magisyaのブログ

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神真都Q リーダー逮捕

yomidr.yomiuri.co.jp

はあ~ 逮捕されてしまいました……正式に警察に認められたと言っていたデモだけやっていればよかったものを……これでワ〇チンを反対すること自体の行為すら評判が落ち、更に打つ人が増えてしまうかもしれません……イチベイいわくワ〇チンの事を説明しろと詰め寄ったそうです。しかし反ワクを激押ししておりますが、もう一つ改憲についても反対していることに関してはこのニュースでは語られていませんでした。ここが引っ掛かりました。

私は去年の7月くらいに初めてイチベイの生放送を見て、ああ、こういう組織もあるんだ。そして、その陰の組織の活躍で必ず世界が正しい方向に移行するとイチベイの話を聞いているだけで思い込んでしまっていました。恥ずかしい話ですが……一応推理小説を書いている私ですが全く疑う事もなく、そういう未知の世界があってもいいなと、言う事言う事全て信じていてまるで生まれたばかりの雛の様にイチベイの言う事は間違いないと心酔していたものです。都合の悪い事はみんなエリート達に隠されていて、私達の様な平民は、ずっと苦しい思いをさせられていて、その生活は実は間違っていた。

ネサラゲサラさえ来れば、毎月決まったお金が何もしなくても貰え、医療はメドベッドで医者が必要なくなり、フリーエネルギーも解放され、ガソリンも電気もガスも払う必要が無い! みんなもっと自由になれる! そういった事を無料で教えてくれている良い人だ! と、思い込んでしまいました。まあ毎日報道されるコロナのニュースに嫌気がさしていたのもあり毎日不安な日々だけどこんな所に一筋の光があったんだ! と毎日彼の放送を楽しみにしていたものです。辛い時だからこそ心を癒してくれるものが必要だったんだと思いました。こんなふうに逃げ道を探してしまった私を責められますか? 

イチベイは兎に角DSは追い詰められている。ほぼ勝っている。もう一息だ! を強調していました。更に、日本人にはYAP遺伝子があって、ほかの国の人達よりも優れていて、羨ましがられているとも言っていましたね。ずっとそういう事を聞いている内に洗脳されてしまったのかも? 自分には特別な力があるんだあとなんかとてもいい気持でした。そういう経緯があり放送が楽しみで、一日でも来ないと居ても立っても居られないってくらいまで依存していた時もありました。

ゴム人間(ゴムマスクを被って有名人に成りすましている人でルフィではありません)と言う存在を初めて知ったのはイチベイの放送が初めてで、芸能界はほとんどそういう人ばっかりだと言われ、俺はとんでもない事実を知ってしまったんだなあ……と、眠れなくなった記憶があります。

そんな放送を見続けていてそこからおみそん かめちゃん J☆ あおみえり あきらボーイ なると 馬面ビデオ 笹原さんの放送などの陰謀論と言われる放送も見るようになりました。その人たちはそろってもう勝利は確定しているを口をそろえて言います。ですが、1回目、2回目のワ〇チンは8割になり、3回目も5割。と、結局偉い人の思うとおりになってしまっています。

 

緊急放送が来るならさっさと来て3回目を止めてほしかったと思っていましたが今は来ないと確信しているので自分から動こうと眠い目をこすり記事作成しています。

 

私も社会人で6時くらいに帰宅し、本来真っ先にエルデンリングをプレイしたいんです。皆さんもやっていますか? 難しいけどこんなに面白いのは無いですよね。ですがその前にとりあえず書かなくてはと思い我慢しています。

 

話はずれましたがいつもの様に放送を見ていると、確か去年末でしたね。突然デモを起こすと話し始めました。

 

何に対してかと言うと緊急事態条項反対のデモを起こすと言う事でした。

これのヤバさはテレビで言わないから誰も分かりません。

イチベイは結果的に失敗してしまいましたが、これを止めるために逮捕されたと言う事です。押し入ってちょっと騒いだだけで逮捕。と、こんな国民に一切メリットの無い憲法改正を陰で進めている自民党。一体逮捕されるべきはどっちでしょうか? これが通ればもうデモなんか起こせもしないし、その場で処刑出来たり日本人も兵役を課せられる危険性まであるんです。

今まで打たないですんだワ〇チンも強制接種。地獄ですね。

このイチベイ逮捕のニュース一番に気付いたのはツイッターでした。その下にコメント欄がありますが、物凄い叩かれていました。擁護はほとんど無し……ちょっと悲しかったです。

しかしイチベイはそこまで有名な役者ではなかったのに、批判的なコメントを残していたアンチは彼の事をかなりよく知っている感じで叩いていました。

まるでずっと放送をかじりついて見ていた人が、手のひらを返して叩いていたって感じがしました。逮捕された結果起こってしまった信者の分断の修復は難しいでしょうね。

 

いま国民全員が条項を反対しなくてはいけない時期に来ているのに、こんな記事を書く事しか出来ない自分の無力さを痛感させられます。憲法改正に必要な賛成の任数が国会議員3分の2と、国民の半数が賛成する事で改憲できます。ところが……

www.sankei.com

このままでは本当に現実になる日も遠くないと思ってしまいます……

イチベイは放送で勝っているとしきりに言っていましたが、それは視聴者にデモを起こす気持ちを奮い立たせてほしくてそういう嘘を言ったのではないかと思っています。

普通に考えてお金も持っていて、TV、ラジオ、新聞などを操れる人達に勝っているとは本気で思えないんですよね。ですが、地下に住んで悪さをしているトカゲ(レプティリアン)は皇軍が始末した。だから後の残った地上はお前らデモで何とかしろ! と、架空の軍隊が頑張っているんだからお前たちも頑張らなきゃ駄目じゃない? と言う事で奮い立たせているのでしょうね。日本人ですからそういう事を言われてしまうとじゃあ頑張らなきゃいけないって使命感を持ってしまうのですが、ワ〇チン打ってしまった人は体調不良が続きまともに考える事も出来ないでしょうし、そんな状況で反対と言うアクションすら起こせないんじゃないかと思ってしまいます。実際は圧倒的に不利なんですよね。これは紛れもない事実です。私は色々見てきた末そう思っています。

 

ツイッターとかで光は勝利している。あと数日で緊急放送が来る。と言っているアカウントもそれをわかっていて、真実がお花畑の人たちにばれないように足止めしていると言った感じでしょうね。

 

一刻も早くそういうお花畑から抜け出し、自分で調べ本当の事を知り、その苦しい現状を納得した上で考えをシェアし本当に目覚めてほしいと思っています。

 

www.youtube.com

私は真実系の人の動画を見るのを止め、こういう動画で真実を知り覚悟しました。

この動画の内容、知らない人の方が多いと思います。テレビしか見ていないそういう人は初見だと思います。すごくショックかもしれない内容ですが、まず一番にそれをこの動画を通して知って下さい。この動画は信用できると私は思っています。真実系みたいに耳触りの良い事を言って現実から目を背けさせるような人達とは全く違います。実際はこういう世界を生きているんだ、と言う事をまず知り、そしてどうすればいいかをご自身の頭で考えて見て下さい。

 

rumble.com

そして、そのヒントとなる動画も一応張っておきます。

この動画も見てほしい動画です。結構長いですが是非見て下さい。

まずこの記事を見た皆さんが自分の頭で考え、シェアしてもよい内容だと感じたらシェアして下さい。まずは身近なところからお友達や家族と、余裕があればツイッターリツイートして下さっても嬉しいです。沢山の人がこの茶番に気付いてきていますが、私は小説家でそのツイッターのフォローをしている方々は小説を書いている方がほとんどです。なのでそういう事にはあまり気にせず自分の作品を書き続けている事と思います。

ただでさえ本業と掛け持ちで書いているならこんな世界の裏側の情報なんかに気にせず自分の作品を書き続けていきたいと言う気持ちも分からないでもないです。

ですが、もしこのまま最悪の結果になってしまい兵役とか国のやりたい放題になってしまったら小説を書く暇なんかありません。そして気付かない人はワ〇チンの副反応で弱っていって小説を読む気にもならない可能性も出てきます。既に1600人以上亡くなっていて、12人はすでに認められています。4000万は支払われていないそうですが……そして残ったのは国会議員とか役人、そしてワ〇チンの裏側を知っていながら接種を進めた医者、そして気付いてワ〇チンを打っていない人たちばかりになってしまう可能性も……結局そういう残った人にしか自分の作品は読んでもらえないことになるんです。そんな人たちばかりの世界で自分の作品を読んでほしいと思いますか? まあ気付いた人には見てもらえるからこのままでもいいやって思う方もいるかもしれませんが私はそんなのは嫌です。結局小説家だからこんな事を伝える必要なんかない。と言うわけではないと思います。

私の考えは間違っていますか? 一旦筆を置いて、この記事を広めるくらいの暇はあってもいいのではないでしょうか? もちろん自分の考えをブログで表現し伝えるでもいいですがそれも大変だと思うので、ご自身の考えとこの記事がほとんど合致しているのであればそのままこの記事を広げる方が楽だと思います。最終的に伝えるかどうかは見て下さってじっくり考えた末、広めてもいいやと感じたらでもいいです。私もデマを時間をかけて広めようなんて魂胆は全くないです。これは信じてほしいです。とにかく戦争に持っていきたいと思っている人たちの考えを何とかかわしながら広めて広めて広めまくって改憲を阻止しましょう! 

今一番大事な事

www.youtube.com

今更かもしれませんがYouTubeでこの動画を探したわけでなく、おすすめに出てきました。昨日の夜突然です。で、それを見てこの記事を作成するきっかけになりました。

今日は休みなので結構気合い入れて自分の作品を進めていこうと思ったのですが書く暇がないです……

www.youtube.com

この動画でもわかりやすく教えてくれています。

そして国会でもやっていますね

www.nicovideo.jp

少しずつですが広まっていっています。それでもまだまだ……政府はこの情報が出ていてもふてぶてしくワクワクキャンペーンなどと言う狂った企画を始めました。これはご存じかも知れませんが3回目を打った人を優遇するようなキャンペーンで、それを税金で行っています。とことんまで腐っていますね。そんなものに乗せられて3回目を打つのは控えるべきです。もちろんファイザーだから1291の副反応だろうけど、俺はモデルナだから安心だ! とは必ずしも言えないと思います。結局指示を出した人は同じなので安心できるとは思えません。作用機序が一緒ですから。

 

政府はこれを打つと人がどうなるかは熟知しています。表向きでは副反応についても対応していきます! と言っていても、心の底では副反応? いいえ。本反応で亡くなる事を喜んでいるんです。

人が減れば減るほど彼らにとって有益ですからね。

尾身会長はワ〇チンを打つことでオミクロン重症化予防効果は間違いなくあると言っていますが、それを接種することによる副反応も間違いなく絶対確実に必ず完全にあります。大げさではなくリスクとベネフィットの差がものすごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおくあるからです。

コロナは大したことは無い風邪のような物で、特にオミクロンは重症化はほとんどせず。それでも死亡者数が増えている事でもわかりますが、ワ〇チンの中にある1291の副反応を起こし得る成分のせいでいずれかの病気にかかり死んでしまいます。ゆっくり進行するので、亡くなった時には打った事をすでに忘れている筈です。

打ってしまった人は兎に角解毒です!

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もし解毒しなければこれだけの危険性が将来待っています。怖すぎる……これは簡潔にまとめただけでもっとあると思います良くこれが通りましたね……

解毒方法は前回の記事にも書きましたが、リンクを張っただけなので今回はしっかり書きます。

まずはイベルメクチンや松葉茶、緑茶などを飲む。亜鉛サプリメントを摂取する。

日光を浴びながら歩く。十分な睡眠をとり、くよくよしないでお笑い番組でも見て笑い、NK細胞を活性化させるなどなどです。とにかくジャンクフードと呼ばれるハンバーガーとかシェイクなんかは食べる事は出来ません。

もしそれで解毒は出来たとしても根治までには至らず、子どもが出来にくくなる危険性もあったり、半永久的にスパイクタンパクを作り出す体で生きる事に……ですがしっかり研究してくれていますので希望は捨てずに明るく生きてほしいです。

それにしても大した病気でもないコロナを9割予防する効果を得るために1291の副反応アリの毒液の3回目を打つことを。そして4,5,6回もありますよー。と、言われればずっと注入し続けるんですか? 政府は6回目の毒液を注文しているようですよ? 

因みに副反応がないと喜んでいる人もいるぞ! と言う方に教えておきますとあの毒液には何種類かあるんですね。生理食塩水とか無害なものも混ざっていて、濃度が高い物とかロットごとに分かれていて副反応が必ずしも起きないケースも用意し、出た人とそうでない人でも分断するんです。

色々考えていますね。DSと呼ばれる人は数は少ないけれどとても頭がいいんです。そして分断にはこういうのもあるんです。

Qアノンと言う組織があって、その組織は光の組織と言われていてワ〇チンは危険だと言っています。

その中には危険な成分が含まれていると教えてくれています。

それを世界に広めています。まあ、それはいい事だと思いますよね?

ですが、それは間違いないにしろ、それと同時に光の組織には米軍なんかよりも遥かに強い軍隊がいて、その軍隊で地下に住んでいるレプティリアンというトカゲ人間のような生物を始末してくれたんだよ! そいつらが子供をさらったりしているんだけど救ってくれたんだ! だの、世界緊急放送がもうすぐ来る! それさえ来れば今気づいていない人も全員目覚める。それが来ればみんな豊かに平等で暮らせフリーエネルギーも使い放題で病気や争いのない新地球に行けるんだと! と言うような内容も広めているんです。緊急放送に関しては去年の10月半ばには間違いなく来る! と言っていましたが、当然未だに来ていません。それでもずっと来る来る言っています。よく見るのは安心して心静かに待ちましょうとツイッターでフォロワーに常に語り続けているんです。そうです。本当の情報の中に、定かではない情報を混ぜているんです。その情報はどれもテレビや新聞では一切聞いたことのないような内容で、しかも聞いた人をワクワクさせてくれる様な非常に耳触りの良い希望に満ち溢れた内容です。そしてあたかも支配者層がもう既に光の組織の軍隊に追い詰められていて、もうすぐ奴隷の様な生活が終わるんだぁ! と言うような内容を多くつぶやいているんです。

そういう情報に触れると、自分はそんなすげえ秘密を握ってしまった特別な存在だ! と勘違いしてしまい、考える事を止めその人のツイートを待ちます。

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こういう情報を信じている人は、せいぜいそのツイートを引用リツイートするくらいで満足して待ち続けるでしょう。心静かにね……それがこの人の真の目的だと言う事を知らずに。だってそうじゃないですか? 確実に来るかもわからない情報を盲信してしまうんですね。故にそれを信じてしまった人は、自分から一切動かなくなってしまいます。これがもし本当ならいいです。私の手間も省けますし。ですがもしこれが真っ赤な嘘だったら? この情報を知っている人たちの大半? いいえ。ほぼ全員がワ〇チンの害毒が分かっている方々です。ですがそういう人ってさらに調べようとするんです。私もですけど。その理由はこれからワ〇チンの危険性をしっかりと知り合いに教えてあげるんだからしっかり勉強しておかないとと言う使命感からです。そして調べていく内にそういうつぶやきを偶然を見つけた瞬間にこう思うんです。

 

「ワ〇チンについて調べていたけど、裏ではこういう組織がいて秘密裏に活躍して下さっている! こりゃワ〇チンどころじゃあない! この方々達の事を広めなくては!」

 

と、目的がすり替わってしまうんですよ。これ、3か月くらい前までの私ですwお恥ずかしい……

で、結局その情報が、そのワ〇チンを何とか止めたいと動き出した人達の足止めになっていることになりませんかね? このワ〇チンは危険だと言う事を全く知らない人に説明するにはちゃんと勉強しないといけないな。と、ちょっとかじった人が陥ってしまう罠だと思います。その光の組織と名乗るアカウントはワ〇チンが毒と言う一本柱を有効活用し、それ以外のウソかも知れない情報も信じ込ませてしまうと言う事です。ワ〇チンの事は正しいんだから自分が知らなかっただけでこの情報も正しいんだ! と思い込んでしまいそれで頭を満たし、行動しようとした人達の動きを縛り、本来一番やらなくてはいけない事を考えさせないようにする。こういう効果があると私個人は考えています。

ワ〇チンの真実を知ってしまったか。じゃあその知ってしまったお前を始末しよう。じゃなくって巧みに誘導し言わせないようにしているんです。本当に頭がいいですよね? でもこんなこと偉そうに書いていますが、その直後に緊急放送がマジで来てしまったら笑ってください。それは反省しますまあ多分来ないと思っているだけで、来たらうれしいと思っていますし。

兎に角今一番伝えなければいけないことは、光の組織が裏で活躍してくれていると言う有耶無耶な情報をシェアするのではなく、ワ〇チンの毒を、既に陰謀論から現実になったその事実を、

 

【自分の口で自分の一番親しい人達に心を込めて伝えていく】

 

と言う事じゃないでしょうか? それをこのツイートを信じている方々は光の組織が何とかしてくれるー♪もう安心だあー♪と安心しきっています。現実問題そんな場合じゃないです。

ちょっと考えれば優先順位は分かる筈。ですがワ〇チンの毒の事を遥かに凌駕する情報を次々出されることで一番大事なことが消え、その嘘か本当かわからない情報が頭の中をクルクルクルクル回っていて安心しきってしまうと言う仕組みでしょう。自分にもそういう時期があったのでわかります。これでこの世界は安心だwwwって思っていた時がね。

ですが、色々な陰謀論系の動画を見まくって思ったのは、結局色々なニュースを出していて、自分のチャンネルを飽きてほしくないという魂胆が見えてしまったんです。もちろんワ〇チンの事も言いますよ? でもそれが終わったら機械的に別の話題をしれっと出しているんです。それを見て

 

「え? 今そんなこと言ってる場合じゃないでしょ?」 

 

と言う違和感を覚え、次第に陰謀論系の配信者に、誠実性を感じる事が出来なくなってしまったんです。その方たちは私なんかに比べ遥かに人に見られていて発信力は強い筈。ですから自分のチャンネルを維持する事よりも、今は、今だけは飽きられようが見限られようがそんな事お構いなしでワ〇チンに関する話題だけを発信し続ける必要があると思うんです。例えしつこいと言われようが他のニュースは後回しでいいから3回目をまだ打っていない人が今も6割くらい残っている時点では優先して止めるよう呼びかけなくてはいけないんです。まだ知らない人は山ほどいます。このままじゃワクワクキャンペーンに乗せられ3回目は当然として4回5回と盲目的に打ち続ける人が……

それに比例してシェディングも強くなります。もう満員電車なんか乗れませんよ

今できる事を見誤らないでほしいんです。もちろん緊急放送が来たら嬉しいですし

希望は持てます。ですが来ていません。去年の10月15に来るって言っていてもう半年です。それでも来ると信じている人が未だに居ます。

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どうでしょう? この方たちはワ〇チンの毒も気付いています。ですが、完全に他力本願でしょう? トランプならまだわかりますがプーチン? 習近平? 何を言っているんでしょうか? こういうのをお花畑状態と言うんじゃないでしょうか?

