊の知恵と言うし、女3人集まればかしましいという諺もある。相乗効果で更に膨大な文字数が稼げる可能性が出て来る。次々増える仲間。そして、繋がる絆。美しい。

「はいっ!」

「6番の彼女!」

『もう少し強い奴おらんのかったのかのう』

ドッ

「お供に対する不満を本人達を目の前に直接言うスタイルですね? でも何かおじいさんみたいな口調ですね? 桃太郎さんらしくないですねえ……あっそうです! 最後が【う】だから、そうするしかないですもんね。ちょっとわざとらしいですねwでも文句を言うのは筋違いですよ? どう考えても彼の責任ですよ? キビ団子を与えたのは他ならぬ彼自身ですからね? いいですよ! 他には?」

やはりこの司会真面目過ぎるな……これはボケなのだ。そこまで重箱の隅を楊枝でほじくる様に突っ込む必要性は無いと思うが……だが文字数はしっかりと……いやしかし……

「はい」

「4番のあなた!」

『もどろう』

ドッ

「思いっきり進軍している様に見えますが? 刀持ってるし? では次です!!」

「はいっ」

「またも4番?」

『もう嫌になってきたよう』

ドッ

「全くそれを感じさせない勇ましい表情ですが、内心悩んでいたんですね。

少年がいきなり鬼退治に行く訳ですからね。気持ちも分かります」

「はい」

「5番の彼!」

『桃太郎って名前、将来トマトの商品名になりそう』

ドドッ

「実際ありますよね、桃太郎ってトマト。私も良く購入しています。そして、桃太郎よりもすごい品種があるんですよ。従来の赤トマトに含まれないシスリコピンを含む橙黄色種。シスリコピンリコピンより体内に吸収されやすいとされ、赤トマトより効率よく機能性成分を摂取出来ます。

従来、黄色トマトは食味が劣ると言われてきましたが、

《桃太郎ゴールド》

は、美味しさも抜群です。

何故ならトマト臭の少ないさっぱりとした味わい。これがトマトが嫌いなお子様にも受け入れられ、多くの消費者に好まれています。では次居ますか?」

「はい!」

「2番の彼女!」

『桃太郎ってダサいよな。ピーチ太郎にしよう』

パチパチ

「確かにそうですけど、英語が入ってる時点で日本昔話じゃなくなりますね。次居ます?」

「はい!」

「8番どうぞ!」

『もう少しレベリングしてから行きましょう』

「たしかにいきなり鬼とは戦えませんよね? そこら辺のスイラムなどをプチプチ潰して強くなってからでもいいんですよね? まだ居ますか?……居ないようですね。

では次のお題! 行ってみましょう!!」

「今度はこの曲をお聴き下さい」

ブルーレット押すだけ♪

かなり昔のCMソングであるな。うーむ。これだけでは伝わりずらいと思うので楽譜も添付しよう。

挿絵(By みてみん)

これであのCMを知らない方でもどんなメロディーか何となく分かってくれたのではないだろうか?

「はい! このメロディーに歌詞を付け、面白い言葉をお願いします」

「あっ! こういうの得意かも」

アリサは歌が好きなのだ。オリジナルの替え歌も幾つか作っている。

「はいっ!」

「3番の彼!」

『部活動を見るだけ』

「見学するだけして、結局帰宅部って感じですね……うーん何か足りない気がします。あっ……あの3番さん? 出来ればリズムに合わせて歌う感じでお願いします」

「え? 僕ぅううう?」

「はい。その僕です。たった今決めたルールです」

「そうなんですかあぁぁあああ?」

「では、他にはいますか?」

「はい!!」

「6番の彼女! リズムに合わせた感じでお願いしますね」

『♪ブルーレッドグリーンイエロー♪』

「成程、戦隊モノで来ましたね……あれ? ピンクが足りませんよ? これでは不完全ですね。まあ無理やりピンクをねじ込んでしまったらリズムがおかしくなってしまいますね。それに通常レッドブル―の順ですよね? なのにブルーレッドとテレコになっていますよ? 絶対におかしいです。それに4人では合体ロボの左手と左足パーツが欠けてしまい、上手く戦えませんよ?……これで五体満足の悪のマシーンと対等には戦えないと思いますが……次居ますか?」

