magisyaのブログ

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私の行く先々で事件が起こる件について 27話

1階 売店

「あ。いらっしゃい! 久しブリブリのお客さん

私は猛狩増代もうかりますよ。何か買っていくの?」

ちょっぴり恰幅の良いお姉さんが声をかけてきた。

歳は20台半ば位か? 

エプロンと三角巾の恰好でにこにこアリサを見ている。

 

「ねえ、おねえさん。何で店員さんが

客にフルネームの自己紹介するの?

コンビニとかでそんな店員さん見た事無いよ?」

 

「ここはコンビニじゃないの

コンビニなんてあんなお洒落な所とは違って

うちはアットホームなお店を目指しているのよ。

お客さんは家族。オーナーの経営理念よ」

 

「へえ、都会のお店だから

そんな事してくるとは思わなかったわ

で、久しブリブリってなあに?」

 

「テンション上がっちゃって……ごめん

あなた小さいのに鋭いわね」

 

「ああ。そういう時もあるよね

でもね? 小さいは余計よ?」

 

 すると、ケイトがアリサの袖を引っ張りながら。

 

「アリサちゃん、なんかこのお店匂わない?」

くんくん。そういえば、臭い。

 

「ここはどんな商品を扱ってるの? そうだ!」

アリサは無言でレジを押す。

するとその下に、小さめの隠れユッキーが出てきた。

 

「あらららら。よく分かったわね。

これを見つけたのはあなたが1番目よ。

すごいじゃない」

 

 この店員、こんな傍にユッキーがいるのに

平気なのであろうか?

殆どのユッキーには何かしらの人体に

悪影響を及ぼす効果が付着している筈だが……

 

 実はこの女性。少し恰幅であるが

1ヶ月前に、ユッキーがレジの下に設置されるまでは

体重が49キロ位しかなかったのだ。

ユッキーが隠れているレジの傍で

働くにつれストレスのせいか食欲が異常に増して

94キロまで増量したという背景がある。

それとも? ユッキーの黒き魔力で

炭水化物やミネラル等の脂質以外の成分を摂っても

全て脂質に変換される魔力が込められてるのかもしれぬ。

 

 1ヶ月で45キロ増量とは、どう考えてもおかしいのだ。

だが、食べた物全てが脂質に変換されるなら納得いく

こんな前代未聞の嫌がらせまでしてくる。

 しかもうら若き女性にである……

ユッキーとはこの世にあってはならない物なのだ。

 

「へへーん! ちょっといいかしら? 

お姉さんはケイトに何か商品を勧めていて」

 

「わ、わかったわこれはね……」

 

「……撮去!」

パシャ キュキュキュキュ

 

 そう小声で唱えると、アリサは撮影した後に

ユッキーをマジックで塗り潰してレジを戻す。

その間0.2秒。その動作は凡人には

レジの前で右手で携帯のカメラを撮影し同時に

左手では数回ゆっくり動かしている様にしか見えない。

あまりの速さにそう見えるだけで

左手は数百回と動いているのだ。

そう、もはや肉眼で捕らえる事は不可能。

確実にレベルが上がっている様だ

若かりし頃、ぬりえの達人ぬりさちゃんと

言われていた頃の感覚を取り戻しつつある。

 

「もう、やめてよ……」

 

またも何かの声が……

しかし、これも誰にも届いていない。

 

「これは オーナーの顔を型取って作ったお煎餅。

おじいちゃんのべたべた焼き、クサヤ味よ。

オーナーの顔がお洒落でしょ?」

 

 どんな技術を使ったのかは知らないが

隆之の顔面が立体的に浮き出ている煎餅だ。

 

「え? お姉さん、このおせんべいに書いてある

こんな怖い顔の人がタイプなの? 

お洒落ってそういう事よね?」

 

煎餅の絵柄で初めて隆之を見るケイト……

だが、この男の危険さは、焼いた米の上に

濃い醤油で描かれた絵からでも

瞬時に察知する事は難しくなかった。

アリサ同様に、この男には何かがあると

本能的に察したのであろう。

そして、そんな男をお洒落と言う彼女を

不思議そうな顔で見ながら質問する。

 

「違うわよ、誰があんなもの。

セールストークに決まってるでしょ」

あんなもの扱いである。分からないでもないが。

 

「そうなの? でもどんなに上手にお話しても

このおせんべいだけは絶対に買いたくないなあ。

気持ち悪いし臭いし。それで、クサヤってなあに?」

聞きなれない言葉にケイトは思わず質問する。

 

「開いた新鮮な魚を、くさや液と呼ばれる

くさーい浸け汁に8時間から20時間程

浸け込んだ後に真水で洗浄し、天日に1~2日程干した

要するに結構臭いお魚の干物よ。

臭いはあれだけど美味しいのよ。

それを刻んだ物がお煎餅に入っているのよ。

これ オーナーの大好物なの。

くさや液は慣れない人は臭いかもしれないわね」

 

「へえこの煎餅、袋越しでもこの臭いか? 