完全に足を止めて待っているだけ。それじゃあダメでしょ! で、引き延ばした結果、接種者を増やしただけ。政府がやろうとしていることは全て順調に進んでいます。

待っているだけでは何も起きないと言う事に気付き、行動しなくては駄目なんです! この足止めを振り切り行動していたらどれだけ接種者が下がったでしょう?

相当変わってくると思いますよ? 政府はQアノンと言う組織の存在を知っていても当然邪魔はしません。足止めしてくれていることを知っているからだと思います。

2回接種さえすればでコロナは終わると言っていたのに、いつの間にか3回目を打つのが当たり前にすり替えられている。そして2回打って3回目を打っていない人はそのキャンペーンに参加できないという差別的行為を私たちの税金を使い行っているわけです。もし去年10月に来ていれば死人だってこんなに出なかったはずです。色々証拠が出そろっていてもう準備万端と言っていました。でもやらないんです。去年末Qアノンの日本支部ヤマトQのリーダーイチベイは全国民の37%の人々が気付いたら緊急放送は来ると言っていました。これっておかしくないですか? 全く知らない人に気付いてもらうために緊急放送ってするんですよね? でも37%はヤマトQのメンバーで地道に伝えて言って37%にするんだの1点張りです。で、世界はもう終わっている。日本以外の国は37%達成したと言っていたんです。後は日本だけだと言う不自然さ。違和感ありまくりです。だって何でそんなことわかるんですか? 中国も37%気付いているんですか? 色々言論統制されている国ですよ? 地道に会話で気付かせた? 全く不明です。何をもってして気付いたと言えるのでしょう? 気付いたと言ったらカウントするんですか? それで信用してしまうんですか? 嘘を言ってる人もいるかもしれないですよ? まあこれを聞いてもう来ないなと確信しました。放送の意味がほとんどないと思ったからです。仮に本当に37%達成した後来るとしても残り63パー気付いていない人の中にはワ〇チンの中身を知っていて打った医者や国会議員もいるんですよ? だからその人たちを処刑してそのうえで37%の人が気付いたら来ると言っているんです。無理があると思います。そうやって引き延ばし引き延ばしで信者を獲得しているだけなんだと思いましたね。私がその緊急放送を実行できる権限を持っていたなら、いつまでも引き延ばしていないで多少前倒しにでもしていいからさっさと放送して被害を最小限までとどめると思います。権限欲しい

そして、確実に悪い方向に進んでいることを頭で考え、行動するしかないんです。そうしないといずれ脳が回らない人だらけになり、こういう理不尽な条項を通す事にも抵抗しなくなるでしょう

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自民党が今進めている緊急事態条項。これが通れば色々自由に政府が動けます。

たとえばワ〇チンを打っていない人も強制接種になるとかね……

そして一番下。97条はしっかりと消されてしまいます。これが通れば人権なんか侵され放題ですね。

この記事を見て危機感を感じ、もしも動けるなら動いてください。具体的にどうすれば? それはまずこの記事をそのままツイッターでもなんでもシェアしてくれればいいです。そして知り合いが近くにいるなら一緒に読んで知って欲しい。この記事の内容は恐らく間違いないと思っています。慎重に取捨選択していますがそのソース自体がでたらめの可能性もゼロではないです。ですが自分の頭で考え、これは正しい情報だ! と判断したら是非!! DS達は少数です。みんなが力を合わせ情報を共有し大きな波が起こればもしかしたら流れを変えられるかもしれません。意欲的に民衆を分断し、協力することを嫌っているから分断してくるんですから!!フランス 革命も王族を民衆が打倒したんです。情報を共有しあい一致団結し!

昔の人にも出来た事を今の人たちが出来ないなんてないでしょう? ツイッターとかでも情報を気軽にシェアできるんですし。ですから今一番大事な事は3回目を食い止め政府が実際行っていることをしっかりと伝える。そうすればそれに反対する人は、仲間はどんどん増える筈! 正しい情報=この時代における武器を装備した心強い仲間たちが。そしていつか今居座っている政治家を一新し、本当に日本の為に動いてくれる政治家を選びましょうよ!

 

そうすれば私も安心して小説が書けるってもんです。テレビの情報は逆指標位に捉え正しい情報シェアをしていきましょう! 動けるときに動くんですよ!!

接種者と非接種者の使命

こんにちは。ワ〇チン3回目がどんどん進んできましてそれに比例して体調不良を訴える人が増えてきていますね。

2億回打って死亡者0と言っていたあの頃が懐かしいです。

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これは有名な動画ですね。はじめしゃちょーとブロックデマ太郎の動画です。

蓋を開けてみればもう1500人は亡くなりくなっていますが……まあ国は認めていないけど……

当時、このデマ野郎の言葉にどれだけの方が安堵を覚え、自分で調べもせずにホイホイと打ってしまったか? この影響は計り知れないです。超大物ユーチューバーとのコラボ=そのユーチューバーが好きならば、彼らは好意的に受け止める筈です。大勢のファンの目に無責任に

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リアルタイムで亡くなっています。亡くなる直前のツイートでしょう。そしてその妻の旦那が訃報報告……ツイッターでしか伝える事が出来ない……仮に河野に副反応が苦しいと言ってもブロックされるだけ

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こんな対応あり得ますか? せめて心配ありません! 治ります位の返事は言ってもいいのに問答無用でブロックです。この男、人の心を持っているのか?
信憑性のない情報を伝えるために意図的にコラボした……このブロックデマ太郎の罪大きい。こいつは大量殺人犯と言っても過言ではないでしょう。まだ治験中の未知数の物を死亡者0と言い切ったんですからね。

そして、現在日本で100000000人ほどが2回目を接種し終え、3回目もその4割が接種済み。そしてそれだけ打ったなら普通に考えれば健康な人が増えて来る筈だという矢先にこれです

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細かくて読みにくかったらすみません。要するに火葬場を増やす計画です。

今流行りのオミクロンは、重症化しないと言われています。なのに、死者が増えるとは考えにくいです。
これが出されたタイミングが岸田が3回目を1日あたり100万回接種の目標を掲げた頃の事務通達だから、ワ〇チン接種を推奨しておきながら、一方でこの通達を出している厚労省?? この不自然さ。どう思われますか? 自身の頭で考えて見て下さい。

因みにかなり古い物でも摂取できるように賞味期限を延ばしています。手書きで……

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なんかせこいですね。賞味期限切れたならもう打たずに捨てろ!!

そういえばファイザーが約一月前の3月5日にワ〇チンに1291の副反応があると発表しました。

知っている人は少ないでしょうね。テレビで言わないですから。

これは本来みんなに打つ前に国が絶対に絶対にゼッッッッッタイに発表するべき内容ですよね?。それで打つかどうかを判断する。それが普通です。

因みに1291の副反応があるけどコロナには超強いんだ! と言われて皆さん打ちますか? 絶対打たないですよね? その副反応の中にはあの1型糖尿病とかもあるんですよ? インスリンを注射し続けないと言われているあの病です。それだけでもデメリットの方がベネフィットを遥かに上回っています。そんなのがあと1290あるんですよ? ですがファイザーはこの事実を発表しろと言われた時なんて言ったと思います? こうです! 

45万ページの膨大な量だから75年かけて少しずつ開示していく。

と、ほざいていました。馬鹿は休み休みに言え! それが却下され今に至る訳です。ファイザーが渋々命令されて出したデータ。これほど信憑性が高い物はないのではないでしょうか?

ikenori.com

これをどう思うでしょう? 信じられないと思いますがファイザー本社の真実のデータです。これを見ても陰謀論だとかデマだとか言っている暇はありません。公式のデータです。そろそろ目覚めて下さい!

タイトルの事についてそろそろ話しましょう。私を含む非接種者の使命は、これからもそのまま非接種を継続しなくてはいけません。いかなる同調圧力をも跳ね退け、ノーを言い続ける。毒を入れられるなんてゴメンです。でもこれが意志の弱い方であると貫き通せない。それでも断固断り続ける。これを頭に入れて下さい! しかしそれだけでは足りません。周りの接種者の吐く息にも注意する必要があるのです。シェディングですね。接種者に囲まれると気分が悪くなると言った健康被害です。接種者の吐く息を吸う、更には皮膚同士で接触するだけでも気分が悪くなると言う事です。もし接種者に囲まれた場合はスパイクタンパクが体内に入ってくるので解毒をする必要があります。そうです。打っていないからと安心できません。もし自分は打ってなくても恋人が打ってしまった場合もいちゃつくことすら出来ません。悲しいですが……残された非接種者は常に周りを気を付けながら生きていかなくてはいけません。何せ8割が打っていますから……そして怪我もできません。出血多量で輸血が必要な場合にもしも接種者の血を輸血されれば打っていないのに接種者と同じになってしまいます。怖すぎます。

まるでバイオハザードかドラキュラの世界に入った気分……非接種者が接種者に近づいたら接種者に……そんな非現実的なことが今起こっています。

新型コロナが始まった頃に出された三密は今こそ守らないといけないと言う事

です。未知のウイルス感染を予防するためではなく接種者全員が非接種者に悪影響を及ぼしてしまうから……

5チャンネルのワクチンスレなんかを見ていると接種者なんかもう見捨てろ! 

見たいな非接種者もいます。自分は選ばれし存在で打った奴は全員馬鹿みたいなね。

私はそういう心の狭い人間には絶対になりたくないです。可能な限りシェアしていきたいです。打ちたくなくても打たされた人もいるんですから。シェアしても信じてくれない人もいますけど根気よく伝えていきます。まあ接種済みの方を説得するのは非常にムズイ。何せ自分の意志で打ったと思い込んでいる人がほとんどですからね。でも非接種者は、3回目は打つな! とかテレビを信じるな! とかこのブログを見せるなり色々シェアし続けて下さい。協力して下さいお願いします!!

 

そして接種者の使命は、3回目以降は打たない。解毒する。そしてもし非接種者に近づく場合は、できるだけ解毒が進んだ状態になってから、そして今やられた理不尽なことに対し怒る事です。

接種した事で体の中でスパイクタンパクを生成する体に変えられてしまった事。

それを周りにまき散らす体になってしまった事皮膚接触だけでも移ります。

そして遺伝子の組み換えが起こり、正常に子孫が残せない危険性。

これは調べて驚いだんですが、接種者は遺伝子組み換えが体内で行われているために接種した方の遺伝子情報は元の遺伝子ではなくなってしまっているんです。故に妊娠して赤ちゃんが生まれたとしても正常な子供ではなく、例えば腕が三本だったり、頭が二つの子供が生まれる危険性もあるんです。更には正常に生まれたとしても生殖機能がない子供が出来る可能性もあります。ワクチンの成分は子宮に留まることがデータで出ています。スパイクタンパクは受精卵をあのトゲトゲで攻撃する訳ですね。怖いです。これはこれから先に起こり得る事で断言はできませんが、どこか欠損している赤ちゃんが増える危険性は十分にあります。当然接種者の父と非接種者の母で作ってもそうなる危険性があります。

これはレオポンなどで例えると分かりやすいかもしれません。

レオポンはライオンと豹の子です。他にも合鴨(アヒルマガモの交配種)は次世代を作れないのです。合鴨はトリビアの泉で見ましたが、役目を終えたら子供が残せないのですべて飼い主に食べられてしまいます。「カモーン」と、飼い主が呼んだらみんな集まってきます。そういう風に躾けられています。そして集まった合鴨の一羽を飼い主が鷲摑みにして厨房へ去っていきました。その時の衝撃は今でも残っています。雑談を挟みましたが、正常な遺伝子同士でなければ奇形が生まれるのです。異種交配は続かないと言う事です。テリーのワンダーランドでは色々なモンスター同士で配合して世代をつなげる事が出来ますが、実際はそうはいかないと言う事ですね。厳しい事を言うと、もう接種者は人間ではなく

 

人に似た何か

 

なんです。だから接種者同士では人間が生まれる可能性は低いんです。こんな状態にされても誰一人気付いては居ないでしょう。

ですが緩やかに変わっています。

 

そして何もしなければ2年後には全身がスパイクタンパクなどでダメージを受け、死に至る可能性があります。

これは政府マスコミそして企業もタッグを組んだ大量殺人です。遅効性の毒を政治家、タレント、お金、ありとあらゆるものを使い大勢の方々の体に入れるという前代未聞の事が現在進行形で行われています。許せないです。

ですが、始まってから2年の月日が流れ、先人が打って受けたデータのお陰でかなり正確にワ〇チンの事が分かってきたからここまで書けるのです。その命を懸け伝えてくれた事実を受け止め無駄にしてはいけないと思います。

もし接種済みの方が接種前の血液検査のデータがもしあるなら今もう一度検査しそれと比べて見て下さい色々変わっているかもしれません。

証拠にもなります。これが集まれば恐らく武器になるかも

ですがあちら側にも言い分があります。これです。

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ああ……なんてかわいそう……じゃあ打ってあげますか! ってなりますか?

このために必死に打て打て行ってるんです。

皆さんの命は二の次。自分の立場が最優先……許せない!

在庫を抱えてしまい期限までに消費しないと違約金を払う事になるそうで必死なんです。

そして接種者さんはコロナウイルスにかかった場合人に移す危険性があると刷り込まれれば自己犠牲の優しさに付け込まれありえない成分を打つしかないでしょう。そして子供にも打とうとしています。この不自然すぎる事に対し、怒りの声を上げるべきです。

全ては政府もわかっています。これから沢山人が死ぬ事を……だから火葬場を増やしている。なので打ってしまった皆さんは兎に角動けなくなる前に解毒して下さい。

今はまだ健康だと思っていても徐々に蝕まれています。ですが突然死んでしまう可能性があるんです。体の中にあるスパイクタンパクを抗酸化作用の高い食事で減らし生き延びる事です。絶望せず生き延びるんです! 2~3年経てばその組み換えに関しての根治が出来るかもしれないと言う可能性もあります。それに賭け、明るく生きて下さい。

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(15分動画)ワクチンを打った人に希望はある

こういう動画もあります希望は捨てないで下さい!!!!!!