「はい!」

「4番の彼!」

『♪ブレースレット研ぐだけ♪』

ドッ

「研いでどうするんですか? 他には?」

「はい!」

「連続で4番いいですね」

『♪武勇ー伝を言うだけ♪』

ドッ

「ヘレニズメンタルラジオのネタですね。武勇伝武勇伝♪武勇ぶゆぶゆぶゆうってね。

では他にありますか?」

「はい!」

「凄いですね3連続です! 4番どうぞ!!」

『♪スカーレットオハラ家♪』

ドドッ

かなりの盛り上がりだ。

「風と共に去りねの主人公のおうちですね? 他には?」 

「はい!」

「2番の彼女!」

『♪スリーサイズ教えない♪』

パチパチ

「そうですね。公共の場では言えませんね。因みに私のサイズは……あ、興味ないですか? では次居ますか?」

「はい」

「5番の彼!!」

『♪泥鰌甕で取るだけ♪』

「ああ私も見ていましたよ。ドラマのワンシーン。面白い程泥鰌が吸い込まれる様に甕に入って行きましたよね? そのシーンが鮮明に蘇ります……では次居ますか?」

「はいー」

「8番の彼!」

『♪ブルードラゴン島山♪』

ドッ

「おお! 相方さんの名前を! いいですね。他に居ますか?」

「……」

「……」

「……」

「……いらっしゃらないようですね。では、次のお題に行きます」

挿絵(By みてみん)

おじいさんが地蔵の頭にかかった雪を取り除きに笠を掛けようとしているシーンだ。これは昔話のかさじぞうか? かと、うの間が空白になっている事から恐らくそうだろう。

「これも先程と同じで中央が欠けている問題です。さあ! どうぞ!!」

「はい!」

「3番どうぞ」

「笠があるぞい? よし……回収完了」

ドッ

「ああ、あのシーン。おじいさんが笠をかぶせようとしているのではなくて、既にお地蔵さんにかぶせてあった笠をおじいさんが回収し終えた所なんですね? そうですよね……地蔵に笠なんか要りません。だって寒さなんて感じませんから……邪魔なだけです。人間が使った方が効率がいいですよね? 所詮石ころですもんね。では、次は居ます?」

酷い言い草である。

「はい!」

「8番の彼! どうぞ!」

『カジノですっちまったからこの地蔵を売って再挑戦しましょう』

ドッ

「そうですね。こんなに並んでも邪魔なだけですし、幾つか減っても気付きませんよね。他にいますか?」

さっきからこの女……心が無いのか? 言い方があろうに……

「はいっ!」

「6番の彼女!」

『カルシウム食べましょう』

ドッ

「ああ、あの頭にかかっている雪の様な物は実はカルシウムのサプリメントだったという事なのでしょうか? そして、それを頭に乗せているという事は、お地蔵さんは口ではなく頭からカルシウムを吸収するという事なのでしょうか? しかし、お地蔵さんにカルシウムは必要なのでしょうか? では次!」

「はいっ!」

「また6番ですね。どうぞ!」

関東甲信越地方』

ドドッ

「え? あの地方ってこんなに雪が降るんですか? どうしちゃったんですか? 成程! 分かりました! 100年に一度の大寒波に見舞われているんですね?」

「ならば! はい!」

「3番の彼!」

『かかっ、関西地方!!』

パチパチ

「あっ? 6番にかぶせてきた! 他にはいますか?」

「はい!!」

「4番の彼!」

鎌瀬さんよお! ネタを噛んじゃ駄目だぜwそれは芸人として致命的だぜwそれにな? かぶせとしてはちと弱いな! だが、俺のネタのお膳立てとしては完璧だぜえ! もしかしたら俺達、別の世界線ではいいコンビになってたかも知れねえな!! 打合せ無しでここまで完璧に温めてくれるとはな……」

「え? 僕ぅうううぅぅうぅうぅ?」

「そうだ、そこの僕ちゃんだ! ありがとよ! あんたはそこのチビの言っていた通り、サポーターに向いているな。これからもその道で頑張って欲しいw」

「でしょでしょwでも小さいは余計よw」

「な、何だってぇ~? 一体君は何をするんだ?」

「かぶせの……お手本だぜ! 俺はな? 正しいかぶせ方ってやつを、エリートの鎌瀬さんに教えてあげようって言っているのさ。さあ、お客さんが冷えちまう前に……とどめだああああ! はいっ!」

ニイッ

不敵な笑みを浮かべる白川。

「4番! どうぞ!」

「馬鹿な! エリート中のエリートの僕に教える事なんてある筈がない!!」

『カッ……カルホルルニア州』

ドドドッ

会場が沸く。

「ぷ、あははははっ……ハッ!! 今のは発声練習よ? 笑ってないから! 無しノーカンノーカン!」

そしてアリサも思わず笑ってしまった。

「なんと! 6番の選手、4番のネタに笑ってしまいましたああぁああ!!」

「だから違うって言ってるでしょ? もう白川さん! カリフォルニア州でしょwwクッソww噛んじゃ駄目って言ったそばからw」

「それはフリだ。その後しっかりと噛んだ。更にはわざと面白い感じにな! お笑いのお約束だぜ? おめえも笑ったろ? これは相当自信があったぜ? でもよ、わざと噛むって意外とむずいんだぜ?」