開けたらやばいんじゃないか?」

と、ここでアリサはとんでもない事に気付く。

 

「ハッ、もしやあのじじい

いつもこれを食っているからあの口臭なのか。

生まれ持って臭い口臭に

更にくさやでドーピングしとったのかあいつ。

死ねばいいのに。いや、完璧に死ねばいいのに」

 

 そう、隆之自体生まれ持った体臭が10として

くさやでのドーピングで臭値が20になるとしよう。

因みに臭値とは私が発明した言葉で

これが1で納豆程度の臭いと言う事にする。

だから

その20倍の臭いを鼻が耐えなくてはいけないのだ。

常に嗅覚を研ぎ澄まして生きているロウ・ガイが

吐血したのも納得いく。

アリサは特に意味は無いが

持っている煎餅に全力の力を込め

こっそりと4分に1に割ってから増代に返した。

 

「オーナーは死なないわ、私が守るもの。

オーナーはああ見えて臭い物が大好きなのよ」

煎餅を棚に戻しつつ、おかしな事を言う増代。

 

「ああ見えてってあんた……

意外性があるシュッとした人ならまだしも

あんな怪物見たまんまでしょ?

それにしてもエヴォの網波レイの

名台詞なんか使ってあんな怪物を

フォローするとは雇われは大変ねー」

 

「君、痛いとこ突くわね。

彼は臭い物好きがエスカレートして

独自のルートで色々な臭い物を仕入れてるのよ。

類は友を呼ぶよね。あれ? ちょっと違うかな?

そして自分で、これは! と思った物を

加工する工場も建てているのよ。

そこでは、シュールストレミング

イチゴ味、梅干味、抹茶味など生産中よ

臭いの『通』達には売れ行き好評なのよ」

 

シュールストレミング?」

 

スウェーデンのニシンの塩漬けらしいわ。

世界で一番臭い食べ物だよ。

缶詰に入っていて、出荷された後も発酵が進んで

少しずつ缶が膨らんでくるのよ。缶が膨らむ程に発酵し

内圧が高くなった缶を開けると

開封時に「臭気ガス」と「エキス」が周囲に飛散して

悲惨な結果になるから

開封時は缶を冷却し、水中で開封するのよ」

 

「飛散して悲惨な結果にねえ、なかなか上手いじゃない

お姉さん駄洒落のセンスあるわ」

アリサは駄洒落には厳しいが

良い物は良いとしっかり褒める。

 

「そ、そう? なんか嬉しいわね。

そうだ! 一缶お試しで食べてみる? 

安くしておくわよ?」

 

「え? そうなの? でもそういう面倒臭いのは

食べたくないわ。臭い上に食べるにも面倒臭いんだね

そのシュルレアリズムっての」

 

「惜しいわ。でも間違え方に気品が感じられる……

あなた何者なの?」

 

「私はただの○○小学校推理クラブ副部長よ?

それにしてもこんな臭いのきついお店で働いていて

彼氏さんとかに嫌がられない?」

 

「そんな人は私には居ないわ。くさやが彼氏だもの」

リアクションに困る事を言う増代。

これ以上の追究は意味がないと悟り

話題を変えるアリサ。

 

「ねえ増代さん、アイスクリームとか置いてない?

私、身体が熱いの。クールダウンしないと」

ここで当初の目的を思い出した。

 

「そうね、アイスと言えば……あ、そうだわ! 

くさやの魚肉入りのアイス

ブリブリ君くさやソーダ味があるわよ

お値段一本4円よ」

汚い名前だが異様に安い。

 

「何故混ぜる必要があるの? 

しっかし安いなー。今の持ち金でも60本買えるよ。

ここは冒険で一本だけ食べてみようかな? 