 

そしてワクチンの解毒方法を張っておきます。

https://www.aboutnursingschools.com/detoxification/

 

hanwakukikin.jp

そしてこういう動きも出てきています。このリンク先から飛んでよく見て下さい

岸田内閣を訴えると言った内容の文書ですね。彼らは犯罪者です。基本的人権を完全に無視し、善良な人の自由な生活を奪うだけでなく健康も、そしてその人たちから生まれてくるはずの新たな命さえも奪うんです。こんな人たちに国を任せては居られません

応援しましょう。

最後に私もこんな時代になってしまい心が落ち込んでいます。で、癒しとして寝る前にちょうどやっている生放送を見ています。ここのリスナーは既に気付いている人ばかりで質の高い情報をコメントで無料でシェアしてくれていますそれでも鵜吞みにするのは駄目ですけど

 

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もし時間があるなら一緒に見ましょう。辛い時代だけど頑張れる気持ちになれる放送です。

私が言える事はここまでです。かなりの情報量で、書くのにも8時間位掛かっています。私のこの思い伝わってくれると嬉しい。この情報がすべてデマなのか? それとも真実が混ざっているのか? その頭で考えて下さい。ぶっちゃけると私は小説家です。本来暇な時間は小説を書きたいんです。でもそれを中断してでも伝えなきゃと自分の中で変化があったんです。このままじゃいけないって気持ちが。せっかく小説を書いたのに読んでくれる人がどんどん死んじゃったら書く意味も薄くなっちゃう。

薄っぺらい動機かも知れないかもしれないけど皆さんに生きていてほしい本当の本当の本当です! こんな理不尽な殺され方はあり得ない。

これを計画している人もちょっと人口が多すぎるんで少子化と節電と小食でお願いしますって本当の事を言えばいいのに、こんなやり方でこっそりと減らすのは絶対にダメだと思います。

後は自身でしっかりと情報を取り、接種者非接種者仲違いする事無く共に生き延びていきましょう! では失礼します。

モラしま太郎 後編

「ねえママ? 途中まで聞いてて思ったけどこのお話、桃太郎と浦島太郎の2つのストーリーが混ざっているわ」

 

「そうかしら?」 

 

「え?」

 

「よーく思い出してみて? ほら! モケポンも混ざっているわよ」

 

「あーーーーそういえばーーーーーーカメエエエエエエエエエエックゥゥゥスゥ!!!!」

 

「ふふふwまだまだねアリサ」

 

「精進します……ママはすごいよ。洞察力が尋常じゃないわ……流石現役の刑事ね! じゃあ続き読んでー」

私は思うんです。尋常じゃないのは、アリサちゃんの語彙力の様な気がします。 この子は若干3歳だそうです。ですが、沢山の言葉を知っています。一体どんな学習をすればこんなに喋れる子供が育つのでしょうか?

 

「はいはい」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「皆さんしっかり掴ってくれカメー」

 

「うん!」

 

「青い海! 綺麗だワン」

 

「初めて泳いだ海の底。とっても気持ちがいいもんキー」

 

「水がいっぱい! 不思議な感覚だケーン。羽が濡れてしまうケーン

カメは竜宮城があると言われている海底に泳いでいきます。水深400メートルくらいでしょうか? 徐々に上がる水圧に耐えながら皆しっかりと亀の甲羅にしがみつきます。そして……

 

「竜宮城に着きましたカメ!」

大きなお城の前に一人と4匹は立ちます。もう水圧や空気も地上と変わりません。

 

「大きい城だね。私がこんな所に入っていいのかなあ」

 

「大丈夫です。あなたはおじいさんとおばあさんから救ってくれた恩人です。胸を張って下さいカメ」

 

「え?」

 

「私はずっと耐えてきました。そしてあなたに連れて行っていただいた事で、逃げる事が出来たカメ」

 

「そうだったのかい? 優しい方々だと思っていたのだが……」

 

「根は優しい筈です。ですが、皆ストレスで疲れているから誰かにぶつけないといけなかったのです。では中に入るカメ」

門に差し掛かると蛸の番兵が声をかけてきます。

 

「ん? あなたはまさか! 進化したみたいですけど面影はあります……おかえりタコ!!」

 

「覚えていてくれたのか? かつて私がここにいた時はまだ小さい小さいコバンガメだった。なのに最終進化のカメXの姿でも覚えてくれていたなんて……嬉しいカメ……」

 

「忘れませんよ。ささ、乙姫様👸も喜ぶでしょう! 早く顔を見せてあげて下さいタコ! お連れの方もどうぞタコ!!」

カメX一同は快く通されます。

 

「ただいま戻りましたカメ!」

 

「あらあら? 姿はカメXですが、その輝いた目、そしてその声、そしてその生臭さ……分かりますわ!! あなた、コバンガメでしょう? あんな小さかったのにこんなに成長して……お帰りなさい」

 

「はい! ただいまですカメ!」

 

「積もる話をしたいけれども、後ろの方々が気になりますわ」

 

「彼はモラしま太郎さんです。鬼を退治するため向かっていますが、兵糧が尽き、一旦ここを中継地点として使わせて頂く事になりましたカメ」

 

「あの鬼達を退治してくれるというのですか?」

 

「お任せ下さい! この心のモラルが燃え上がってます!」

 

「あら頼もしい! では前祝いで御馳走を作らせましょう」

 

「軽い物で結構です。戦の前ですから」

 

「そんな……結構良いマグロ🐟が手に入ったのですよ?」

 

「いえいえ、すぐに発ちますので」

 

「そうですか? お名前の通りモラルの塊のようなお方ですね……分かりました。料理長! 軽めの御馳走をお願いね」

 

「はい!」

 

「料理が出来るまでお話ししましょう?」

 

「はい」

 

「鬼はとても強いですよ? どうやって戦うつもりでしょう?」

 

「はい! カメXを盾にして、その後ろから攻撃します!」

 

「え……モラル……」

乙姫様が少し引いた顔になります。

 

「ハッ!!」 モラしま太郎はこの時気付いたのです。カメXを囮にして防御の低さをカバーするこの戦い方、これも戦術として割り切っていたけれど、考えてみれば結構卑怯な行為だ! と、言う事に……しかもこの竜宮城の住人のカメを利用してです。それをハッキリ盾にすると言ってしまいました。これには乙姫様も絶句してしまいます。かなり恥ずかしい事では無いでしょうか?

 

「し、しまった!」

 

「……」

うつむく乙姫様。

 

「お待たせしました!」

新たに生まれた悩みを解決する議論に移る前に、料理長直々にいくつかのお皿が運ばれてきました。 これは海藻のスープですね。

 

「さあ召し上がれ!」

 

「い、いただきます」

 

「いただきますワン」

 

「いただキーますキー」

 

「いただきますケーン

ズズッ

 

「う! 旨い! おばあさんの手料理よりも!? 力が湧いてきます! これならカメXを盾にしなくてもいける気がしてきました」

旨い料理はその人を元気にする効果があるのでしょうか? さっきまでの悩みまでもが吹っ飛んでしまったみたいですね。これで準備は万端ではないでしょうか?

 

「本当ですか?」 「はい! 乙姫様! 御馳走様! 私はこれで行きます」

 

「そうですか……ではこれを」

 

「何でしょうか? これは」

 

「玉手箱📦です」

 

「玉手箱……ですか? この私に? 料理までいただいた上にこんな綺麗な箱までよろしいのでしょうか?」

 

「はい。ですが、決して開けてはいけませんよ?」

 

「は、はい? 開けてはいけな……?(どういう事だろう? 何か怪しい……)」

 

「ルールなのです」

 

「そうですかルール……モラルと似ている美しい響きですね。そういう事ならば仕方ないですね」

似ていますかねえ?

 

「では、勝利した暁にはまた来て下さい!」

そういいつつもどこか寂しそうな顔をした乙姫様。

 

「ではあなたに一番に勝利を報告致します!」

 

「まあまあ……嬉しいわ! じゃあまた!」

 

「はい! では行こうカメX!」

 

「はい! では私の背にお乗り下さいカメ!」

 

「いくぞ! みんな!」

 

「ワン」

 

「キー」

 

ケーン

皆、気合十分です! 竜宮城を出ると、カメXは物凄いスピードで鬼ヶ島を目指します。

 

「うわ、早すぎる……うっぷ」

折角頂いた海藻スープが逆流しそうになり、慌てて口を抑えるモラしま太郎。頑張って下さい? あなたがワカメ1枚でも吐いた時点で、このお話のモラルは全て消え失せてしまいます!

 

「もうすぐ夜になります。今日中に片付けましょうカメ」

 

「そうだね。うっぷ……あっあれが鬼ヶ島!」

 

「上陸しますカメ」

 

「行くワン」

 

「気合い入れるキー」

 

「羽が濡れていて飛べないんだ……乾くまで待ってケーン

ズコー(T_T)

 

ああっ!? いい所で勢いが落ちてしまいました。ですがこれは仕方ありません……雉の羽が乾くまで暫く待ちましょう。

 

「岩がある。この陰で隠れて待とう」

 

「申しわケーン

雉も流れを止めてしまい反省しているようです。

 

「ん? くんくん……何か変な臭いがするオニ👹」

あっ! 偵察の鬼でしょうか? 岩場の傍のモラしま太郎達の臭いを感じ取ってしまったのでしょうか? 今見つかっては危険です! 雉が飛べなければこのチームは機能しません。

 

「にゃーん😸」

 

「なんだ、猫かオニ」

カメの機転により鬼は去っていきました。しかし、一つ疑問が湧いてきます。それは鬼ヶ島にも猫は居るのでしょうか? と言う事ですね。もし居るとすれば鬼が島に住む猫ですから……品種はさしずめャットと言ったところでしょうか? 分かりませんけれども……

 

「猫の鳴き声上手だね」

 

「いつも乗せて走り回っていましたからね。ずっと聞いている内に癖を掴んだカメw」

 

「そうなんだ」

 

「フッ……昔の話ですよ……」

 

「雉! そろそろ乾いたかい? 君の空中殺法は心強い」

 

「もう少しです。もう少しです……もう少しであの華麗なる空中殺法が出来るまでになります!」

 

「わかった! じゃあ暇だし乾くまで準備体操していようね」

 

「1,2,1,2」

 

「カメ、X、カメ、X」

 

「ワン、ワン、ワン、ワン」

 

「モン、キー、モン、キー」

皆入念にアキレス腱を伸ばしています。

 

「乾いてきました」

 

「よし、みんな準備はいいかい?」

 

「おう!」

そして、モラしま太郎は隠れていた岩場をよじ登り、刀を空に掲げつつ叫びます。

「我は桃から生まれたモラしま太郎也! 都の領主から奪った財宝を取り戻しに来た! いざ尋常に勝負せよ!」

 

「何故オニ?」

 

「え?」

え? 意外ですね。噂では乱暴者で通っていた鬼は、突然の侵入者に襲い掛かる訳でもなく優しく聞いてきます。

 

「何故桃から生まれたお前が都の領主の財宝を取り返す必要があるのかを聞いているんだオニ」

 

「そ、それは」

これは一本取られてしまいましたね……確かにオニからすればモラしま太郎に縁もゆかりもない都の領主の為に命を張って鬼ヶ島に来る理由は分かりません。一体どうするのでしょうか?

 

「理由がないなら帰るオニ。争う理由は無い筈オニ。俺は何も見なかった。文句はあるオニ?」

 

「モラル!!!」

 

「え?」

え?

 

「私はおじいさんからこのモラルと言う言葉の頭文字を名前に戴いた。この名前に誇りもある。都での話を聞いた時、心の底から怒りが湧いたんだ。だから自分のモラルに則る行為を! 自分に嘘を突きたくない行為をやるしかないのだ! 例え自分に直接関係あろうがなかろうが悪事は悪事。絶対に許す訳にはいかない! 覚悟しろ!」

モラしま太郎は真っ直ぐオニを見据え、魂の籠った言葉を放ちます。

 

「やるのかオニ?」

 

「もはや語る事など無い!」

刀を正面に構えます。

 

「いざ勝負!」

 

「勝負オニ!!」

ダダダダダ 

 

「人間よ、力の差を思い知るオニ」

ダダダダダ キィン

最大限に振りかぶり、全身全霊を込め振り下ろした刀と、オニの拳とが金属音を響かせぶつかり合います。鬼の皮膚は鋼の様に堅固なようです。傷一つも付いていません。

 

「うっ腕が……なんて力……でも」

 

「無理するなオニ。力の差は歴然だオニ」

 

「桃花流奥義……根九多流ネクタル斬」

ザザザン

 

「無駄オニ」

真剣白刃取りで返され、刀は遥か遠くに飛ばされてしまいます。そして大きく腕を振りかぶって殴りかかってきます。

 

ケーン

 

「ぐわあ」

何と! 雉の攻撃が鬼に効いています! 雉は鬼の眼球を足の鉤爪で引っ搔いたようです

 

「モラしま太郎さん! 早く刀を!」

 

「くそ! 皮膚は固いが眼球は人間並みだと言う事がばれてしまったオニ」

何と! オニは自分の弱点をうっかり滑らせてしまいましたね。とことんまで優しいんですね。それに、ゴーグル👓やサングラス🕶で弱点を守らない所にも鬼らしからぬ武士道精神を感じます。

 

「桃花流秘義……桃文字斬り!!!」

ザザザザザーン 刀を拾い、神速で飛び掛かり鬼の眼球に狙いをすました10連切りを放ちます。

 

「クッ早い……捌き切れないオニ……」

10回中7回がオニの眼球をかすめ、慌てて身の守りを固めます。

 

「そうはいかないキー」

しかしすかさずサルは、わキーの下をくすぐり、防御体制を崩します。

 

「このサルめがオニ!!」

ドカッ

 

「ウキー……バタッ」

 

「猿よ! 身を挺してよくやってくれた! 今しかない……桃花流究極秘奥義! 一桃……両! 断!!!!」

 

「ぐふっ」

オニは目を押さえて倒れました。

 

「勝利モラ!!」

ん? モラしま太郎がモラと言う語尾を急に使い始めましたよ? 感極まってしまったのでしょう。後で恥ずかしくなる感じでしょうが、若気の至りと言う事で見逃してあげて下さいね。

 

「しかし一匹倒すのにこれだけ苦労するのかワン?」

 

「さキーが思いやられるキー」

 

「でも負ケーン

 

「ああそうだね。だがMPモモポイントを大量消費する究極秘奥義は使うべきではなかった……」

 

「俺もだワン。いつの間にかMPが半分になっているワン」

 

「おいらもだキー」

え? 猿は確か鬼のわキーの下を擽っていただけですけど……

 

「弱点が分かれば通常攻撃でも行けると思うケーン。そうだ! キビダンゴ僕一羽では食べきれなくて羽の間に半分残しておいたんだケーン

 

「え? そうか! あの時沢山の蜂が来たのは君のキビダンゴの匂いに釣られて来たんだね? じゃあここで食べなよ」

 

「ですが、この隊の最高戦力であるモラしま太郎さんのMP回復こそが最重要だと思うケーン

雉の言う事にも一理あります。

 

「待ってくれ。私はキビダンゴ【1つ】で君と主従契約を締結したんだ。もし私が君のキビダンゴを半分食べてしまえば、1つで契約した他のお供達と差別になってしまう」

彼はどこまでもモラルの塊なのですね。

 

「いいんです。僕の空中殺法の消費MPはそれほど多くありません。その代わりにモラしま太郎さんの剣技よりも威力は劣りますケーン。ですから!」

 

「いや、雉は高病原性鳥インフルエンザウイルスを発症する危険性がある。君の食べかけは非常に危険だ。だから君自身で食べるんだ!」

ああ、優しさではなくこれが本音だったようですね……結構慎重派ですね。この過度な慎重さ加減……私の妹の事を思い出してしまいます……忌々しい……

 

「良く分からないけど分かったケーン

ついばみついばみ ごっくん 

雉のMPが999回復!  すごい! 半分でもこの効果です! 凄まじいですね。おばあさんのキビダンゴ! そう考えると序盤で犬やサルもすぐに食べてしまった事が悔やまれます。本当ならばここまで温存するべきでしたね。

 

「美味しいケーン!」

そうしている間に鬼の群れに囲まれてしまいます。

 

「怯むな! これをくらえー」

 

「うりゃーワン」

 

「サルキーック」

 

「急降下鬼ドリル嘴ぃぃいぃ!」

それぞれの通常攻撃で数々の鬼の眼球を攻撃します。かなりの精度を要求されますが、慣れれば意外といけるようです。雉はMPを回復したばかりでかっこいい空中殺法を多用しています。絶好調ですね。ですが調子に乗って一番に枯渇しなければよいですが……そして、彼らの通った跡には、目を押さえもがき苦しむ鬼達が転がっています。そして、島の中央の屋敷を目指します。

 

「ここが鬼の親玉の屋敷だな?」

一際大きな建物。しかし物怖じすることなく内部に進みます。

 

「頼もおおおおおお!」

屋敷内にモラしま太郎の声が響き渡ります。

 

「ん? 何だボスオニ?」

え? ボスオニ? 何ですかこれ? …………恐らくこれは語尾です! 語尾に【ボスオニ】と言うワードを付けている登場人物がいますね? わかりました! この声の主こそ、この島のボスの鬼です!! 「我は桃から生まれたモラしま太郎也! 鬼よ! この屋敷に運び込まれた都の領主様の財宝を返してもらう!」

 

「駄目だボスオニ」

言葉数は少ないけれど物凄い威圧感です。

 

「我のモラルに懸けて、必ず取り返す!」

 

「モラルとは何だ? そんなものの為に命を捨てに来たボスオニ?」

そう言いながら立ち上がります。

 

「うわ! なんて巨大な!!」

鬼は身の丈17メートルはあります! そしてボスオニから物凄い気力が漂っています。来ます!!! ブオン!!!!!! ボスオニは引き絞り放たれた矢の様なスピードで拳を振り下ろしてきます。

「うわああああ」

ドドドドン

 

紙一重かわしますが、風圧で壁に吹き飛ばされます。

 

「恐ろしい力だワン」

 

「こんな奴に勝てるのキー?」

 

「諦めないでケーン

お供の3匹は、恐怖のあまり動けず応援するのみです。

 

「こんな豆粒のような動物3匹とちっぽけな人間一人でオイラを倒そうだなんて馬鹿だボスオニ!!」

あれれ? このボスオニ意外とかわいい一人称でしたね。

 

「うう……」

ぽたぽた……ぽたぽた…… 

 

「んボスオニ?」

 

「み、見るな!!」

なんと! モラしま太郎はおしっこを漏らしています!! 巨大なボスオニの強烈な攻撃に尿道が緩んでしまったのでしょうか? そして悲しいお知らせが……この瞬間、このお話のモラルは崩壊しました……皮肉にも主人公の失態によりね……

 

「ガハハハハボスオニw お漏らしをしてしまったボスオニwwモラしま太郎のモラはモラルのモラではなくお漏らしのもらだったかもしれないボスオニィww」

歯に……いいえ。牙に衣着せぬ容赦ない暴言。流石ボスオニです。心もオニそのもの……

 

「……ハッ……そうだったのか……私は物心ついた頃からずっと疑問に思っていた。ちょっとした事で出てしまうこのおもらし……これをおじいさんは知っていて私にこの名前を付けたんだ。本当のこの名前の由来は、モラルのある人間と言う意味ではなく、漏らしたことをカムフラージュするために付けた名前だったのか……おじいさん……信じていたのに……酷い……酷い……」

おじいさんへ抱いていた微かな疑念が確信に変わった瞬間です。

 

「もう帰れボスオニ! そんな汚い衣装でオイラと戦うのはそれこそモラルに反するボスオニw」

 

「だ、黙れ! 知った風にモラルを軽々しく語るなぁ!」

そう言いつつなりふり構わず刀を振り回し突っ込みます。型もへったくれもあった物ではありません。そして当然……

 

「フンボスオニ!!」

鼻息一つで吹き飛ばされる始末……

 

うわあああ」

ドン!!