「そうだけど……悔しいいいい。私アメリカ人だし、アメリカ系のネタは弱いのよねえw」

アリサは金髪で、そう言われれば信じてしまう方もいるかも知れないが、アメリカが大好きなだけで、実際はアメリカ人ではない。

「まあ、なんだその……ライバルを笑わせる事が出来たってのはちょっと嬉しいぜ。

ちょっとだけだぜ?」

「あら? 私がライバル? 他にプロの芸人が居るのに?」

「その中でもおめえが一番骨があるかなあ?」

「言ってくれるねえ……俺達は駆け出しの芸人以下ってか……まあ今のところ爪痕残せてねえもんな」

そう言い火村は悔しそうにアリサを見る。

「白川さん見る目はあるじゃない。あれ? なんかいい奴に見えてきちゃう……白川さんは敵なんだからね! ……デへへ」

鼻の下を伸ばすアリサ。

「く、くそっ! 寄ってたかってこの僕様を馬鹿にしてえ! エリートの真の力を見せてやる! はいっ!」

僕様とは……

「3番の彼!」

カンザス州!!』

鎌瀬は、はっきりとそう言った。と、言うより言ってしまった。と、言った方が正しいか……

シーン

「え……」

「嘘……」

「ちょっと……」

唖然とする観客。

「おっと……これは……怒りで後先考えずに言っちまったか……」

唖然とする白川。

「え? みんな? 笑おうよ? たった今、エリートが放った面白いネタだよぉおぉおおぉお?」

唖然とする鎌瀬

鎌瀬さん……今のは無いわよ……今の、【だけ】は……無い……」

悲しみの表情……いや、憐れみの表情で鎌瀬を見るアリサ。

「どうしてだああぁぁ? 瞬時にこんな面白い事を思い付いたのにィィィ……ハッ、まさか? マイクが入っていなかったのかなぁああ? なるほどなあ」

ヴォンヴォン

「あっるぅえええええ? 入ってるよぉぉおお? 電源んんんんん?」

しかし、鎌瀬がマイクに触れれば当然手の触れた音は響いてしまう。故障はしてはいない。そう、していなかった……全く……現実とは上手くいかない物だ……実際鎌瀬が喋る直前に故障し、そのネタが客に届いていなければどれだけよかった事か……

「それは白川さんのカルホルルニア州を聞いた後に便乗しただけでしょ? それを、【思い付いた】とは言わないの……」

根っからの便乗厨の定めなのか……何でもホイホイ便乗しちゃうからこんな結果に……

「う……」

「それに、カンザス州って聞いて、ぱっと思い浮かべられる物や建物ってある? カンザス州に住んでいる人達や、そのファンの方々には悪いけど、特筆大書する所なんて一切無いでしょ? カンザス州って言ったらあれだよねって物、鎌瀬さん……一つでも言える?」

アリサよ……酷い言い草だな……

「……無いよ……思い……付かない……僕様は、カンザス州について、何も、知らない……知らない、知らな……」

私様も恥ずかしながらカンザス州の事を何も知らない……そして、それを調べようという興味も湧かない……

カリフォルニア州北アメリカ大陸の西海岸にあり、海岸の風景や、暖かいイメージがあって、皆にも定着しているわ。温かいイメージの地域が、あんな大寒波に見舞われている様に見えるから、そのギャップで面白いって感じるのよ! かぶせるなら、それよりも分かり易くて、面白いワードを言わなきゃ駄目だと思うの……」

「うう……」

「あなたが今やった事って、風景とか何もかもを無視して、白川さんの言った【カリフォルニア州】以外のアメリカの州の中で偶然、かと、うの間に当てはまり言葉になる物を、勢い任せで言っただけなのよ……」

「そんな……で、でも確かに……あの時僕様の頭の中は、人を笑わせようなんて気持ち全く無かった……ただ、白川さんに言われた事にむきになって……」

「あなたは、かと、うの間に言葉を当てはめて言葉を作りましょう! って言う小学校の国語の穴埋め問題をただ解いただけなんだもん。それも答えが薄く点線で書いてある様な優し目の問題集の一つの問題を点線通りなぞっただけ。そんなうわべだけの言葉のパズルを大勢の前で解いたからって、お客さんを笑わせる事なんて出来ない……タイミング的にも最悪よ! 白川さんが笑いを取った直後にそんな事するなんて……私、芸人としてはまだまだだけど、これだけは無いって分かっちゃったもん」

涙目になるアリサ。そう、滑ったのが自分ではないにしても、会場がここまで冷え切ってしまい、否応なく出てきてしまう涙。彼女は今正に本物の芸人なのだ……

「グ……が、がはぁっ!!」

何故か吐血する鎌瀬。余程ショックだったのだろうか? 