魚とアイスの禁断の融合。興味があるわ」

 

 これは、隆之が一般の人にも

臭い物に触れて貰おうと

アイスはこの時期需要が高いのもあり

採算度外視でこの値段にしている。

その策略に今アリサは引っかかろうとしている。

ところが。

 

「駄目よ、女子がブリブリ君なんてお下品な物食べちゃ。

うーん! えい!」

 

 このお話の中で、唯一まともで高貴で美しい

女の子であるケイト様が、アリサの冒険の書を消す。

♪でろでろでろでろでろでろでろでろでん↑でん↓♪ 

何処からともなく小さい頃に聞いた

トラウマが蘇って来そうな音楽が響く。

いや、ケイトの体からではないだろうか?

 

「ん? あらら? ちぇっ、もっと冒険したかったなあ

まあいいかケイトちゃんやるわね」

何が起こったのだ? アリサが急に慎重になりだした。

 

「わ、私も夢中でやって何とか出来たのよ。

自分でもびっくりしてるもん」

 

 ケイトの謎のスキル発動で

アリサが冒険する事は無くなったようだ。

 

「あらお気に召さなかったようね。

じゃあこれは? 隆之見大福たかゆきみだいふく

くさやの肉を練りこみ

茶色く変色した美しい餅にはオーナーの顔を

プリントしてあるわ。

中にはニラバニラが入っていて美味しいのよ

これはちょっとお値段が高くて2つ入りで

10円もするんだけれど……あっこれもあるわ

これもいいのよ。巻き○ソフトクリーム

コーンチョコレート味よ、これは5円ね」

 

 色々突っ込みどころが多いが、一つ言える事は

彼女はあちら側の人間で、隆之をある程度

慕っている様だ。元々スリムであったのに

ユッキーのせいで激太りをしたと言うのに

この女性、どこまでお人よしなのだ……

 

「それはアイスくさや大福でしょ? 

隆之見大福なんて吐き気がする名前なんか駄目よ!

お餅の表面に臭そうなゴミが書いてあるし

パッケージも汚すぎるゴミが描いてあるわよ

消去しなくちゃ売れないわね」

 

「そう?」

 

「それに……どうして余計な物を足すのよ……

ニラバニラって……バニラににらを混ぜたの?

絶対悪意あるわ。

そのソフトクリームなんか

消化不良のトウモロコシの入った

巻き○そ持って歩いているみたいじゃない!

リアルすぎるわ!」

 

 ソフトクリームは、普通の

チョコソフトクリームの様だが

コーンがリアルすぎて食べる気にはなれない……

しかし、何故商品の殆どが臭いに執着してるのだ?

これは推測だが隆之の体臭は

奴の幼少時代にいじめられる

原因であったのかもしれない。だから

 

「世。界、中の人間が。

私と同、じ臭いになっ。てしまえ、ばいい」

と言う思いから、臭いに拘っているのではないか?

 

「うーん欲しい物も無いし

とりあえず買い物終了かなあ? 何も買っていないけど

お姉さんごめんね」

 

「いえいえ。また来て下さいね」

笑顔で手を振る増代。

 

「じゃあパパを探すの手伝ってくれるのよね?」

ケイトがアリサの手を引っ張りながら言う。

 

「そうだったね。じゃあいこ!」

 

「うん! アリサちゃんと一緒に居ると

なんか心強いよ!」

 

 売店で、オーナーの臭いの秘密と

副収入の入手先が分かったアリサ。

そして、漠然とながらアリサは感じてきている。

このホテルは、ここ元来の正しいスタイルと 

斉藤隆之によって新たに作り出された

二つのスタイルが混在しているという事を。

 

 前者は、お洒落で気品があり、このホテルの

本質とも言えるスタイル。

 

 後者は、薄っぺらい自己顕示欲を満たす為だけに

プリントされた隆之の加工された顔写真。

そして臭いを強調する売店の品々。

そして隆之本人が作ったといっていた遊戯室。

ほかにも探せばあるのだろうが

少しずつ、何かを掴めそうな感じがあるのだが

まだ明確ではない。

一体このホテルは過去に何があったのだ?

 

 元々気品があったホテルが

斉藤隆之によって少しずつ汚されている

という気がしてならないのだ。

しかし、ケイトの事もある。そんな思いは一旦忘れ

とりあえずレセプションに戻り

女の子を探している人がいるか尋ねる。

 

「すいません、迷子の女の子要りませんかー?」

レセプションのお姉さんにアリサが話しかける。

 

「ちょっと、アリサちゃん! 何て聞き方しているの?