 

「モラしま太郎さん……もう諦めるワン」

 

「ク、クソ……犬よ! こんな所で諦めたくない……ここまで惨めな様を晒して逃げるなんて……」

再び立ち上がり走ります

 

「モラしま太郎さん……」

 

「はあ!!」

ボスオニは手刀で起こした真空派をモラしま太郎に飛ばします。

 

「うわあ」

コロンコロン 

あっ! 倒れた拍子にモラしま太郎の脇に抱えていた何かが落ちてしまいます。

 

「ん? なんだこれはボスオニ?」

それは乙姫様から貰った玉手箱でした。ボスオニはそれを興味津々で拾い上げます。

 

「しまった!!!」

そうです。アニメであれば一目瞭然ではありますが、これは小説です。なので今まで気付かれる方は少ないとは思いますが、彼は今まで片手をこれで封じられた状態で戦っていた訳です。それでは動きも鈍くなるというものです。 しかし、なぜ律義に持っていたのですかね? 本気の戦いにそんなハンデを背負うのは敵に失礼だと思うのです。もしかしてこれを置いて戦う事でモラルに反すると判断したから手に持って戦っていたのでしょうか? そこまでは分かりません。

 

「綺麗な箱だボスオニ……」

オニでも芸術が分かるのでしょうか? 一つの芸術作品を見る様なうっとりとした眼差して見つめています。

「止めてくれ! それを開けてはいけない!! 乙姫様が悲しまれる!!(くそ! 落としてしまったばかりに気付かれてしまった……)」

 

「開けてはいけないと言われると気になるボスオニィ

シュルシュル パッカ  太い指で器用に箱の封印を解きます。

 

「ああ、なんて事だ」

がっくりと肩を落とすモラしま太郎。しかし……!

 

「中身は……ん? 何もないボスオニ……!」

モクモク モクモク 箱の中は空っぽだったようです。しかし中から不思議な煙がボスオニの顔を包み始めます。 モクモク モクモック

 

「な、何が起こっているんだ?」

モラしま太郎も現状を理解できません。2分程経過したでしょうか? 煙が晴れてきました。そこに現れた物は……

 

「ヨボヨボヨボボスオニ……」

何とボスオニが、おじいさんボスオニに変わってしまいました!!!

 

「え? こ、これは一体? な、何で? 乙姫様? そ、そんなのモラルに反する行為ですよ……」

絶望するモラしま太郎。それもその筈です。帰ったらモラルに反しコッソリ絶対開けようと思っていたその箱の中身が、老化するガスを噴出する罠の仕掛けられた箱だと言う事を知ってしまったからですね。 これを知ったモラしま太郎は訳も分からず怒りが込み上げてきました。 本来その怒りは乙姫様に向けられる筈ですが、当人は居ません。近く居ると言えばヨボヨボのボスオニとお供しかその怒りをぶつけられる相手は居ないのです。お供に当たる訳にもいかないし……とはいえこんな老衰した敵に手をかけていいのか悪いのか? そんなジレンマを振り払い、刀を構えます。

 

ピコーン💡 そのやるせなさで悲しみの感情が最大に達したのがきっかけなのか? モラしま太郎は閃いてしまいました。彼の出せる中で最強の技を……神の領域に到達出来る可能性までをも秘めた神技……をッッ……!! 神獣さえも屈服させることすら可能な禁技を……放つ!!

 

「桃花流神技!! 李も桃も桃の打ち!!!!」

打打打打打!!!!  目にも止まらぬ連続攻撃。およそ1兆回は叩いているでしょう。何故そんな事が分かるのか? ですか……? 分かりました! お教えしましょう!! それは意外と簡単な事なのです。 思い出して下さい。漢字の桃と言う字を。その漢字から偏の木を抜いていただければ何か見えてきませんか? そうです! 数字の【兆】が出てきますよね? そういう事です!

 

「ヨボボヨボボスオニィ……」

バッターン。凄まじい連打を食らい、気絶してしまいました。

 

「最強の技を……神の技を……こんな老衰したオニに……モラルに……モラルに……」

いいえ。モラルに反してはいません。これもボスオニの強欲さが原因です。気にしてはいけません!

 

「モラしまさん……気を落とさずにカメ……」

いつの間にか屋敷に入っていたカメX

 

「やった! 流石ですキー! じゃあお宝を探すキー!!」

 

「探すケーン

 

「ここ掘れワンワン」

犬は地面を探そうとしていますが、流石に埋まっていないと思いますよ? 屋敷の奥が怪しいですね。

 

「あっこれが宝💎👑💰🥇か。かなりの量だ。でも全部運び出さなくちゃ」

当然どれが領主様の財宝かは分かりません。なので片っ端からカメXに乗せます。

 

「参ったヨボボスオニ。ワシも行くヨボボスオニ」

ボスオニは目を覚ましたようです。しっかし長い語尾ですね。セリフよりも長い語尾は珍しいのではないでしょうか? え? どうやらボスオニは仲間に入ってしまいました!

 

「どうするワン?」

 

「本キーか?」

 

「不安だケーン

 

「大丈夫。連れて行こう。では家に帰るぞ!」

どうやら竜宮城へは寄らないようですね。まあボスオニがやったとは言え、玉手箱を開けてしまった事がバレてしまうとお互いに気まずいでしょうから……しかし乙姫の目的は一体……

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「ただいま戻りました!」

 

「モラしま太郎? おお、よくぞ戻った! 無事であったようで何よりじゃ。では財宝は領主様の元に一緒に返しに行くぞ!」

 

「おじいさん。その前に一つ聞きたい事があります」

 

「(。´・ω・)ん? なんじゃ?」

 

「私のこの名前。本当は漏らし魔と言う不名誉な言葉とモラルとのダブルミーニングなのですか?」

 

「な、何故それを……?」

モラしま太郎は黙って後ろを指差します。

 

「うん? な、何と大きな鬼じゃ」

 

「この者と戦い、その最中、私の不手際で発覚しました!!」

涙を堪え、顔面を真っ赤にしつつ話すモラしま太郎……

 

「漏らして……しまったんじゃな? 我こそはモラルある男! モラしま太郎だ! と言う事を奴に伝えた後に」

 

「はい……」

 

「申し訳なかったヨボボスオニ……」

何故か泣いているボスオニ。

 

「すまぬ……モラしま太郎と名付けたのはワシの若気の至りじゃった……」

いいえ。若い時に命名してはいません。名付けた当時もしっかりおじいさんでしたよ?

 

「いえおじいさん。私の欠点がいけないのです。これからはどんなことがあっても漏らさないよう我が膀胱に、そして、尿道に言い聞かせます!」

「そうか……頑張れよ」

 

「なあ、人間のおじいさんよ……同じ年より同士、ゲートボールでもしようヨボボスオニ!」 

 

「ヨボこんで!(よろこんで)」

そして、鬼と人間は少しだけ仲良うなったそうな。めでたしめでたし

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「はいおしまい♪」 ママもかなりの文字の量の絵本を読んでくれました。お疲れさまでした! 乾いたのどを潤すために2リットルのコーヒー牛乳も空っぽになっていました。

 

「なかなか面白かったわ。88888888私はね、BBBBBBBBBBの所が良かった」

 

「そうね……でも自画自賛は叩かれるわよ?」

 

「え? 自画自賛? 私はこの絵本を褒めたんだよ? 確かに私が書いた物なら自画自賛だけど……変なママwwwwwww」

 

「あっそうか!」

 

「私に似てドジっ子なんだからw」

 

「あんたが私に似たの! でもなんであんな絵本があったのかしら?」

 

「いいじゃないの? 面白ければ」

 

「そもそもこんな本棚あったかしら?」

 

「そういえば無かったわ。オヤジが買ったのかなあ」

 

「そうかしら? パパは何かあれば必ず私に報告してくれる筈なのに……変ねえ……」

 

「びっくりさせようとしたのかな? ……あれ?」

 

「どうしたの?」

 

「横に張り紙がある! 何々? 『この本棚は不思議な本棚。ヒントは中央部分にセットせよ』だってさ」

 

「どういう事かしら?」

 

「この本棚さ、3段になってるでしょ? で、真ん中にモラしま太郎があったのよね?」

 

「ええ」

 

「でね? 上の段の丁度モラしま太郎のあった位置に、ももたろうがあるのよ」

 

「うん」

 

「で、一番下の段の中央には浦島太郎があるの」

 

「あるわね。それがどうしたの?」

 

「ここまでくれば分からない?」

 

「何も分からないわ」

 

「もう! じゃあ説明すると、モラしま太郎があった場所は真ん中の段の中央でしょ? で、上と下の段にある物語が混ぜ合わさった話が真ん中の本棚で生まれたっていう事! 中央にセットせよっていうのはこういう事なのかしら? で、でもこんな事ってあるのかしら?」

 

「ま、まさか?」

 

「そう、中央の空間から上と下の本によって色々なストーリーに変わる本が出てくる不思議な本棚なのよ! で、今回の場合は、ももたろうと浦島太郎でモラしま太郎になったって事だから、上の本の題名と、下の段の題名が合体したって訳よ!! で、モラしま太郎!!」

ちょ? この娘は本当に3才なのでしょうか? 言葉遣いや卓越した推理力、分析力、判断力揃いも揃って大人顔負けじゃないでしょうか? しかし、そんな本棚がこの世に存在するのでしょうか? 不思議な本棚もあるものですね。

 

「確かに! アリサ! すごいじゃない!」

 

「うん! ってことはだよ?」

 

「ん?」

 

「上の段に金太郎を置いて、下の段に浦島太郎だと☆きんた☆……」

ああっ! 危ない!!

 

「おい!! アリサテメエコノクソガキャ!!!!」

ガッ!!

 

ムームー」

しかし、寸での所でママがアリサちゃんの口を塞ぎます。これはナイスディフェンスです! しかしとても不愉快な響きがママの口から放たれたような気がしましたが、まあいいでしょう。

 

「なんで塞ぐの? ハアハア……」

 

「アリサは恐れを知らなすぎるわ。それをはっきり言ってしまえば、どれだけのクレームが来ると思っているのよ」

 

「そうなのー?」

 

「そう! でもよく考えてみて? モラしま太郎ってさ、ももたろうのも、と、浦島太郎のらしま太郎が合わさったタイトルよ? 金太郎と浦島太郎の場合、この法則から言えば金太郎の1文字目だけを使って【きらしま太郎】ってなると思うわ?」

 

「え? でもきらしまって言葉では意味が通じないわ! でも☆きんた☆」

 

「分かった分かった。じゃあその話、一体どういう展開になるの? さぞ面白いんでしょうね?」

 

「そ、それは……村一番の大きい☆きんた☆」

 

「もういいわ。10秒でオチが予想出来るうっすい内容。ハアツマンネwwwww子供じゃあるまいしそんな幼稚なネタを考えているんじゃない!! はあ……あんたに期待していた私が馬鹿だったわ……来世に期待ね」

がっつり子供なんすよねえ……

「ひー😢」

ママは怒らせるととっても怖いようですね。その怖さは若かりし頃のボスオニに匹敵します。決して怒らせないようにしないといけませんよアリサちゃん?

「でも色々な本を混ぜて別の物語が出来るなんてすごい本棚ね!」

 

「次はどの話とどの話を組み合わせようかしら? 楽しみー」

 

そだねー

 

==続く==

モラしま太郎 前編

モラしま太郎 前編

おやおや? 小さい女の子がとても背の高い女の人に何かをおねだりしていますよ? なんなんでしょうね?

「ママーお話読んでー」

 

「あらアリサ? 絵本なら一人で読めるでしょう?」

 

「やだやだ聞きたい! ママの奇麗な声で紡ぎ出されるストーリーが聞きたい聞きたい!」

 

「あらあら奇麗な声なんて嬉しいじゃない♡わかった! お仕事は中断! 読みましょう」

 

「やったー」

お世辞がママのハートに突き刺さり、心の中でちょろいなと思いながらぴょんぴょん飛び跳ねるアリサちゃん。

「じゃあ桃太郎を読んであげましょうね」

 

「えー」

 

「あれ? 嫌なの?」

 

「もう600回読んだもん」

 

「そう……じゃあその下の……あら? なにこれ? モラしま太郎? こんな絵本あったかしら?」

 

「何これー? 聞きたいー」

 

「私も初めて見たわ。誰がこんな本📚をここに置いたのかしら? パパかな? まあいいか。じゃあモラしま太郎始まり始まりー」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー むかーしむかしあるところにおじいさん👴とおばあさん👵と亀🐢がいました。 おじいさんとおばあさんの趣味は毎朝カメをいじめる事です。

 

「こののろまなカメめ!」

ポコポコ ドンドン

 

「なんで緑色なんじゃ? 気持ち悪い!」

ドカドカ バキバキ 

しかし亀は逃げずに必死に堪えています。そうです。逃げようものなら更に激しい攻撃が来ると分かっているからです。亀は静かに待ちます。嵐が、過ぎるのを……

 

「はあ、すっきりしたわい」

 

「そうですね。じゃあそろそろ仕事に行きますか」

 

「そうじゃな」

そう言うとおじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。そうなのです。彼らも仕事のストレスが溜まってしまい、それをどこかで発散しなくてはと言う気持ちからこんな事をしているのです。現代社会の闇ですね……そして、いじめに逢った亀は亀で腹いせに近所の子猫🐈を拉致しては背中に乗せてタクシー🚕ごっこをしていました。 カメはこんな事をして何になるというのでしょう? 理解に苦しみます。ですが、人間も亀も人生で追いつめられるとおかしな行動に出てしまうものなのかもしれません。であればそれも仕方がない事でしょうね……亀は納得行くまで子猫を乗せて歩き回ると、お礼の煮干しを1本渡します。ですので一度拉致った猫はそれ目当てで一応リピートしてくれはします。ですが表情は明るくありません。もしかして子猫は1本では足りないのか? 物足りなさそうな顔で帰っていきます。次から3本にしてみてはいかがでしょうか? おっと亀の話を長引かせてしまいました。申し訳ございません。

 

おばあさんが川で洗濯をしていると、川上からおおーきな桃🍑がどんぶらこっこぉどんぶらこっこぉと流れてきました。

「おやあ……まあまあこれは大きな桃だねえ。早速おじいさんと一緒に食べましょう」 そう言いつつ桃を拾いました。

 

「ぐっ重いねえ。仕方ないわ」

なるほど! おばあさんは大きすぎる桃を転がして家まで運ぶようですね。

ころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころ「ヴォエ゛」ころころころころころころころころころ

おや? 何か桃の中から音が聞こえたような気がします。気のせいでしょうか?

「ふうふうまだ半分と言ったところかねえ」

ころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころころこ「ギョヴォ」ろころころころころころ

いいえ。気のせいではありません。確実に男の子の苦しむ声が、桃の中から聞こえています。これは一体何なんでしょうか?