「あ……大丈夫? 鎌瀬さん!?」

(あ、言い過ぎたかしら……)

少し後悔するアリサ。

「心配ない……よ」

と言ってはいるが、目の下にクマが出来ている。

ここで天丼とかぶせの違いを語っておこう。

天丼とは、一人目が放ったネタと全く同じ事を言い、笑いを取る事。

比較的簡単な手法だ。ただし、タイミングを間違えればスベってしまう。そのタイミングは、芸人のセンスによるものがあるが、忘れた頃に言うのが最高のタイミングであろう。だが、注意して欲しいのは完全に客が忘れてしまっては意味がない。忘れかけた頃が最高のタイミングだと言えよう。

その微妙な瞬間を見極めるのも、芸人のセンスが関係して来るであろう。

そしてかぶせは、一人目の放ったネタのニュアンスを汲み取り、自分でアレンジして放つ手法で、似て非なる物だ。

今回のお題でアリサが【関東甲信越地方】とボケ、鎌瀬はそれにかぶせ【関西地方】と言った。

しかし、それではかぶせとしては弱い。と、白川の指摘もあったな。正に彼の言う通りなのだ。

だが、もしこれが逆ならば、恐らく笑いは起こった筈だ。何故こんな事になったかは簡単である。

それはアリサの答えより、鎌瀬の答えがグレードダウンしているから。

別にこれは関西地方が関東甲信越地方より下と言っている訳ではなく、ネタとしてのグレード。

考えやすさ、思い付き易さに大きく違いがあるという事である。

いや、鎌瀬は、思い付くと言う行為すらしていないのだ。お分かりだろうか? 説明していこう。

皆さんも想像してみて欲しい。雪国で地蔵に傘を掛けようとしている老人のシーンと、かと、うの間が空いている虫食い問題を見た時に、瞬時に関東甲信越地方と思い付けるだろうか? かと、うの間に

【んとうこうしんえつちほ】

と言う文字を瞬時に埋めたのだ。知識と柔軟性を備えた脳でなくてはこのワードは出てこないのではないだろうか? 皆さんはどんな答えを思い付いただろうか? 私は

『かなりさむそう』

位しか思いつかぬ。私は地蔵に触覚があると想定し、おじいさんがそれを不憫に思い、雪をどかしてくれている情景を思い浮かべ、こういう答えを考え出したが、地方の名前をあのシーンからは絶対に思い浮かべる事は出来なかっただろう。私の頭はそこまでガチガチなのだ……それを想像すると、相当の難易度になると思わないか? その時アリサは、北海道に比べたら雪国になりそうにない地域かつ、かと、うの間を埋めたら地方の名になる条件を満たした物を考えた。そう、関東甲信越地方と言う答えを。その若い脳みそで瞬時にな。その時使われたイメージ力は途方も無いであろう。

これが、【思い付く】と、言う事なのである。そう、元のネタは、昔話のかさじぞうなのだ。

その先入観を取っ払い、この答えに到達出来る人はどれだけ居るのだろう? 相当少ない筈。子供の頃聞かされた不思議なお話。その思い出を全て排除し、いかにすれば笑いが起きるかだけを考え産み出されたネタだ。

ぬ? 流石にアリサを褒め過ぎではないかであるだと? 確かにそうかもしれない。だが私は感じてしまっている。関東甲信越地方こそが、

【か○○○う】

と虫食いされていて、おじいさんが地蔵に笠を掛けようとしている画像のボケの【真の正解】なのではないか? という事を……理由を語ろう。確かにアリサのネタよりも白川のネタの方が多く笑いを取った。だが、その内容はアメリカの州の名を噛んで起こった笑い。そこで考えて欲しいのは、事の発端は何だったか? という事だ。地方名を一番初めにひねり出したのは紛れもなくアリサが切っ掛けである。もしもそれが無かったら流石の白川でも地方名のジャンルでは思い付けなかったであろう。結局鎌瀬の便乗に隠れていただけで、白川もアリサの答えに便乗し笑いを取ったという事実があるのだ。そう言う経緯がありこの考えに至った訳だが、流石に褒め過ぎであったな……自重しよう。