奴隷商人の生まれ変わりなの? アリサちゃんは」

 

「そうだけど……どうして知ってるの? 

ケイトちゃんまさか占い師?」

 

「今の言動から推理したのよ」

 

「へえ、名探偵ケイトちゃんの誕生ね! おめでとう

さて、ユッキー探そっと。お姉さん

カウンターの下見せてね」

 

「あらあら、ばれちゃったみたいね。

小さいのにやるねあなた。

ここまで探す人は滅多に居ないから

嬉しくなっちゃうわ」

 

「へへーん。

悪の臭いを追跡する能力は人一倍あるんだ

でも私ね? 全然小さくないんだよ?」

 

「悪??」

 

「ああこっちの話。何でもないよー

お姉さんはそっちの子と話しててね」

 

「そう?」

 

「お前は隠れユッキーの名の通り、永久に

この漆黒のインクの裏に隠れていろ! 撮去っ! 」

 

 カウンターの下、受付のお姉さんのスカートの中を

覗き放題のユッキー。これは念入りに消さなくては! 

カウンターの影で薄暗くなっているので

携帯のライトを付け撮影。

そして、マジックで完璧に塗り潰す。

パシャキュキュキュキュ

 

「もう、いやだよ……」

 

何かが悲しむ声が響くが、だが、誰も聞こえない。

しかし、こんなにマジックが大活躍する

お話が、これまでにあったであろうか?

 

「任務完了っと」

 

こいつの被害は何だろうか?

お姉さんの様子を見ても何もおかしなところは無い

無害なユッキーも存在するという事なのか?

 

「で、あなたのお名前は?」

受付がケイトの事を聞いているようだ。

 

「ケイト、東 京都です。

探している人は居ませんか?」

 

「東さん? そう言えば

私と同じ名前の女の子知らないか? って

尋ねて来た男の人がいるわね。

どういう意味なのかしら?」

 

「あっそれなら私わかります!」

ケイトが何か閃いたようだ。

 

「実はうちのパパの名前

東京都あづまきょうとって言うんです。

それで、漢字で表記すると私と

全く同じになるんですよ」

……子供と同じ名前にしたがる父。

アリサは過去にこれに似た話を聞いた気がする。

 

「成程ね、それで父親と同じ名前の女の子って

聞いた訳か……あれー? 何かちょっと前に

ロウ・ガイからもこれとよく似た様な話を聞いた様な

聞いていない様な? まあいいか」

 

「アリサちゃん? ロウ・ガイって何?」

 

「5階の廊下で知り合った爺さんよ。

色々なスキルを持っているのよ。例えば

アブラカタブラ

ルータアズラナカハルータアクヨノンモケポイダョシ!

って唱えた後に、ダーツの矢を

的の真ん中に命中させる技とか

その後飛び散った物を何処に飛散するかを制御出来る

エロイムエッサイムイタミンモエラドハタカイイノ

ーザーレグンミーホノコリノノータスバンガノボロパス

とか、腕の筋力を高める

マハリクマハリタ

コッビチノキトタイナハノイワコモトッモ

一度味わった物を忘れずに

寸分の狂いもなく再現出来るスキル

パーフェクトテイスツとか

足の筋肉を増幅させる呪文の

テクマクマヤコンイイチモキ

ハノルシハヲチミイナツトヒシイコデシダハ

とかの使い手よ。色々ハイスペックな爺さんなのよ。

後、あの筋肉質の体、武術の心得があると見たわ」

 

「へえーすごいおじいちゃんだね。

一度会ってみたいなあ」

 

なんとアリサは、ダーツの時と

天井に向かってブラックカレーボールを投げた時に

使った呪文と変装を解いた時にロウ・ガイが

唱えた呪文を一度聞いただけで

寸分の狂いもなく再現しだしたのだ。

ロウ・ガイのスキルがパーフェクトテイスツなら

アリサはパーフェクトメモリーと言った所か?

 

「お客様、お父様がいらっしゃいましたよ」

アリサとケイトに受付が知らせる。

 

「ケイトー! ああ良かった。無事だったみたいだね。

近くの交番でケイトの写真を見せて

探して貰っていたんだけど、やっぱりホテルにいたんだね? 