「はあ、やっと着いたわ。しかし腰が痛くなっちゃったわねえ。私達に子供でもいれば叩いてくれるんでしょうけど、ずっと恵まれなかったからねえ……はあ……しかしこの桃、どうしようかしらね? 桃のタルトにしようかしら? それともピーチパイにしようかしら? 迷うわねえ」

そう言いつつ桃を包丁🔪で割ったその瞬間。

サクッ パカ

「おんぎゃあおんぎゃあオロロロロロ」

なんと桃の中から吐瀉物としゃぶつとうんち💩とおしっこ💧にまみれた男の子の赤ん坊👶が大きな声で泣いているではありませんか。 うっ……酷い状況です。この赤ちゃん乗り物酔いをしてしまったようですね。

「まあまあ? 桃の中から赤ん坊が? うっ……酷い臭い……」

 

「おばあさんや? 芝刈りから帰ったぞい。しかし何で毎日刈らにゃならんのだ。この高貴なワシが……ぶつぶつ」

丁度その時、おじいさんが文句を言いつつ帰ってきました。

 

「おじいさん大変ですよ! 桃から赤ちゃんが!」

 

「なんじゃと? ほほう! これは子供に恵まれなかったワシ達を哀れんだ神様からの賜り物じゃ!」

 

「そうですよね? じゃあこの子に名前をつけなくては! 何にしましょう?」

 

「そうじゃな……桃から生まれたから……うっ? な、なんじゃこの臭いは?」

おじいさんは顔をしかめます。

 

「これですか? どうやら桃の中で吐いたり漏らしたりしちゃったようでして……」

 

「なるほどな。では桃の中で漏らしながら生まれてきたということじゃな?」

 

「そうですね」

 

「よし決めたぞ! この子は今日から漏らし魔太郎と名付けよう! 漏らし魔の太郎じゃ。しかも、もらしのもは桃の1文字目のもとも掛かっておるぞ! 我ながらナイスネーミングセンスじゃ」

邪悪なネーミングセンスですね。吐き気がします。

 

「いいとは思います。ですがその名前ですと小学校🏫でいじめに逢いそうですよ?」

 

「そうか? ではモラルのある人間に育ってほしいという意味を込め、モラしま太郎でどうじゃ? 漏らすのもらを、カタカナに変更した。これでいじめには遭わんじゃろう」

「そういう事でしたらい良いのではないでしょうか?」

なんということでしょう……おじいさんは桃から生まれた男の子を、モラしま太郎なんて恥ずかしそうな名前にしてしまいました。大きくなった時その意味を知ったら、悪い道へと進んでしまう危険性もあるほどですよ? 訂正してください! そしておじいさんも考えましたね。そう、漏らしたという不名誉な事実を名前に入れたいが為に、モラルと言う言葉でカムフラージュし、おばあさんを騙して丸め込んでしまいこんなへんてこな名前を強行採決してしまいましたよ? このおじいさん……只者ではありませんね。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ママー。なんかこのお話怖い」

思わず、アリサちゃんがママの朗読を遮ります。

「ママもそう思ったところよ?」

 

「もういい。聞きたくない」

 

「あれ? もう三才でしょ? もう一人前よ? なのに逃げるのアリサ? そうやって尻尾を巻いて……脱兎🐇のごとく……惨たらしく……」

 

「ママ……続きを……読んで」

 

「了解!」 おや? もしかしてこんな安い挑発に乗ってしまったのですか? ここは乗らずに流す事も出来た筈ですよ? このアリサちゃんと言う子は、かなり負けず嫌いに見えますね。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして10年の月日が流れ、モラしま太郎も小学4年生になりました。おや? 何やら覇気のこもった声が響いていますね。

 

「桃花流奥義……根九多流ネクタル斬」

ザザザン

 

「桃花流秘義……桃文字斬り!!!」

ザザザザザーン

あっ! その剣圧で大木が薙倒されてしまいました。

 

「桃花流究極秘奥義! 一桃……両! 断!」

ザン!! そして、あっという間に大木が数十本の薪に変わります。

「ふう……修行兼仕事終わり!」

どうやらモラしま太郎は森で木を伐採していたようです。剣技の修行も並行していますね。中々の太刀筋です。幼いながらに光る物を持っていますね。 そして、その修行を仕事とまとめて出来る様に時間を使えていますね。彼は限られた時間を如何に有効に使うかをしっかり考えています。効率を重視する姿勢は素晴らしいですね。将来有望な子供だと思います。

「おーい! モラしま太郎や」

 

「あっおじいさん! 丁度薪を集め終えました」

 

「いつも済まないねえ。お前がこんな力持ちに育つとは思わなかったよ。これからも頼りにしているよ」

 

「私はあの時拾われなければ海の藻屑と消えていたでしょう。実際死んでいたかもしれないこの身。恩人に使うのは当然です」

モラしま太郎はきりっとした表情でおじいさんに言いきります。

 

「そうかそうか何とモラルのある子じゃ……しかし」

 

「どうかしましたか?」

 

「いや……何でもない。では家に戻ろう」

 

「はい!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「お帰り」

家に着くとおばあさんがおじいさんに険しい表情で言います。

「おばあさんその表情……やはりか……」

 

「どうしたんですか?」

 

「ああモラしま太郎……お前には関係ない事じゃ」

 

「おじいさん? おじいさんが私に何か隠し事をしている事はすぐにわかります。私だけをのけ者にするのは止めてほしいです」

 

「言いたくなかったのじゃが仕方ない。実はの? 都に鬼が出たという話があってな」

 

「鬼ですか?」

 

「ああ都の領主様のお屋敷から大量の金銀財宝を奪い逃げていったらしいのじゃ」

 

「なんてひどい……」

 

「領主様は悲しんでいた」

 

「分かりました。私がその財宝取り返してきます」

 

「なんじゃって? それはいかん! まだ小学4年生じゃないか!」

 

「学年は関係ありません。私の気持ちが叫んでいます。鬼を、この世から、一つ残らず、駆逐してやる! って言う熱い気持ちが……この気持ち……正しく、モラルです!」

 

「そこまでの覚悟があるとは……分かった! 行くがよい!」

 

「モラしま太郎がそう言うと思って用意したんだよ? これはキビダンゴ🍡だよ」

袋に入れられた団子を受け取るモラしま太郎。

「ありがとうございます! これさえあれば百人力です!」

 

「それなら私もお供します!」

おや? 突然隅っこに居た、ほぼ空気になりかけていた亀が喋りましたよ?

 

「なんじゃあ? 喋れるのかお主!!」 

 

「はい。今まで黙っていてすいませんでした。私の名前はカメLと申します」

喋れるようになった亀を見て、おじいさんもおばあさんも少し暗い表情になります。

 

「別に恨んではいませんよ。私の防御力ではあなた方の攻撃なんて1ダメージも受けていませんからw」

カメLは二人が伏し目がちになった理由を悟り、フォローを入れています。優しい爬虫類ですね。

「カメL……」

 

「おじいさんおばあさん。このカメLを連れて行ってもよいでしょうか?」

 

「構わぬ。だがよいのか? どうせ猫を背に乗せる位しか取り柄がないがな」

 

「いいえおじいさん。私はアタッカーです」

 

「ん? あったかああい?」

 

「いえ! アタッカーです。アタッカーとは、攻撃を得意とする戦士と言う意味です。ですが反面防御力が低いのです。しかし、カメLがタンクとして前衛を固めてくれさえすれば、私は真の力を発揮出来る筈です!」

 

「なるほど!」

 

「では参りましょう。鬼は鬼ヶ島に居ると聞きます。さあ、参りましょう!」

 

「うんわかった! ではおじいさんおばあさん! 行ってまいります!」

 

「気を付けるのじゃぞー」

 

「はいー! もし敵の強さが上であったらば、レベリングをして強くなります!」

 

「そうかーくれぐれも上げ過ぎには注意じゃぞー」

 

「はい! バランスは維持します!」

え? ど、どういう事でしょうか? 様々な専門用語が飛び交っていて、入り込む余地がありませんでした……ですがこれを謎のまま通過する訳にはいきません。私も語り部としての意地があります。何とか解読してみましょう。うーんうーん……まずは……二人の会話内容から推察するに、レベリングとは恐らく修行とか鍛錬とか言う意味でしょう。おじいさんは上げ過ぎてはいけないと言っていました。その後、モラしま太郎はバランスは維持します。と、言っていました。上げ過ぎる事でそれが崩れると言う事ですか? バランスの意味は均衡ですね。故に、修行しすぎると均衡が崩れると言った意味ですね。どういう事なのでしょう? ……これは、もしこの世界が仮にRPGであるとするならば、RPGのプレイヤー自身が難易度を選べるんですよね? そうです。フィールド上で同じ所をウロウロしていると何回でもエンカウント出来ますから。延々そこで戦い続ける事で時間を掛けさえすればカウントストップまで成長させる事も可能です。ここをプレイヤーが調整せずにとことんやり込んでしまえば、最高のステータスで序盤のボスとも戦える訳ですね。もしそんな事をしたならば何も楽しくないでしょう。そうなっては面白くないからやめるのじゃぞ? 冒険は楽しむものじゃぞ? と、注意して下さったと言う事ですね。優しいおじいさんです。

 

少しだけ私の話をさせて下さい。私にも妹がいまして、その子物凄く慎重派でして、攻略本の推奨レベルよりも4つ位上のレベルになるまで雑魚を狩り続ける子でした。ですので同じゲームの話をしていても……会話が嚙み合わない場合があるんです。

 

私「ポンダルキアの洞窟のボスさあHP25パー切ったら発狂モードに入って、全体攻撃を2連続でしてきてさあ。あっさり逆転されちゃったw」

 

妹「ああ、あの雑魚? 1ターンキルしたから分からなーい」

と言う会話がざらなんです。

 

皆さんは私と妹どちらがそのソフトを楽しめたと思いますか? そうですよね? どう考えても私の方が楽しんでいると思うんです。一度負けたらその原因を突き止め、装備が弱ければ買って挑み、それでもまだ勝てなければレベルを1つ上げて挑む。こんな苦労こそがRPGの醍醐味だと思うんです。それにボスが使ってくるド派手な必殺技とかも経験する事無くそのソフトから離れていきます。本来通常に進めていれば見る事の出来る一生の思い出を、彼女は自分の手で潰しているんです。彼女のRPGの思い出話は毎回これに行きつくでしょう。

 

「序盤が異様に長いけど、ボスが弱いクソゲー

 

と、ね。人生の数分の1を費やして得た思い出が毎回それってなんだか悲しいですよね? ですが妹はどんなRPGでも序盤でこれでもかと言うほど稼ぎ、全く苦労することなく最後のボスまで進めます。ですからギリギリの勝利と言うあの最高にアドレナリンが出る体験を一度もしていないんです。これって勿体無いと思いませんか? そうです! お金を払って新作のゲームを買っても、序盤稼いでボスを瞬殺。の流れは彼女の中では変わりません。同じ事の繰り返しです。妹はこの作業を繰り返している事の虚しさにまだ気付かないのでしょうか? それとも、そういうバイトでもしているのでしょうか? あっ! ついヒートアップしてしまいました。すぐに話を戻します!

 

「まずは港町から海に行きましょうか。ここからですと……ここから東のがいいですね」

 

「案内出来るかい?」

 

「お任せ下さい!」

 

「助かるよ!」

モラしま太郎はカメLと共に東の港町を目指します。しばらく歩いていると、草むらから犬🐶が飛び出してきました。

 

「おい! お前いい匂いがするな」

 

「これのことか? 昼食に取っておこうと思ったけど、君はこれがほしいのかい?」

 

「うん!」

 

「じゃあ一つどうぞ」

 

「うまい! ありがとう 俺も付いて行ってもいいか?」

 

「いいよ! よろしく!」

 

「よろしくワン!」

こうして犬がお供になりました!  そして犬を連れしばらく歩いていると、かなり大きい林に差し掛かりました。

 

「ここは林があるけれど回り道になるからここを抜けていきましょう」

そして次は林を通る事になったようです。

 

「分かったよ」

林の入り口で早速誰かが声を掛けてきました!

「あっ君たち! ここはサル雉の林だと知って通るのか? 人間は駄目だよ」

木の上からサル🐵が下りて邪魔して来ます。

 

「でもここを通らないと日が暮れてしまう。お願いだ通してくれ」

モラしま太郎はキビダンゴをサルに見せます。

 

「ウホッ! 良い団子! これをおいらにくれるのか?」

 

「いいよ」

 

「ありがとう! おいらを仲間にしてくれ」

 

「よろこんで!」

 

「やったあ! よろしくキー!」

 

「よろしく!」

そして、林の出口に差し掛かった時、一羽の雉🐓が声をかけて来たので、サルの時と同じやり取りを経て仲間にしました。

「よろしくケーン

 

「こちらこそよろしく! あっ!! もうキビダンゴが無くなってしまった……😢」

 

「大丈夫です。もうすぐ港町に着くでしょう。そこで食事休憩を挟みましょう」

 

「そうだね……あっ今お金を一円も持っていないんだ」

 

「そうですか? じゃあ少し時間はかかりますが、私の故郷である竜宮城で休憩しましょう」

 

「そうだね」

 

「そこで食事を出しますので。鬼を退治すると言う事を乙姫様に伝えればきっと力になってくれる筈です」

 

「よし案内お願いするよ」

 

「お任せ下さい!」

そういうとカメLは全身に力を込めています。そしてその姿が…… おや? カメLの様子が? ♪てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん♪ シューン

 

「BBBBBBBBBB」

 

え? モラしま太郎が突然おかしな呪文を唱えましたよ? ピタッ…… するとあら不思議。カメLの進化が止まったみたいですよ?

 

「ちょw止めて下さい! どうしたんですか?」

 

「すまない……急に蜂🐝が沢山襲ってきて……」

 

「それで蜂の英語であるbeeを連呼していたんですか? ですが沢山蜂がいる場合Swarm of beesの方が妥当だと思われますが……」

 

「そうかい。まだまだ勉強不足だねもっと頑張らなきゃね。でも海岸に蜂が現れるなんて一体どういう事なんだ?」

 

ケーン……」

おや? 雉が何か申し訳なさそうな顔をしています。何か隠し事でもしているのでしょうか?

 

「それはどうでもよろしいのですが、今私は進化する準備をしています! ここで私が進化しなくては体が小さすぎて皆さんを竜宮城まで連れて行く事は出来ません。そしてあの呪文は危険です。二度と言わないで下さい」

 

「気を付けるよ……ごめんね」

 

「今度は気を付けて下さいよ? はあああああ!」

♪てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん てん♪

シューンシューンシューン キラキラキラキラリン キラーン

おめでとう! カメLはカメXに進化した!  

てーてーてーてててててててーん

 

何と! あれほどに小柄だったカメLが、青年男性程の背の高さの亀に進化しましたよ?

「よしみんな! 背中に乗って欲しいカメ」

 

「良し! いざ竜宮城へ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ちょっと待って」

ママがアリサちゃんに言います。

 

「ママどうしたの?」

 

「しゃべりすぎてのど乾いたわ。この絵本、絵本の割に説明が多すぎる気がするわ。説明は控えめにしないと読者さんが飽きちゃうってのにさあ……この絵本の作者、ちょっと勉強不足ねwじゃあちょっとコーヒー☕取ってくるわね」

 

「はーい」

最終話 帰宅?

「何か釈然としないけど本当事故だったのかなー? でも、本人が言うなら信じるしかないね。

あースッキリしたー……? あれ? 何でだろう? すっきりしないなあ。よしママの所に行こう」

と言いつつ戻るアリサ。だが全く納得した表情ではない。これは恐らく司会が嘘を突いている事を本能的に感じているせいかもしれぬ。

だが、疲れ果てた脳みそではもう深く考える事は出来ない様で、帰る事に意識を向けた様だ。

「……そうだ! その前に」

ダダダダダッ ん? どこに行くのだ?

「刑事さん! 司会の人生きてたよ」

「え? 本当ですか?」

「だけど、その事は伏せておいた方がいいかもね」

「え?」

「もしそれを報道したら白川さんがまた狙う可能性があるからよ。念の為ね」

「本当ですか? でもそう仰るのでしたら信じましょう。

では今回の事件は被害者も生きていた事ですし、ただの転落事故だったと嘘突いておきます」

「ありがとう。よし、ママの所に戻ろう!」

「アリサちゃん! おーい!!」

今度こそ帰ろうとするアリサに何者かが叫びながら走ってくる。それも1人ではない。

「え?」

その人物は周様、梓、鎌瀬、金賀、七瀬、火村。共に頂点を争ったメンバーだ。

「あっみんな! 知ってる? 司会の人生きてたよ」

「良かった……目の錯覚で幽霊かと思っていたのよ!」

「生きてる生きてる! みんなも見たの?」

「見たぜ」

「おう、俺様も見た。しかし……お別れだな……ずげえざみじいぜえええええ」

目の幅の涙を出し、アリサと握手する周様。情に厚いお方だな。

「ちょっと痛いって! 男が泣いていい時は親と別れた時だけよ!」

そんな事を言いつつ、釣られて涙目になるアリサ。

「俺様は来年もここに来て見せる。モノマネだけでなく色々なネタを引っ提げてな!」

「うん、なんだかんだあったけどあんたのネタを見てなかったら、あのネタを閃く事は出来なかったからね。感謝してる! また会おうね!」

「おう!!!」

「なんか急だけど、この人と一緒になる事になったわ」

梓が鎌瀬を指しつつ少し顔を赤らめ話す。

「えええええええ? こんなのとおおおおおお怒?」

ピョーン

余りの驚きに120センチほど飛び上がるアリサ。この瞬間、そう、最大到達点での彼女の身長は2倍になった。

「そんなに驚くなんて酷いです……兄さん……」

「おお! 通りでやけにべたべたくっついてるなと思ったら! めでたいぜ」

「おお! 泥鰌の同情でお前達二人に柳川鍋のご馳走があらん事を」

「7,7んだってー? おめでとうございます!!」

「そうなのかあああああああ? おめでとおおおおおおおおう」

おお! 周様が……こんなにも伸ばされて……皆さん朗報だ! 彼が、完全に、復活なされた……!