そして、鎌瀬のやった事はどうだろう? 実際に彼がその関西地方と言うワードを1から思い付いたと言えるだろうか? 私はそうは思わない。アリサの答えからアレンジしたのだ。流石に同じ事を言う事は出来なかっただろうから少し変えて……な。

アリサの苦労して産み出したネタを、少々ランクを落としてアレンジしただけだ。それを、思い付く。とは到底言えない。奴は、アリサの感じた産みの苦しみを一切感じる事無く、地域のヒントを彼女から受け取り、それを自分がさも思い付いたかの様に言ってしまった。嚙みながら、な……

その為、これを見た観客は、

関東甲信越地方を聞いた後だったら、私でもそれ位思いつくわ」

となってしまう。故に笑いは生まれなかったのだ。笑いとは、観客の予想を上回る事を見聞きした時に、初めて起こる物。

観客の頭に、次にどんなネタが? 何が来るか? と考えさせてはいけないのだ。

それと同じで、カンザス州は悪手以外の何物でもない。それどころか、厳しい事を語るが【ネタ】ですらない。

これは、関東甲信越地方、関西地方、カルホルルニア州の3段落ちで、見事に白川が爆笑をかっさらった直後に、混乱気味の鎌瀬が引き起こしてしまった大事件、大惨事である。白川の見事なアレンジを、鎌瀬の蛇足で静まり返らせてしまったと言う結果である。

無謀としか言い様がない。【自称エリート】のせいで、会場は水を打った様に静まり返ってしまった。ここはお笑いの会場なのに……葬式会場? 病院の待合室? と言わんばかりの静けさ。

鎌瀬は両親共にお笑い芸人だが、彼自身にはうっかり便乗してしまう癖があるという事を、両親から教えて貰っていなかった様だ。幼少の頃からずっと見ていて気付いていたのだったらはっきりと教えてあげないと、こうやって大勢の前で恥をかいてしまうのだが、敢えてそうしなかったという事なのか? それとも獅子が千尋の谷に我が子を突き落とす様な厳しい育て方なのであろうか? 芸人の子、更には言われずとも自らの意思で芸人となった鎌瀬。だからこそ敢えて教えず自分自身で気付いて欲しいという親心で黙っていたのか? まあ真実は分からぬが、白川に負けじと頑張った結果、最悪の事態になってしまった。彼の気持ちも分からなくは無いが、もう少し考えてから発言するべきだったと感じる。

「何か静まり返っちゃいましたね……では、次の方いますか?」

「……」

「……」

「居ないようですね。では、今までの回答数を集計しています」

「どうでしょうか……? 出ました。4番が6つ 3番が5つに 6番が4つ、8番が3つで5番と2番が2つずつでした。

よって勝ち抜いた方々は、3番と4番と6番と8番です!」

「……おめでとう。同じ女性として勝ってよね」

「勿論だよ!」

「悔しいがおめえら2人は抜き出ていたな……お笑いの泥鰌掬いのやり直しだぜ……来年こそは!」

梓と金賀も負けたとは言え、爽やかに送り出す。

「ヘッ当然だ! 後はたった2回勝ち抜けば賞金とテレビ出演かw人生って楽なもんだぜww」

「その2回がどれだけ遠いと思ってるのよ! 気を抜かない!」

「最後に相方の力を借りちまった。でも勝ちは勝ちだ。今日この日を、じゃない方卒業宣言とするぜ!」

「僕様だって……サラブレット……エリート……くそう……勝ち抜けたのに全然嬉しくない……」

だがお気づきだろうか? 鎌瀬はアリサのポイントより上で、二位で抜けて行った。滑ってしまったあのカンザス州もそのポイントの中に入っているという事だ。笑いの量は間違いなくアリサの方が上だった筈ではあるが、どんなネタでも1とカウントされるルールに救われた結果だったな。

「では、10分間の休憩です」

控室に戻る4人

私の書いている小説です

リンク先はブログより4話ほど進んでいます。先が気になる方はご覧下さい。

https://estar.jp/novels/25771966

 

https://novelup.plus/story/457243997

 

https://ncode.syosetu.com/n1522gt/

新司会登場

「じゃあ一応客席に戻って待ってるね」 

「うん」

ママやケイトも一緒に客席に戻って行った。

「さて、暫くゆっくりできそうだな」

 白川がイスに腰掛ける。

「ヘッ……アーチューアーチュー」

「おや? 風邪かい? 変わったくしゃみだね。アメリカの人かな?」

「そんな感じ」

「へえ、でもヘッって言ってからアーチュー言ったよ? まるでアメリカ式のくしゃみに言い直した様に感じたぜ? 俺の知り合いに顔は完全に日本人なのに頑張って金髪に染めている見栄っ張りな奴が居たが、今のあんたを見てそいつの事を思い出したぜぇ」