そちらのお嬢さんが連れて来てくれたの?

小さいのにしっかりしてるねー。

どうもありがとう。はい、これ少ないけどお礼ね」

 

ケイトの父、東京都に1000円を渡される。

「どういたしまして。ですが、小さいは余計ですよ?」

 

「アリサちゃんありがとうね。そうだ! 

パパーあれやってよ」

 

「ん? そうだなお友達にも見せてあげよう」

 

 ケイトのパパは、彼女を肩車する。

更にケイトが肩の上に立ち上がり

両手を真上に伸ばし、手を合わせる。

塔の先端をイメージしているのだろうか?

合わせた高さは多分約3,33メートルになる。

そして一言。

 

「スケール100分の1のミニ東京都タワー完成!」

 

 二人の東京都による、東京都タワー

アリサの前に完成する。

バランス感覚が優れているのか全く動かない。

そしてケイトは嬉しそうに辺りを見下ろしている。

 

「すごいバランスねケイト

あらあらパンツ丸見えじゃない

あっ、イチゴ柄だ! 

アリサもイチゴだよーオッソローw」

 

 服の柄とパンツの柄が同じ事を発見し、喜ぶアリサ。

ふむ……素晴らしい眺め……! これぞ役得である。

……おっと語らねば

 

 皆さんもお分かりだろうが、ケイトの下着に輝く苺と

アリサのワンピースにへばりついた苺柄では

価値は全く違う。どれ位違うかと言えば

例えるならばあまおうと野いちご位に

差があるのではないだろうか?

人間で例えるなら国土交通大臣と私の元後輩の

アルバイトの鈴木貴位の差である。

 

何? 何を言っているか分からないだと?

フフフw

それはまだ若いから分からないのであろうな。

いずれお主も分かる時が来る。

 

 ぬ? ただのスケベ親父じゃないかであるだと?

フッ、何とでも言えばいい

ただ私は、ケイトからは一円たりとも貰っていない。

要するに金で言わされている訳ではない

私の本当の心の底から言っている真実なのだ

それだけは、それだけは信じて欲しい!!

 

おお……信じてくれるか! ありがとう愛している。

 

「え? アリサちゃん! 変なとこ見ないでよぉ

……でもいいの、ここにはパパとアリサちゃんと

受付のお姉さんしかいないし……

それに、ここまで読んでくれた

読者さん達へのサービスって事にもなると思うの♡」

 

 ちょっと顔を赤らめて

読者と言う謎の言葉を言うケイト。

はにかみながら頬を紅潮させる姿も最高に……美しい。

 

 これが小説でなく漫画であれば成立する会話なのだが

私が如何に巧く語ろうが読者達には全く見えない……

脳内で補完するしかないと言う事か……

まあ、このお話をここまで辛抱強く見続けてくれている

数人の読者諸君ならば妄想力には長けている

強者しか居ない故に既に頭の中で

ケイトの麗しい姿を完成させているのであろうな。

 

 それに、もしこれが

漫画化する事になれば妄想する事もなく

ケイトの眩いばかりの宝物(下着姿)を拝む事も

出来るかも知れない。期待してほしい!

……ただ、少し前にゴキブリが

アリサのポケットに入ってしまうシーンや

照代が口から血を噴出するシーンを語ってしまった。

それに全体的にキャラクターの台詞が長過ぎる為

一コマに収まり切らない可能性もある。

 

 そして、最大のポイントは、斉藤隆之や

ユッキーと言う化け物を

漫画で描き表してしまったら、その読者全員と

筆者本人にも命の危険が訪れてしまう。

だから、漫画にする場合は斉藤隆之や

ユッキーにモザイク処理を施して

顔を見えない様に加工しなくてはいけない。

そんな面倒な事は出来ない

だから漫画化などは既に有り得ないと諦めているのだ。

 

「そうよねー意外とケイトちゃんって

サービス精神旺盛なのねー

よかったね読者さん達……って読者ってなあに?」

 

「えっ? 何かしら? ケイトも良く分からないわ。

何言っているのかしら私?」

 

「ま、まあいいわ。良かったねお父さんに会えて。

じゃあ、私はこれで」

 

「うん、じゃあねー」

 

「よし、30階の運動場行くか」

エレベーターに乗り込み30階へ

 

私の書いている小説です

 

https://novelup.plus/story/200614035

 

https://estar.jp/novels/25602974

 

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