「みんなありがとw楽屋を出てアリサちゃんに言われた後に探し歩いていたの。すぐ見つかったんだけど、床に突っ伏して譫言の様に

あずにゃんあずにゃん

って言っていたの」

梓が少し顔を赤らめながら話す。

「www」

心の底から笑ってくれるアリサ。

「ちょw笑わないでwで、ずっと血を吐いていて、床が血の海になっていたわ。この会場でまた殺人が起こったかと思ったもの」

「えー見たかったー。ねえ、再現して―?♡?」

これこれアリサよ、無邪気な瞳でそんなおぞましい事を強要してはいけないぞ? 今お主は鎌瀬の兄さんだ。芸人の世界では兄さんの言う事は絶対。故に頼まれたらすでにもう枯渇しきった血液量と知っていようが頑張って吐血を始めるかも知れないぞ? 奴は竜牙にジュースを買って来て? と言われた時に意気揚々とダダダダダッと言う効果音を口で再現しながら駆け出して行ったではないか! その時エリートだと言う事は一切忘れ、正にパシリの鑑と言える程のパシリキングだったぞ? 思い出すのだ! この鎌瀬の吐血癖は恐らくお主のノリ突っ込みが原因なのかもしれぬのだ。あの、ノリ突っ込みを決めた瞬間、お主の口から放たれた言刃が鎌瀬の体を貫いた。これは私の目でも確認済みだ。これだけは間違いないのだ。それ以降だ。彼が血を吐く様になったのは。恐らく鎌瀬のどこかの臓器に死魔傷が刻まれた筈だ。死魔傷とは一度受けたら決して塞がる事のない傷。だが幸運にも日常生活をしているだけであれば吐かない様だな。

では一体どんな時に吐血したのか? 彼が吐いた全ての場面を思い返してみよう。

まずはノリ突っ込みを喰らった直後であるな? そして次は笠地蔵のネタでカンザス州と放ち、大きく滑った後のアリサの辛辣な言葉の後に吐きだした筈。3回目はアリサの所属している推理クラブ部長の特技の事を思い出した時にも吐血したな? そして最後に先程梓の報告で明らかになったが彼女を探し疲れ果て吐き始めた。この合計4回だった筈だ。それだけでももう鎌瀬の体内に存在する血液量は僅かであると言う事が分かるであろう! そしてこれらの共通点とは何だろう? それは心にダメージを受けた時に吐く様に思える。だが一つ問題が発生する。それは、死魔傷がある筈なのに通常時はへいきへっちゃらな事だ。

本来、それを負ってしまった者は、絶えず流血し続け死に至るまで止まらない筈の呪われた傷のなのにそれが無いという事だ。どういう事だ? まさか! 傷口を上手い事他の臓器で塞いでくれていて、悲しい時でなければ血は止まる言う奇跡的な位置関係に付いた傷なのだろうか? むむ、生命の神秘であるな。ただ、常時ダダ漏れでないにしろ死魔傷は名前の通り永遠に塞がらぬ厄介な傷。これ以上の吐血は命に関わる筈だ。おぬしの命令通り再現したらあの世行きであろう。流石に新婚早々死んでしまっては可哀想であるぞ? 急いで撤回するのだ! このままやらせてしまえば第二話最終回にしてヒロインのお主が殺人者になってしまうぞ? 

「無邪気な瞳でそんなおぞましい事言わないでwでね? 話している内に急に可愛くなってきちゃって……不思議な物よね……私、この人を見ていたら急に母性みたいな物が溢れ出てきた気がしてね……これが母親の気持ちなのかなって? 犬吉君は旦那さんと言うよりは自分の子供みたいな感じだけど、傍で見守っていくからね。芸人の道は若いあんたに譲るわ……」

「へえ、でも歳も近いし同業者ってのもあるしお似合いかも……お幸せに♪でも私は刑事になるからお笑いはやらないわ」

「才能有るのに勿体ないなあ。で、看護師の資格を取るつもり。この人、ある時を境に弱々しくなってる気がするの。……だから頑張って勉強して彼の体調を私が元に戻して見せる!」

ほう、彼女は死魔傷の存在を漠然とではあるが認識している様だ。鎌瀬の呪われた傷。彼女の愛の奇跡が完治させてしまうかもしれぬ……アリサに業を背負わせぬ為にも……頼んだぞ! 梓よ!!!

「へー芸人、人妻、に続きナースか……また属性が増えるよ……需要が更に上がるね」

「何それ?」

「知らないならいいのよ」

「兄さん……あなたがキューピッドだって聞きました。本当にありがとう……ビックリしたよ。あずにゃんから結婚してくれるって言ってくれたんだ。僕、僕……同情で結婚して貰ったと思っているけど、それでもいつか、否、近い将来、僕と一緒になってよかったって、あずにゃんに思わせて見せる! そう! 絶対幸せにするからね」

深くお辞儀をする鎌瀬

「兄さんって……せめて姉さんって言いなさいよ……って、まあいいわ。で、これからどうしたい?」

「まずは新婚旅行ですね。新コーン旅行はコーンゴ共和国で、キングコーンゴのネタを視聴しつつコーンデンスミルクをたっぷりかけたコーンフレークを……」

「ねえ、それ、白川さんのネタでしょ?」

それを聞きあからさまに嫌そうな顔をするアリサ。逃がしてしまった人間の事を思い出してしまったからだろう。

「う、何か耳に残っていて……でも彼、不思議な人でしたね……そして、誰よりも面白い人でした……」

「確かに……でもあいつは……」

【あいつは……】

その先が出てこない。それもその筈。殺人者と思っていたが、司会は生きていたし、犯行が出来たかどうかも今の彼女には立証しようがない。

「もう居ないんだよね……また会えるのかなあ?」

「また会えるわよ。私はそんな気がする」

「うんうん。そして、もしも子供が出来たら絶対芸人にします。祖父母、そして両親も芸人の血を引く超サラブレットが兄さんを超えて見せます!」

死魔傷は直系に遺伝すると言う噂もある。故にお笑いの才能と共にその傷をも受け継いでしまう危険性があるのだ。だから、完全に治した後に作らなくては死魔傷が刻まれた呪われし子供が生まれる可能性もあるのだ。そこを気を付けて欲しい物だ。

「フッ私は、強ええぜ?」

「ぐぐぐ……でも、諦めませんよ!」

「その意気よ! 最後に気合を入れてやるわ」

「え?」

「もっと熱くなれよ! 熱い血燃やしていけよ!! 人間熱くなれば本当の自分に出会えるんだ!!! だからこそ! もっと!!」

「熱くなりなさーい!!!」

「熱くなりなさーい!!!」

「熱くなりなさーい!!!」

アリサ、鎌瀬、梓の声が心地よく響き渡る……! 若いな……(///照///)私の頬まで赤くなってしまった……

「大声出すって気持ちいいね」

「じゃあお幸せにね」

「うん」

「ようチャンピョン! 貰った米で、

泥鰌掬うなら甕をくれ丼】

ってのを作ろうと思うんだが、少し分けちゃくれねえか? お米」

「駄目よ! お米はフンガーに全部渡すんだから」

「そうか……ここで獲得した米って言うブランドが欲しかったんだがな……なら仕方ねえ。そうだ! 近くで店やってるから来てくれよな? ただでご馳走するぜ?」

名刺を胸ポケットから出す。

「おう!」

パチン

タッチをする二人

「アリサちゃん……八郎と知り合いだったんだね? さっき母さんから連絡があって……」

七瀬は、梓と鎌瀬を祝っていた時とは打って変わり神妙な顔でアリサに語り掛ける。

「え? 八郎さん? 七瀬さんって……あっ! もしかして八郎さんのお兄さんなの? 同じ名字なのに全く気付かなかったわ……そう言えば七瀬さんって眼鏡を取ったら八郎さんそっくりね!」

「そう? 自分でも気づか7かったよ。小さい頃から眼鏡取った事7かったから7あ」

「昨日会ったばっかりだから間違いないよ。で、9人兄妹なんだよね? ええっと……覚えてるよ! 一郎さんと次郎さんに美三みみさん、四郎さん五子さんに六江さんに文七ぶんしちさんに八郎さんに九べーさんの9人だよね?」

「そう7んだ。八郎から聞いたんだね? よく覚えてるね」

「まあね。でもヤンキーに絡まれて、誰か自殺未遂したんだっけ? 今は大丈夫なの?」

「ああ五子姉さんか。今は7んとか仕事に復帰出来るまでに7ったよ。男、特にヤンキー嫌いは相変わらずだけどね」

「良かった……でも九べーさんだっけ? 彼のインパクトが凄すぎて七瀬さんと八郎さんが兄弟なんて全く思わなかったわ。こんなのちょっと考えればすぐ気づく筈なのに……悔しいわ!」

「確かに九べーは僕達とはあんまり似てい7いからね……どうして彼が兄妹の一員7のかすらもいまいちよく分から7いよ」

「彼? やっぱり男の子なの? 九べーさんって」

「そうだね。兄妹の中で唯一/人◕◡◡◕人\こん7ネコみたいな顔をしているけど彼の口癖は

【僕と契約して魔法少年に7ってよ】

だしね」

「でも一人称を僕って言う女の子=僕っ娘って可能性もあるんじゃない?」

「それは7いね。だってしっかりと付いてるんだ」

「何が?」

「男の子の象徴だよ」

「へえ、それって大きいの?」

これ! ヒロインがナニを聞いているのだ!

「意外に大き……! 7んでそこに食いつくの?」

「でへへー」

「は7しを戻すよ……で、全部分かっちゃったんだ。八郎は今……」

どうやら七瀬は八郎の兄だった様だ。そして、母親の電話で彼の現状を知ってしまった様だ。【今】の先が言えず口ごもる。

「七瀬さん……聞いちゃったのね? ごめん私が!」

「7にを言っているの? アリサちゃん? 謝る事は7いよ。君は7に一つ間違ってい7い。むしろ、ありがとうだ」

「え?」

「八郎は止めて貰わなかったら、次の手を打つと聞いた。そう、最悪殺人者に7っていたんだ」

「本当に?」

「ああ、止めてくれて感謝しているって。後……八郎ね、頑張って罪をつぐ7って戻ってくるから、そしたらその……君とカラオケ一緒に……行き……」

「断る理由が7い!!」

食い気味での即答。

「本当に? じゃあ後で伝えておく! 八郎も喜ぶと思うよ!! もし7にかあったら名刺の電話番号にいつでも電話して来てね!」

「はいっ!!」

「最後は俺か……まだじゃない方卒業出来ずだ……」

「爪痕は残せたと思うよ? きっとみんな分かってくれるって♪来年もあるから! 火村さんも絶対出てね! 私も出るからね」

「おう」

「みんな見送りありがと! 来年私、2連覇を狙う為に必ず来るから。全員集合よ?」

「でも白川さんは……」

「そうね……でも7人はまた会おうね」

「じゃあ専業主婦って訳にもいかないわね。わかった! 主婦もやりつつ芸の道も磨き、看護師の資格も獲得した上でパワーアップしたメルヘンネタであなたを倒すわ」

梓が引退宣言を撤回する! 

「そうよ! 鎌瀬さんもだからね」

「分かったよ……いいえ! 分かりました!! アリサ師匠!!!!」

お? 鎌瀬の中で【兄さん】から【☆《師匠》☆】へと昇格した様だ。まさか1作品の間に

【一般人→兄さん→師匠】

二階級特進するなんてすっごいよ! 頑張った甲斐があったな! 本当に本当におめでとう! アリサ師匠!!

「全く……そう言えば私はもう探偵なのよ? とっくに芸人は卒業したってのに……そんないい返事聞いたらまた戻りたくなっちゃうじゃない」

「師匠なら探偵をやりながらだってお笑い芸人も出来ますって!」

「ほんまにー?」

「ほんまでっせ!!」

「じゃあまた来年!!」

「ああ元気でな!」

「バイバイ」

アリサは名残惜しそうに時々振り返りながら外を目指す。

外に出るとママとケイト、そしてフンガーも何故か一緒に待っていた。

フンガーは覚えていたのだ。アリサとの約束を。

「お帰りアリサ。色々な事が起こり過ぎてなんか良く分からないけど優勝したんだよね? おめでとう!」 

「ありがとう」

「 それにしてもあなたどこであんなネタを思い付いたの? 私ね、初代のガンバレ世代だから、面白い☆☆☆三連星のネタ滅茶苦茶ツボったわ。まさか娘の口からあんなネタを見られるとは思わなかったもの」

「決勝で戦った白川さんが控室でそんな話をしてたからかな。その後の休み時間に彼らの事を携帯で調べたんだ。それで面白い癖があったからそれを使ってみたの」

「たったそれだけの事であんな長いネタを思い付いたの? ぎ、ぎゃふん」

「ママw古いwwでも実力で取れなかったのが悔しいけどね……でも、現役の芸人さんをいい所まで追い詰めたってのは凄い自信になったわ。流石にこの力までひいおじいちゃんの血のお陰って事は言わないでよね? ママ?」

「うん、これは間違いなくアリサの力よ」

「そうだよね。(後あの帽子のお陰……かな……)ちょっとお笑い勉強しようと思っちゃったもん。人を笑わせるのは嫌いじゃないし。笑顔って素敵じゃん? ケイトちゃんが私の新しい一面を引き出してくれたって事よね。ここに参加してなければお笑いなんて見ている側で終わっていたと思うもん。ケイトちゃんありがとね」

「ホント? 私、役に立てた?」

「そうね。ねえ私のネタどうだった?」

「うん! アリサちゃんのネタ、分からない部分もあったけど面白かったよ!」

良かった……恐らくあの下ネタまでは彼女は理解出来なかった様だ。ケイトよ……ずっと純真無垢で綺麗な心のままでいてほしい。

「やったぜ!!」

「後、最後、凄い推理だったね! かっこよかった! あーあ、アリサちゃんが男の子なら良かったのに……ポッ」

あんな言いがかりじみた推理でもかっこいいと感じてしまったのか。そしてポッ等と言いう擬音を口にして、顔を赤らめている……? ま、まさか……いや、そんな筈は……

「え?」

「あらあら、アリサモテモテねえ!」

「ケッ、ケイトちゃん? 私に惚れたら【私の行く先々で事件が起こる件について】だぜ?」

ほほう。まさかこのやり取りの間隙に【それ】をねじ込んだか……この娘はやはり天才であった。天晴である。

「え? だっ大丈夫! アリサちゃんと一緒ならどんな事件が来てもへいき、へっちゃらだもん、何も怖くないもん!」

力強く言うケイト。凛とした瞳である。美しさの中にしっかり潜むかっこよさ……私は、彼女に惚れている事にすら誇りを持てる!

「え?」

頬を赤らめるアリサ。ぬうっ……このままではアリサと私のケイトが恋人の様な関係になってしまう……それだけは何とか食い止めなくては……おいおい! アリサよ! 竜牙刑事が好きなのだろう? そっちに行ってはいけない!! 危険であるぞ!

「あらあらあらぁ? 照れ隠しにタイトル回収なんかしちゃって! そう言うのは一回でいいのよ」

「え? 今回が初めてだよー」

 嘘である……と? (。´・ω・)ん? フンガーが何か言おうとしているぞ?