「気のせいよ。しかし、まだ寒いわね。もうちょっと温度上げよ? 美少女がくしゃみなんかして鼻水でも出ちゃったらもう美少女として終わりだもん」

「俺はこの程度の寒さ平気だぜ。まあ俺は年中この恰好だったが、冬は流石にきつくって、穴を掘ってその中で段ボールに何重にもした布団にくるまって隠れていたからな」

園児服の金賀が、それを指差しつつ誇らしげに言う。

「それもドラマで見たわ。でも洞窟内結構温かそうだった」

「ああ、それでも寒くて歯をガチガチ言わせながら耐え忍んだ。で、泥鰌の干物をかじりながら夜明けを待ったんだ。すごく長く感じたぜ……今思えばよく生きてたぜ……泥鰌って奴は本当に栄養の塊だったんだなって実感してるぜ。感謝だ」

「そうなんだ。泥鰌か……ちょっと食べたくなってきたわ」

「そうか? 嬉しいぜ」

「私もちょっと寒いわ」

梓も肩を大袈裟に震わせながらショールを取り出す。

「お笑いの会場だし、本戦で会場内が温まっちまうからこの設定温度なんじゃねえか?」

白川がイスの背もたれに寄りかかりながら言う。

「そうだとしてもここ控室ですよ? ここまで下げる必要は無いですよね」

「そうだぜ。27℃位にしてくれねえか?」

「分かりました」

 ピッ

「おおいいね。これ位が心地いい」

「うんそうね。風邪引いちゃうとこだったわ。それにしてもどうなるのかなあ? フンガーに賞品あげる約束したから、ここで終わるのは少し困る」

「ん? お前、俺に勝つ気でいるのか?」

白川がアリサに突っかかる。

「当たり前。あんたもいい線行っていたけど、歴代最高の2万ポインツを叩き出した私に敵う訳ないでしょ?」

「う、あの長いだけの薄っぺらいネタだろ?」

「あら? 狼狽えてるわねw」

「だがポインツ差は大した事は無いさ。いつでも抜けるぜ」

「逃げ切って見せるわ! アリサ逃げ足だけは早いんだからね?」

「フッそんな短けえ足で良く言うぜ」

「短かろうが回転率が人の3倍あれば関係ないわ」

「後で後悔するなよ?」

「ちょ……おいおい、俺もいるぜ? 2人の世界に入ってんじゃねえぜ?」

「い、一応私も居るわ」

「俺も忘れないでくれ。まるで眼中に無い感じ、子供の頃の惨めな生活を思い出しちまうぜ」

「そうですよ! 僕だってしっかりといます! 白川さんとアリサちゃんしか居ないみたいに言わないで下さいよ! 確かに……ポインツ差は激しいですけど……これから本気を出しますからね」

アリサと白川以外の4人が突っかかる。

「ピリピリしてるわね。ま、仕方ないけど、私もママにイライラしてキツイ事言ったわ」

「家族か……俺もつい最近までいたんだが、妹が嫁に行っちまって一人きりだ」

「おお、俺も妹居るんだよ。まだ高校生だけど……ん? 両親は居ないのか?」

火村も白川の話に食いつく。

「あっ! 妹の話? 私も聞く!」

アリサも食いつく。

「おお、あんたもいるのか。両親は小さい事に別れた。俺達は母親に引き取られたけど、一昨年前にな……親父も音信不通だ……」

「そうか」

「本当によく出来た妹だ。料理も上手いし……俺に似ても似つかねえ。あんたの所もそうか?」

「……今はそうでもねえ……大和撫子がよ、髪の毛キンキラに染めちまって。

携帯電話も、金剛石みてえなもんべたべた張り付けてキラキラにしちまってよ……嘆かわしいぜ」

「金剛石みてえなもんってダイヤのラメの事?」

「知らん」

「失礼します!」

係員が入ってきた。

「代わりの司会が到着しました。停電の原因は未だ不明ですが。では準備お願いします。」

「ちょっとまって? 気になったんだけど、昨日も停電あったんでしょ? 昨日ってそんな電気使う事あったの?」

「そうですねえ、一応ステージの準備とかでアルバイト100人位呼んでの作業がありましたが、今日程電気も使わなかった筈だし、みんなおかしいなあって言っていましたよ?」

「ステージの準備?」

「そうですよ。あのステージは組み立て式で、本来あの場所も大きなフィールドですから、フィールドの上部にステージを設置したんですよ。それにステージの両脇にある点数を測定する機械もそうです」