「フンガーフガフガ! フガガンフガフガフガガフガンガフガル件について。フンフンガッガ」 

「なになに? アリサは予選の時、フンガー君の前で、【私の行く先々で事件が起こる件について】って言っていたフガって? ほら見なさい」

この男、見かけによらず記憶力が優れているな。間違いなくアリサはそう言っていた。それは私も見ていたからな。

「あ、こら! フンガー! それは内緒でしょ! 何で言うのよ! 目玉をへし折るわよ! ダブルで!」

「フンガー……」

申し訳なさそうに頭を下げつつ両目を守る様な動作をするフンガー。

「てかママすごーい! フンガーの言葉が分かるんだ!? 私はまだ分からないって言うのに」

「勘よ勘! 刑事の勘! やっぱりー! 全く、油断も隙もないんだからこの子は!」

「でへへー」

舌を出し、頭を掻く動作をするアリサ。

「あっそうだそうだ! 賞金とお米フンガーにあげないとね!」

「フガ?」

「私の気が変わらない内に受け取らないと、2度と貰えないかもよ? いいの?」

「……フン……ガー」

一礼して受付に向かう。一人では心配なのか一応アリサもついて行く

「ねえ、賞品受け取りに来たんだけど」

「あ、優勝おめでとうございます! こちらです」

「ありがとう……あ、お米って現物はあるの?」

お金と米を受け取る。そしてフンガーに渡す。

「はい。ですが、郵送いたしますよ?」

「大丈夫よ。今すぐ頂戴」

「え? あの……お米60キロありますが大丈夫ですか?」

「この子が受け取るから大丈夫。凄い力があるからね。あなたも見たでしょ?」

「そうですか? ではどうぞ」

「フンガー……」

何故か申し訳なさそうに受け取る。

「何遠慮してるのよ! 当然の権利よ!!」

フンガーのふくらはぎを叩く。100万円を躊躇わずにポンと渡せる豪胆な幼女。見習いたい物である。

「フガ!」

力強く頷く。

「あっ、これは私のよ!」

フンガーからある物を奪い取る。一体何を? まあいい。

「鏑木さん。では、私達は帰ります。お気をつけて!」

おや? ケイトのパパか。一旦離れていた筈だが、いつの間にか迎えに着てくれた様だ。

「アリサちゃん楽しかったよ本当に。じゃあ私達はこれで帰るね」

「うん。住む世界は違うけど、私達はこれで繋がっている。いつでも相談してね」

携帯を指差し、やけに男前な笑顔を送るアリサ。

「かっこいい♡じゃあ……ね」

ケイトは、笑顔のまま、輝く双眸から女神の雫を流す。それは、重力に従い、きめ細やかな頬を、一条の川を形作る様に零れ落ちて行く。その様は、正に天地創造時代。神がその秘術で大地に川を生み出す瞬間を目の当たりにしている様である。

ああ……私は……この川で溺れ死にたい。

そして、その偉大なる奇跡を目の当たりにした私にも変化が……自然と私の両眼からも溢れてくるのだ。これは悲しみの? それとも感動の? それは分からない。分からないが、止めどなく溢れ出す。私は、この涙をも誇りに思う。愛している。ケイトよ。

そして、先に帰路につくパパに追いつこうと小走りで去って行ってしまう……ああっ女神様……後ろ姿も女神様……

「じゃあ帰ろうか?」

「はいっ! フンガー! 達者でね!」

「フンガー……」

ゆっくりと会場を後にする。

「まあ無事終わったし、じゃあ、帰ろうか? 我が家へ! パパが待ってるわ!」

「はいっ!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一方その頃、悠々と会場から帰った白川は、そこから徒歩2分程の喫茶店で、3時のおやつと言わんばかりにチーズケーキとアイスコーヒーを注文していた。

「やれやれ」

「お待たせいたしました」

コトッコトッ

「どうも♪それにしてあのチビめ……やっぱ100万とお米一年分ロストは痛えなあ……あいつは……苗字は何だった? まあいい……これ位かな?」

携帯のメモアプリを起動し、何やら文字を打ち込んでいる。

SS 味噌門太 (完)

SS 久本正美

SSS 風原瞬

SSS アリサ

2020 7/23 AM9:00 28台 PM3:00 27台

2020 7/24 AM9:50 24台 PM0:30 16台

ぬ? 何だこれは? ページの上部に、3人の人物名とアルファベットのSが書かれていた様だが、その下に新たにアリサの名前とアルファベットのSが三つ書き込まれた様だが? そのアルファベットの意味とは一体? もしかして体の大きさを表しているのだろうか? スーパーすっげえスモールだろうか? 良く分からぬがアリサが白川に目を付けられた事は何となく分かる。 

 そして、ページの下の方には日付と時間と何かの台数を数えた物が記してある様だ。これは? ……昨日の日付と、今日の日付があるな。

書かれている時間帯に何があったかを思い出してみると、今日の分に関しては、アリサが受付している頃と昼食の時間と考えられるな。一体何の時間だ? ウーム……何の意味があるのだろうか? 

「よし」

書き終えると電源を落とし、ズボンのポケットにしまう。

「ふう、旨いなこのコーヒー。うむ、ケーキもいいな……また来るか(しかし何故かすっきりしない……奴はもうこの世に居ない。なのにいまだ奴に対する憎しみが……なんでだ? こういう時どうしたらいいんだよ……案外復讐ってもんはこういうもんなんだろうな)」

彼は味噌門太がまだ生き延びている事は知らない。だが、本能的にまだ生きているという事を察知し、憎しみが湧き出ているのだろうか? そして、ケーキを味わい、アイスコーヒーを飲み干す。

「ご馳走様! はいよ! あ、お姉さん? この店は近い内に繁盛するよ!!」

チャリンチャリン

「え? そうなんですか? なんか嬉しいです! ありがとうございました!」

「おう! その硬貨、ちゃんとお店に残しておくんだぜ? 額に入れて飾っておきな?」

「え?」

「間違ってもおつりで渡したら駄目だ。運が逃げちまうかもしれないぜ? これは幸運の500円玉だからな?」

「は、はい! 家宝にします!♡!(やだ♡かっこいい♡)」

根拠は分からぬが、謎の自信に満ちた顔で会計を済ませ外へ出る。まるで彼の触れた物全てに運が宿ると言わんばかりだ。確か七瀬にも強運散布と言うスキルがあったが、白川も同じスキルを所持しているという事か? やはり彼は、あの犯罪を行う前に既に分かっていたと言うのだろうか? 自分の生まれ持った強運に……それを組み込んだ犯罪を? そしてこんな会場に近い喫茶店でくつろげているのも、絶対に見つからないと確信を持っていたと言う事なのか? そこまでは分からない。

「まだ時間はあるか……な?」

夏休みが始まって間もない都会の空気。道行く人は日傘や帽子で日光を遮りながら歩いている。

だが、彼は暑さを感じている素振りは見られない。自らの放つ何かは、彼を熱気から守っている? 汗ひとつかかずに暫く空を見上げている。

普段は好青年。と、までは言えないが正義感の強そうな男であるが、鋭い眼光はまるで獲物を見据えたスナイパーの様な青白い光を放っている。

「さてと、ちいとばかり予定は狂っちまったが、【次】行きますか……!」

そう呟くと、バイクに乗り、いずこへと消えて行ってしまった。

 

つづく

 

私の書いている小説です

 

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語り部の真相解説

こんにちは語り部だ。前回の約束だ。白川の行った事全てをアリサに代わり解説していく。よろしく頼むぞ。

だが別にそんな事興味が無いと仰るのであれば、ここでブラウザバックでもよいだろう。

この回は、彼がやった事を振り返るだけの回である。故に既に真相に辿り着いた方には全く必要の無い回なのだ。単なる蛇足。そして、文字数稼ぎの回と言っても良い。読む必要性は皆無。アリサと違い冗談交じりで語る事は一切無く、淡々と彼の行った事を語るだけのお堅い回であるしな。だがもし真相に辿り着けなかった極少数の方の為には必要かと思い語る次第だ。

アリサよ、すまぬな……主人公特権を奪ってしまって。本来お主が得意満面で語りたかったであろうなあ。この、巧みに遂行された犯行をドヤ顔で……な……だが、お主はあの場面で全てを気付く事が出来なかった。

物事にはタイミングが重要なのだ。あの日あの時あの場所で気付けなかった。つまりこれは私しか語れぬ事だった訳だ。では、早速語ろう。むうやはり堅すぎるな。これでは折角私の一人舞台なのに悪い印象を与えかねぬ。少し崩そう。コホン……みんなぁいっくよぉおお? よし、これで全世界で私のファンが2人は増えたであろう。やったぜ! では今度こそ本当にいくぞ?

 まずは、犯行の瞬間何が起こったかを語ろう。そして、その為にどんな準備をしていたのかを語る。

白川は停電が起きた時、舞台上で目を閉じて予め暗闇に慣らした上で、暗闇になった瞬間に目を開いた。皆両眼を閉じたと認識していたが、実は違う。

その根拠は、集合写真の問題が終ったのに、その後の問題もしっかり対応出来ていたからだ。

集合写真の問題のみであれば、頭の良い彼ならば頭の中でその映像を思い返し、ネタを生み出す事も出来るかも知れない。だが、彼が目を閉じてから停電が起こるまでずっとその集合写真のお題では無かった筈。彼は次の問題も、その次の問題も目を閉じて把握したという事になる。そんな事が果たして出来るだろうか? ここから推測するに、新たな問題発表時だけ? それともずっと? までは分からぬが片目を限りなく薄目の状態で戦っていた筈なのだ。そして、反対側は完全に閉じていたと思う。器用な事にな。視覚をほとんど断った状況で戦う事が、有利か不利かどうかなどここで語るまでも無いが、そんな状況で現役の芸人やアリサ達と対等? 否、それ以上に立ち回れたと言うのが驚きだ。

まあ両目を閉じてしまえば停電になった瞬間も分からぬし、何よりどちらか片方を開けていないと暗くなった時に閉じた方の目が慣れぬ筈。故にこれは推測ではないと思う。

そして、放ったネタで見事停電が起こす事に成功したら開眼し、司会の腕に輝く腕章を頼りに素早く後ろから近づき、ボイスレコーダーの妹の声を意図的に司会に聞こえる様に再生し、驚かせて落としたのだ。前回司会も言っていたが、これは過去に白川が今昼は最高の司会をする味噌に会う際、何か言ってやれと妹に言った時偶然放った

「今でも好きなの」

と、言う音声を聞かせ驚かせて落としたと言う事だ。なぜ一切触れる事なく落ちて行ったか? その理由は、蓋を開けてみれば簡単だったのだ。そう、白川は司会を

【音で落とした】

のだ!! フッ決まった……見事な程に……今私は感動で打ち震えている……! そうか、アリサはこんな気持ちの良い事を前回行っていた訳か。癖になるな……おっと、私とした事が悦に浸っていた……済まぬな。

その音声を司会の側で再生した時、当然殺意はあった筈だ! それをただのいたずらや偶然でしたと言い訳出来ようがない。だが、事件は暗闇の中起こった。舞台に向けて撮っていたカメラでも明確に捉え切れなかったし、犯人の姿も分からずじまいだ。

そして司会は、幽霊を極端に恐れる性格のせいで突然背後に響いた声を予め白川が送ったメールで知っていた妹の死の記憶から彼女の霊が司会に対し恨みを込めて放った言葉と誤認してしまった。

そして、この停電も、その霊的な力で引き起こされたものだと信じて疑う事無く半狂乱。あろう事か舞台の縁で頭を抱えしゃがみ込んでしまった。結果バランスを崩し地面に激突てしまったのだ。

ただその音声データは、妹が司会に向け本心を伝えただけ。しかも好きだと言っている上に、彼も一度白川から聞かされ記憶に残っている筈。故に冷静であれば、

「ん? 何かおかしい? あ! この声、聞いた事あるぞ?」

と、疑う機会もあった筈。だが、ここで考えて欲しいのは、突然暗闇になり動揺している中、後ろから声が聞こえたら皆さんはどうするだろう。停電と背後に響く突然の声の二重攻撃で相当肝が据わっている方であろうが少しは動揺しはしないか? 勿論鋼の心臓を持つ私には効果はない。だが司会は耐えられなかった。そう、突然起こった停電の中、心の平静は保てる筈もないのは仕方のない事であろう。彼は臆病で、極度の幽霊嫌いだからな。

だが、この言葉自体は妹の純粋な気持ちから放たれた言葉。まさか彼女自身もそれが殺人のトリックに使われるとは夢にも思っていない筈だ。故に共犯ではない。これは白川単独の犯行だ。

そして、その音声データは白川のネタを作る材料の中に入れていた様だ。何故別のプレイリストに入れなかったのだろうな? そこまでは分からぬがその結果、聞き込み中のアリサの前で身の潔白を証明する為再生した時に、偶然選択され再生されていた筈。もし気になったら【聞き込み調査】の回で語っているので、遡り確認してほしい。

そのセリフを選択し、後は再生ボタンを司会に近づき押す事で、驚いて落ちてしまったのだ。

故に後ろから近づいたとしても突き落とす必要は無い訳だ。白川はこの臆病者ならでほぼ確実に落ちてくれると信じていたのだろう。

この辺はまた後で説明するが、アリサはこの状況で「何もしないで落ちたのぉ?」 と勘違いしていたが、こう考えてしまった時点でこのトリック解除への道は途絶えたも同然なのだ。私の様に何事も柔軟に考える事で、別の視点から真実を見出す事も出来る訳だ。まあこんなカッコイイ事を言ってはいるが、この真相に気付いたのはごく最近の事だ。それは前回、

「後ろから声がした」

と言う言葉を司会の口から聞かなければ、この私ですら気付く事は出来なかっただろう。そう、あの時警察署の霊安室に移動可能だったのは私だけ。そう、

語り部的視点】

名神視点からでなくてはこのトリックを解く事は出来なかった筈だ。卓越した推理力を持つアリサでもそこまでは描けなかった。彼女には私の様に瞬間移動する力も、誰にも気付かれずにその人の近くで会話を明確に聞き取れる能力も無いからな。この立ち位置は非常に便利である。どこへでも移動が出来るし、ぶっちゃけてしまえばチート能力である。非常にずるい立ち位置である訳だが、これは物語を進行するにあたり必須の能力である故にそれを封印する訳にはいかない。これからも使い続ける事を許してほしい。

ぬ? そんな凄い力があるのなら白川が登場した瞬間既に怪しいんじゃない? とかも分かっていたんじゃないかだと? フム鋭い指摘であるな。お主は天才か? だが残念ながらそこまで語り部的視点は万能ではない。ここは非常に複雑で精密でハッターピーンの粉の成分より難解な所であり、全てをを説明しようとすると恐らく1京文字は必要となる。それを語り終えるのに不眠不休で語り続けても20年以上掛かる上に、喉の消耗が激しくなるので勘弁して頂きたい。

そしてもし、またどうしてもアリサが解けない局面にぶち当たった場合はこうしてこの視点を利用し解説する事もあるかもしれない。その時は今回とは比べ物にならない程に語り力は増している筈であるので期待して欲しい。

おっと、又話が脱線したな。さっさと戻すぞ! そして、白川もカメラで撮影されている事も分かっていたから目立った動きはせずに目的遂行する為にも仮に司会から

【絶対に押すなよ? 絶対に絶対にだぞ?】

と言われても押す事は無かっただろう。いや? もとより始めから触る気は無かった筈だ。だから司会の着る粘着性の高い表面の素材のジャケットに、指紋や軍手で押した時に付く筈の軍手の網目の跡や、そこから出た糸屑すらも一切付いていなかったと言う訳だ。

司会の後ろまで近づいたのは、司会にのみ聞こえる様な音量で再生したという事だな。その辺の音量調整も事前にしっかり行った筈だ。

しかし、自分の仕事道具を殺人の道具として使うとは……まあ実際は生きていた訳だが……だが、虎音に早々に移動させられた為に生死の確認は出来なかったお陰で、白川自身ももう死んでいると思い込んでいる様だ。

そして、確実に驚いて落ちるかは半信半疑だったろうが、予めメールで妹が自殺した。と、言う嘘を伝えた事は伝えたし、偶然梓の幽霊のネタでお漏らしまでして驚いていた様を見た彼なら、その内容が伝わった事も分かったし、落ちてくれると確信した筈だ。

しかし、白川もこの犯行で妹の司会に対する想いの声を再生する時、多少は辛く感じただろう。だが、それ以上に、敢えてその声で司会を落とす事。思い出せば辛くなる様な音声までもを殺人のトリックに取り入れたと言うのか? どんな物でも自分の目的遂行の為なら使うと言う事なのだろうか? そこから彼の精神力は途轍もない事が分かる。そして、その犯行の引き金となった停電も間違いなく白川の仕業。

これはアリサも推理していたので割愛しても良いのだが、おさらいの為に語る。彼女が白川の前で勢い任せで放っていた推理は実は当たっていたのだ。聞き込みで関係者の荷物検査をしていた時に白川が所持していたマルチリモコンで会場内に設置されている数台のエアコンの設定温度を下げて回り、使用電力を上昇させ停電寸前にしていたのだ。朝と昼休みにも二回程停電が起こっていたな。あれも当然白川の仕業。

そして、前日にも何回か起きていたとスタッフが話していたが、それも彼の仕業だった。理由は何台最低温度にすると停電するかの実験だろう。考えてみれば本番当日に初見でそれを実行するにはリスクが大きすぎる。ただでさえリスクの大きい犯行を行うのだから、少しでもそのリスクを削減したいと考えるのが普通である。

 前日は、会場に舞台準備のアルバイトとして紛れ込み、エアコンの位置の把握や、何台最低温度にすれば停電するかのリサーチを行い、会場内に設置されているエアコンを何台か最低温度にする事で、停電自体は起こりえるという事を知り、犯行を決意。

まあ、そんな事を仕事中にやっていたら怪しまれないか? と言われそうでもあるが、このスタッフは元々ビッグエッグのスタッフではなく、求人広告で募集されたその日限りのアルバイト。

皆現地集合で作業終了時に給料取っ払いで、受け取ったら解散のメンバーだった為に余程不審な動きさえしなければ怪しまれなかったのだろう。

そして、本番では会場内の電気使用量も準備だけの前日に比べ少し多くなると仮定する。そうなると前日のデータは余り当てにならない。それでも当日まではそのデータで停電寸前まで機械操作する筈だったと思う。