「そっか野球とかやる時にあれがあったら邪魔だもんね」

「そうですね」

「全員アルバイトなんだ。凄いね」

「そうです。その日のみに雇う人達で、現地集合現地解散で給料も取っ払いです」

「じゃあ誰が来てるかってのは余り分からないんだ」

「そうですね。こちらのスタッフが集まった人達に仕事内容を説明して、仕事が終わり次第帰って頂きましたから」

「停電何で起ったんだろ?」

「そこまでは分かりませんね……では10分後に再開します。準備お願いします」

「でも司会が到着したからってじゃあ頑張りましょう……ってそんな気分になれないわよ!」

「そうですよ! 今さっき死人かもしれない人を見たばかりですよ! ネタなんか思いつきません」

「俺もだ。後日に出来ねえか?」

「私もあんまり乗り気じゃないわ……」

「ですがお客様は皆さんを待ってくれています。司会が視界不良で転落し、死界に旅立った事は気付かれていません。なので、お客様方には歯を強打したので、死海の傍の歯科医の元で治療してると嘘を突いてます」

「上手い事言うわね」

「伊達にここのスタッフを9年もやってませんよ。選手のネタを見ていく内に私の中で変化が……そして……いつの間にかこの広大な宇宙の中で、世界一面白い人類となっていました」

この男、かなりの自信家である。

「じゃああんたも出場すればいいのに」

「フッ、そんな事してしまったら私が毎年優勝してしまって面白みがないでしょう? 私は待っているのです。私を打ち勝つ可能性がある存在が育っていくのを……その時が訪れた時、私は満を持して出場すると決めている。そこで、私は優勝を飾る。育てた者に圧倒的な差を付け、宇宙一の笑いが引き起こされてな。その時放ったネタは伝説となり、永遠に語り継がれる。

審査員もこれ以上のネタは生まれ様筈が無いと言う結論が出、ボケ人間コンテスト自体、終わりを迎えるだろう。

約束しよう。その時こそがこの、ボケ人間コンテストのグランドフィナーレとなる事を!」

ふむ、モブにしては台詞が長い気がするが……いいぞ! もっとやれ。

「あっそ」

「ここの開催者頭おかしいんじゃねえか? こんな事が起こっても継続とか……ちゃんと説明して半分位返金して帰せばいいのによ」

「気持ちは分かります。ですがそうはいかないと思います」

「ん? なんでだ?」

「はい、主催様は味噌門太さんと仲良しでした。そして、彼の事をよく知っているからこそ、お笑いを見に来てくれたお客様を、自分のせいで帰ってほしくはないと考えるのではないか? と思ったのでしょう」

「そういう事かあ。しゃあねえなあ。なら、やってやるぜい!!」

火村も気合を入れる。

「俺だってやるぜ!」

「仕方ないわね」

「分かったよ行きゃいいんだろ?」

「な、何だよ皆……クッ、なら僕もいくぞ」

「みんなやる気ねえ」

皆やる気を取り戻す。そして舞台へと向かう。

「初めまして! 門太さんの代理で司会を務めさせていただきます。新司会の都手母小五江とてもこごえです。

2回戦途中で、停電の為中断してしまい申し訳ございません。では選手達入場!」

眼鏡を掛けている。黒髪のワンレングスの30代前半の女性だ。白いスーツとハイヒール着用している。

……

……?

誰も入ってこない。それもその筈。マイクで音を拾っている筈だが、新司会は声が小さく、全く届いていなかったのだ。

「え? に、入場して下さい」

……

「怖気づいたのですか? 入場して下さい!」

シーン

「選手の皆さん! 入場して下さい!」

「あれ? 選手の皆さん日本語通じないのかしら? ではこうしましょう。こほん! Everybody of the player, please enter it」

約三分ずっと司会がマイクを持ち何かを言っている事は分かるが、誰にも届いていない。

「ちょっと!! 早く呼びなさいよ!!」

耐えかねたアリサがひょこっと顔を出す。

「あっ! やっと聞こえたみたいですね」

そこでようやくアリサはずっと新司会が呼んでいた事に気づく。そしてすぐさま他の選手も呼びに行く。

「皆様大変長らくお待たせしました。では第3回戦始めます!」

……

……

……?