だが、当日は選手として入るには勝ち残らなくてはいけない。と、思っていたが、異例の暑さの為受付がドーム内に変更された事で、エントリーが終われば中を自由に移動出来、当日もエアコンの操作が可能となったのだ。

この、当日も実験が出来ると言う偶然を利用し、アリサより先にエントリーし、内部のエアコン温度の見回りを行い、温度が戻されている物は下げて周り、当日なら前日とどれ位違うのか? 等の検証も行え、実際どの程度で落ちるかの実験までも行えたのだ。これにより、より確実性は増した筈。

当日は照明や施設内の色々な機械も起動する為、使用電力も準備だけの前日とは段違いである筈だしな。そして、これもアリサも推理していたが、2回戦直前の休み時間終わりに、みんなが外に出る時に白川が何気なく

「誰も居なくなるしエアコンを止めるか」

と言って何やら操作していたが、実はその時、停止ではなく設定温度を最低に下げて出て行ったのだ。何と言う大胆な……そう、あの空間は誰も居ない中、18度を保っていたのだ。それは、アリサの2万ポインツでも停電が起こらなかった事を考えれば、27度のまま試合に臨んでも停電には届かないと判断し、少しでも使用電力を増やそうと考えたのだろう。そして、白川は何回かトイレに行くと言って出て行っていたが、実はトイレには一切行かずに他の控室のエアコンの温度が戻されていないかの確認の為に出回っていたのだ。

彼は、前日2回に当日の2回の計4回の停電時の最低温度にしたエアコンの台数を数えていて、そこから逆算し、残り使用可能電力を頭の中に入れておき、本番でお笑いを測定する機械の作動で停電する様に細工したのだ。4回もやれば大体どれ位で落ちるかも分かってくるだろう。

そして、その努力も実り、彼が目を閉じ暗闇に目を慣らしてから数分後に、彼自身のネタの直後の笑いでブレーカーを落とす事に成功したのだ。

……彼はあの瞬間舞台の上で、どれ程の頭を使っていたのか? それも視覚をほとんど断った状態で、客に通じるネタもしっかりと考えていた訳だ。想像するだけでも恐ろしい。

だが1つ分かる事は、これが幾ら頭が良いとしても、それだけでは実現出来るレベルの殺人では無かったという事なのだ。そう、幾つもの偶然が作用している。そう、白川の思惑通りに起こっているのだ。そして、それを前提で行動し、それら全てを味方に付け、最後は実力のネタで停電させ、証拠不十分の犯罪を行ったのだ。彼がその頭脳をもってしても敢えてこのやり方を選択したのは何故なのか? 私の推測を語らせていただこう。

それは、これこそ彼が最もやらなくてはならない事だとすれば? 妹の受けた悲しみを、妹の声で晴らす。と言った所なのだろうか? そう、

【お前が選択し、掴み取ったその栄光の大舞台の正に司会進行中、かつて愛した女が純粋な気持ちでお前に伝えた本心が込められた声を恨みの言葉と勘違いし、志半ばで惨めに怯えて死ね!】 

と言う強い思いが込められた殺人なのかもしれない。これこそが敢えてこの危険な犯行を選んだ理由なのかもしれない。

このボケ人間コンテストの司会の仕事は、彼の躍進への第一歩。その仕事を無事達成すれば、第12回、13回と続投も考えられる。そこから色々な司会の仕事のオファーも来る可能性も。そう思って進んでいた彼の歩み、順風満帆の第一歩を踏み出させ、次の歩も当然進めると思いきや、その先は奈落へ一直線の落とし穴が存在した。と味わわせる為に……喜ばせ、頂へと向かう花道だと信じていたのに刹那どん底へと堕ちて行く様を一番近くのVIP席で見る為に……? その為だけに予選を逃げ切り、決勝まで進み、停電する直前に司会を舞台の縁まで移動させ、音声のみで落とすと言う、ほぼ不可能に近い犯罪を……? 妹の無念を、兄、白川修として、持ちうる全ての力で晴らすと言う強い信念、想い、それだけの気持ちが彼をここまで動かしたと言う事だろうか? 更にその様をテレビで放送される事で、司会の訃報を知れば妹も彼への思いが薄れて行ってくれればとも考えたのだろうか? そこまでは分からない。

しかし、ランダム再生すれば妹の音声データが再生される事もあるだろう。故に、新ネタを作る度に何回かその声を再生されてしまったと思う。それでも彼は使っていたのだろうな……それが偶然再生される度に、司会に対する恨みを忘れない様していたのかも知れぬ。

そして、これらの犯行を全て実行するには確実に必要な物がある。それは、

【運】

だ。それも途轍もない程のな。彼はそれを持っている可能性がある。恐らく彼も漠然とであるが感じているのかもしれない。己の強運を。 

思い出してほしい。控室で七瀬が自己紹介した時に、サイコロを2つ振り、2連続で合計7を出して見せると言い、達成した。

そして何故か白川も張り合って、2つ同時に4を出し、それを連続で起こした。だが、この結果、七瀬は称えられ、白川は笑われた。

だが、よく考えて欲しいのだ。

あの勝負、本当の勝者はどっちだったのだろう? と言う事をな。これは確率論的に言えば、間違いなく白川の勝ちなのだ。どういう事か? 説明しよう。

 サイコロを二つ同時に振ると、36通りの結果が出る。その内、七瀬が起こした、2個振って合計が7になると言う結果は、1,6 2,5 3,4 4,3 5,2 6,1の6通り。それを2回続けて起こすには、1/6×1/6で、確率は1/36となる。これはこれでまあ低い確率だ。狙って出せる物ではない。

だが、白川の起こした事はそれよりも低いのだ。遥かにな……そもそも4のゾロ目が出る確率。その時点で1/36なのだ。これだけで、七瀬の起こした奇跡の確率と全く同じなのだ。それを2回と言う事は……? そう、2連続でだ。それはこうなるな。

【1/36×1/36=1/1296】

だ。そう、白川がやってのけたあの結果はとんでもない事なのだ。そして、その事実を七瀬は瞬時に気付いたのだ。だから皆が2連続で4のゾロ目が出た事を笑っていた中、七瀬だけは唖然としていたのだ。

七瀬はあの時、白川は自分以上に強運の持ち主だと悟ってしまったのかもしれない。

言われてみれば、受付の位置が変わって早い段階で会場に入る事が出来たのも、予選で500人もの筋肉女達から逃げ切ったのも、予選2回戦で正しいプレートを早い段階で取れたのも、決勝1回戦で何も答えなかったのに失格せず、司会の気まぐれでルールが変わったお陰で先へ進めたのも、最終的に自分の笑いの力で観客を沸かせ、狙ったタイミングで停電を起こせ、司会が興奮して舞台の隅に移動してくれたのも運。

そして、ボイスレコーダーで妹の声を聞かせた後にしっかりと驚いて、飛び降りてくれたと言う奇跡も何もかもが運だ。この偶然を全てを起こせる事が出来る人間は少ない筈。

そして、今まで誰にも白川が運が良いと言う事を七瀬以外に気付かれなかったと言う事実も彼の強運の一つである。

一体どう言う事? と仰る方に説明しよう? それは、彼の腕章の番号でもある4と言う数字である。

白川は予選を勝ち抜いた後に渡される腕章の中で、幸運にも8分の1の確率で、4の腕章を引き当てたという事だ。

まあ実際に日本では、4は死と同じ響きの為に不吉な数字とされているし、良いイメージは無い。

「4なんて不吉じゃないか! これのどこが幸運なんだよ!」

と仰る方も居るだろう。だが、この特殊な状況下では全く逆なのだ。それによってどんな結果になったか? これも語ろう。

彼は腕章でその数字を引き当てたお陰で、七瀬に張り合いサイコロを振った時に、2連続でゾロ目を出した奇跡も、数字が【4】だった為、その凄さが消え、実際は稀にしか起こらない事を達成した事実より、4を4回も出した不幸な奴。と、言う印象を植え付ける事に成功したのだ。

もし彼の腕章の数字が7であった場合、そして、出目も7だった場合、それが2連続で起きてしまったら、印象は全く違った筈だ。いや、7でなくてもそうだろう。ここは4以外でなければ絶対に駄目だったかもしれない。4だからこそ誰にも疑われなかったと言えるだろう。

そして、4でなければ、アリサに

「あれぇええ? もしかしてぇ? 白川さんって強運なのぉお?」

と気付かれる可能性も出て来る。そうなってしまえば、鋭い彼女の事だ。この事件の真犯人は白川なのでは? と疑い始めるだろうな。そして最終的に、本来のミステリーのセオリー通り、一般人でヒロインのアリサが、優秀な警察を差し置き、解答編で悠々と独壇場で白川を追い詰める役目を果たし、ここでの私の解説も無かった筈。

 だがそれに気付く事無く、白川との勝負に負けたアリサは、潔く勝ちを譲る事なくあろう事か暴走を始めた。見切り発車で犯人扱いしてしまった。それも言い掛かり紛いの事でな。彼の運の良さも、アリサの突発的な暴走状態まで察知する事は出来なかった様だ。

まあそれでも始めの内はいい加減すぎる内容だったが、彼女特有の何でも見通すと言う力がある事を耳にし、事態は一変する。

彼も内心相当焦った筈だ。だがそれを表に出さず、触られたら最悪全て見透かされてしまうという事態も想定し、彼女に触れられないように努める。

実際の能力は、その人物のステータスを数値化された物と、特技。他にも弱点等の内部情報を見るだけで、白川の思惑や記憶までは見通せない。だが、それを知っているのはアリサと皆さんのみで、白川は相当恐怖した筈。故に、アリサが油断してくれる為に

「俺の負けでいいよ」

と言う他なかった。ポイントは、

「俺がやりました」

ではない所だ。これなら自白とも取れるかもしれないが、そうではなく、しつこいアリサに辟易し、駄々をこね、優勝を譲れ! と言った我儘幼女にわざと負けてやったんだ。仕方ねぇ。優勝を譲ってやるよ。と言う解釈をされる場合もある筈。それに、アリサの目的も、白川を犯人として捕まえる事ではない。実際は賞品を奪うのが最優先で、その口実だったのだ。それを何となく白川も気付いたのだろう。それに舞台上はカメラで録画されている事も知っている。

だから自白は絶対にする訳にはいかない。

それに、これはアリサが私欲でろくに考えをまとめる前に見切り発車で始めた推理ショー。

そう言い訳するには十分であった筈だ。だがそれでもあの場面では恐らく

「俺の負けでいいよ」

以外の逃げ道は無かっただろう。 

何と言う機転の良さ……そして、彼は最大の賭けに出た。その賭けとは、

「どんな人間でも生きていていいのか?」

と、言う子供にはキツ目の質問。白川も当然

「そうに決まってるでしょ?」 

と返ってくると思っていた。ほんの少し程度の時間稼ぎ程度で終わるのだろうと思っていた。それでも次の矢を放つ為に、苦し紛れでアリサの気持ちを揺さぶるつもりで言った言葉だ。だが、その言葉が意外にもアリサに刺さってしまった。そう、その言葉を聞き、斉藤隆之を真っ先に思い浮かべたアリサ。彼はアリサにとってはこの世界で唯一生きていていいと思えない人間だったのだ。その理由は幾つもあるが、今回竜牙に逆歯刀の話を聞き、自分の愛する男が死の淵に立たされた事実を知り、更にその想いは増していた。

奴の作り出したユッキーさえ無ければ、それを作り出した男さえいなければ! と言う事だ。一般的に現代なら人の命を人が奪っては駄目と言う事は当たり前だ。

だが時代が変わればその常識は無くなる。例えば戦国時代の様に人が人の命を多く奪う事が一つのステータスになる様な、それで英雄と呼ばれる様なおかしな時代もあるのだ。そんな時代に生まれた訳でも無い普通の幼女が……一人の男をこの世から消したい。とまで、思う事が出来てしまうのだ。

そこにつけ込み、アリサを責め立て、触られるという最悪の事態も回避。そして、畳み掛ける様に賞品をやるとアリサに持ち掛け、頭の片隅に残っていた万物調査を使おうという考えを失わせ逃亡する事が出来たのだ。

アリサも決勝の舞台でクラスチェンジを果たし、完全回復していたので余裕で白川にも使用できた筈なのだから。

常人なら、あの状況下で頭が真っ白になる。

そして、アリサの未知の能力を恐れ、狼狽するだけで彼女が圧倒的に有利だった筈。

だが、アリサは敗北した。例えるならそれは、洞窟に閉じ込められ、次第に薄くなっていく酸素にも動揺せずに辺りを観察し、髪の毛一本程の隙間しかない岩の割れ目を見つけ出し、そこから脱出の糸口を見出す様な奇跡に近い出来事を、自らの運と実力で引き寄せたのだ!! そう、それは彼が芸人で、アドリブの達人。

10年間の間、色々なシチュエーションの漫才やコントを幾つも創り上げて来た経験から見出した、たった一つの逃げ道。

例え困難な出来事がリアルで自分に起こったとて、俯瞰で捉え、まるで新ネタを考えるかのスタンスで、まるで仕事をしているかの如く最適解を導き出す事は彼なら容易だった筈。

彼のネタの作り方を思い出してほしい。ランダムで出て来るキーワードや、台詞の組み合わせの辻褄を合わせ、ネタにする様な無理難題を幾つも幾つも実現してきた超人じみた脳を持つ。それを応用し、実際に逃げ切る解を導き出し、台本を読む間も練習する間も一切ない中で動揺する事無く、脳内台本通りに演技をする事が出来たのだから……完璧に……正に【芸は身を助く】だ……そして、アリサだけでなく私も彼に敗北した。そう、彼はキツネの鳴き声の本質を見抜き、使い分け、私の的確な突っ込みを見事さばき、私の頬を真っ赤に染めてしまう程、博識な動物の鳴き声マスターでもあった。くそぅ思い出すだけでも忌々しい……! 結局彼は、お笑いのコンテストで優勝して獲得した賞品と引き換えではあるが、アリサの追及を逃れ、警察からの長時間の拘束を回避する事が出来たのだ。

そう、彼は色々な障害をくぐり抜け、更にアリサの万物調査までも回避出来たと言う点でも、運の値は七瀬を超えているのかもしれない。

アリサの知的探究心は尋常じゃない。それを諦める確率は、4のゾロ目を2連続で出す以上に難しい。

そこから逃げ切ったのだから、間違いない。

この機転の良さや、運の強さ。そこから推測するに、彼のスキルは、賢さと運の限界突破を所有している筈だ。

そもそもこの計画、決勝まで進める前提で練られた計画なのだ。それ以前に停電するかどうか実験し、停電する事を確認出来なければそこで計画は終了。更に本番当日に会場で前日起動台数のずれの確認が出来なければそこで中断してしまう危険性までもある。

そしてこれから犯罪に手を染めるという後ろめたい気持ちがある筈なのにそれに気負いする事なく、大勢が見る大舞台で、初見の画像のお題で大爆笑をかっさらい、機械を壊すまでの破壊力のネタを生む程の絶対のお笑いに対する自信、矜持。そして、土壇場で数多の運まで味方に付け、常人ではほぼ達成不可能に近い犯罪を成し遂げてしまった。

七瀬を超える運の強さ。そして驚異のアドリブ力。それを併せ持つ男。もし自身でもその運の強さを把握していて、それを有効利用して行っていた犯罪であれば、恐らく彼は史上最強の犯罪者であろう。まあ、その真実までは分からないが……これが、グレーゾーンのボケ担当の白川修の真の正体だったのだ! 私はスカウタァが治ったら真っ先に彼を見たいと心から思う。一体どんなスキルを持てばこんな男が出来上がってしまうのか? 純粋に知りたいからな。

 そして、彼を野放しにしてしまった事でこの先また何か起こってしまうかもしれない……杞憂であれば良いのだが……これは逃がしたアリサの責任だ。しっかり責任を取らなければならないのではないだろうか? 頑張って欲しいと思う。

そして最後に彼のネタの作り方は、ボイスレコーダーのランダム再生で出た台詞と、サイコロの出した舞台で作り出す事は既にご存じの筈だが、そんな作り方で10年も続いていると言う事実も、彼の実力だけでは説明が付かない。ランダムで出たお題を組み合わせて作っていると彼自身が思っていたネタも、もしかしたら彼の運の良さで、自然と面白いネタになる様な組み合わせを、笑いの神、勝福帝ツル・ベーが選定し、引き当てていただけなのかもしれない。まあ流石にそれは推測の域を出ぬがな……と、これが真相だ。完璧に推理出来た方はいるだろうか? まあこの真相が正しいとしても司会は生存していた訳だし、白川を殺人罪では捕える事は出来ぬ訳だが……せいぜい殺人未遂止まりであろうな。そして、私の仕事はここまでだ。ご静聴感謝する。ではさらば!

「ふーん、じゃあ事故なんだ……これからは気を付けてね? また興奮した時に我武者羅に走り回って舞台の端っこで変態ポーズで立たない様にしなさいね?」

「そうですね……気を付けます」

私の書いている小説です

リンク先はブログよりすこし進んでいます。先が気になる方はご覧下さい。

https://estar.jp/novels/25771966

 

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