「あのお……早く始めません?」

「え? ですから今大声で言った筈ですよ?」

「やっぱりだ……謎はアレ以外解けたわ! 口は動いてるみたいだけどあんたの声、何も聞こえないのよ」

「まさかそんな……」

「きっと緊張してるのね。よーしこのスケッチブックを貸してあげる。ここに台詞を書いてみんなに伝えて!」

と言いマジックとスケッチブックを渡す。

「成程。小学生ながら賢いです」

キュキュキュ

「書きました」

それを巨大スクリーンに映す。

『選手の皆さん入場して下さい』

この司会真面目過ぎるのではないか? 既に入場しているのに1からやらないと気が済まない性格なのだろう。

「いやいやもう入場してるわよ!」

司会はまたスケッチブックに書き始める。

『これはあなた達を試したのです。しっかり突っ込みできるかどうかをね!! 動揺して普段の力が出せなければ再開した意味はないですから』

「ふーん分かったけどそろそろ慣れた? いつまでもそれに頼ってては良い司会者にはなれないわよ?」

キュキュキュ

『挑戦してみます』

「お、頑張れ」

「もにょもにょ」

「ねえ、成長って言葉知ってる?」

キュキュキュ

『いいですね』 

「また私を試したのね?」

「冗談はこれ位にしましょう。少しリラックスしてきました。聞こえますか?」

「ちょっと聞こえたわでも……これで本気?」

「聞こえますかあ!!」

「うん、何とか聞こえたよ。よろしい進めたまえ」

「努力しましたからね……誠に遅れてしまい申し訳ございません。では、行きます!」

ワーワーワーワー

「会場も盛り上がって参りました! では3回戦始めます! 3回戦は虫食い部分ですが、文字の間が虫食いになっています。そこに言葉を入れて面白くして下さい」

挿絵(By みてみん)

桃太郎の画像だ。犬とサルと雉も一緒に写っている。

だが、上部に題名が記されているのだがそこには、もとうの間には空白になっている。

空白部分に上手い事文字を当てはめて面白い事を言うルールだろうか? 当然その絵に関係性を持たせつつ、空白を埋めなくてはいけない様だ。かなりのセンスが要求される問題である。

「空白部分についてですが、文字数は無制限です。

そして、今回からポインツ制を廃止しまして、回答できた数の多さでの勝負です。

諸事情で急遽ルール変更しました。

今まで稼いだポインツは無効となり、フラットな状態でのスタートになります」

「えー、嘘ーでしょ? 何でそんな急に? ……まてよ? 諸事情って……まさかあの機械、度重なる停電で故障しちゃったのかなあ?」

「おいおい……今までの苦労は……まあいい」

「え? 俄然やる気が出て来たわ!」

「これはラッキーです! チャンス到来!」

泥鰌の神が同情してくれた……ありがてえぜ!」

「何か悪いな。でも、これもルールさ」

この司会の言葉に、得点の多かった二人は落ち込み、そうでない者は、目の輝きを取り戻す。

アリサも推理していたが、恐らく停電で選手の得点のカウンターが0にリセットされてしまったのかもしれない。

今までの事は録画してあるのだから、それを見て点数を戻せばよい筈だが? そこまでしないのは何故だろう?

「それでですね、これから限られた時間の中でいかに多くの答えを出せるか? 皆様の引き出しの多さで競っていただきます。

全く面白くなくても1と考えて量産するもよし、今後の事も考えしっかりと練られた物を出すもよし。選手の個性が出る戦いになりますね」

そう、司会の行った今後とは、この先、ボケ人間コンテスト優勝者としてテレビに出る時に、今回の回答のVTRを全国に放送される訳だ。その内容がつまらなければ全国に

【ただ運だけで登り詰めただけの余り面白くない奴】

と言う印象を与えて終わってしまう。

だから、いかに面白く、そして多くの答えを出さなければ、折角テレビに出られたとしても一発屋として終わってしまうのだ。

「笑いも何も関係なし。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる。

ただ、【も】と【う】の間に当てはめた文字がちゃんと言葉になるものでないと無効です。

では……考えて下さい!」

「成程ね♪ よし気楽にいきましょ」

「何が笑いも何も関係なしだ! 大ありじゃねえか!! あいつ頭おかしいのか?」

白川はこのルール変更の真の意図に気付いた様だな。司会はああ言っているが、下手な鉄砲は撃てないのだ。

そう、放った全ネタを客の笑いのツボに命中させつつ数を多くこなさなければ芸人としての未来は無い。だが理屈で分かっていても簡単に出来る物ではない。

「白川さん? 何怒ってんのよw気楽にいきましょうよおww」 

まあ、一生芸人でいるつもりはないアリサは暢気に構えているが。

「何も分かってない馬鹿は気楽でいいなw」

 

私の書いている小説です

リンク先はブログより4話ほど進んでいます。先が気になる方はご覧下さい。

https://estar.jp/novels/25771966

 

https://novelup.plus/story/457243997

 

https://ncode.syosetu.com/n1522gt/