magisyaのブログ

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真の優勝者決定

「と、まあこんな話だ……?」

「wwwww」

「おいテメエ! 何笑ってやがる? すぐさま死ねよ!」

「健やかに真っ直ぐに生ぎたい!! ご、ごめんw真面目な話の最後に、みそは耐えられなかったw」

「まあ言われてみればそうだな……だがネタでもねえ所で笑われるのはイラつくな……まあ下半身が地面にめり込んでるようなガキだ。しょうがねえ許してやらあ」

「ちゃんと出てるよ!!」」

「ふう、疲れたぜ……だが断っておくが、それでも俺はあいつを殺してはいない。そこの所はしっかりしておきたいんでな。それに証拠が一切ないよな!?」

「ふうん、これでも殺すつもりがないってのはお人好し過ぎるわ。妹さんが自殺未遂までしたんでしょ? もう確定的に明らかね。でも最後のみそおおおおおおって何?」

「あいつの名字だ。味噌って言うんだ。忘れちまったか?」

「そうか……でも何か間抜け」

「いわれて見りゃそうかもしれん」

「ねえ、白川さん? もしよかったら最後の叫びの部分、味噌から轟に変えて言ってみて?」

「何でだ?」

「そっちの方が迫力がある」

「必要か?」

「必要」

必要ではない。

「では……こほん……と、轟きいいいいいいいいいいいいいい!」

「す、凄い……やっぱり迫力が違うねえ。それにこのやり取りで文字数稼ぎまでできちゃったし。一石二鳥ね♪」

「文字数稼ぎ? 何だそりゃ?」

「しらない」

「そうか」

お、おおおおそういう事だったのか……アリサはこの小説の為に文字数を増やす事を覚えたのだな?

私は一度もその技術をアリサに教えた事はないのに、彼女自身でその道を開拓し、正しい道へと歩いて行ってくれている……私は感動してしまった。

「でもこの迫力……これでもう白川さんが犯人って言うのは揺るぎないわね? 間違いなくやっているわ。刑事さん捕まえて!」

「何でそうなるんだよ!」

「乙女の勘よ!!」

「滅茶苦茶だなこりゃ……よく考えてみろよ。俺はあいつに決して触っていない。勝手に落ちただけだ。

これで殺人罪になるのかよ?」

「確かにそうです。司会のジャケットはレザージャケットで、もし軍手などで触れたとしてもその跡がくっきり付くような素材で、それでも指紋どころか軍手の跡すら付いていないとの報告でした。舞台上の方も全員調べましたし、物的証拠がない上に、今までの話はほとんどアリサさんの言いがかりです。

彼の優勝が確定して、それを止めるようなタイミングでマイクを奪って始めましたよね?

まるであなたの私欲で、白川さんが受け取る筈の賞品を自分の物にする為に始めた推理ショーの様に感じましたし……確かに根負けして自白みたいな事は言ってました。ですが、彼は、

「俺の負けでいいよ」

としか言っていませんよ?

自白と取っていいのか難しい問題です。これだけで捕まえる事までは出来ないかもしれないですよ?

それに初めて聞きましたがアリサさんの人の事を見通す不思議な能力の話を信じて、弱気になって嘘の自白をしてしまった可能性もあります。

これだとちょっと話を聞いて釈放って感じになるかもしれませんよ?」

何故か白川の肩を持つ竜牙。

「ほう、この刑事さんは話が分かるじゃねえか」

確かにそうだな……突然犯人は白川だ! と、マイクを司会からひったくり叫び散らす行為は、見た人間に良い印象は与えない。

「でもリモコンの……」

「それも彼がリモコン操作している所を目撃でもされていない限り駄目だと思いますよ」

「それに俺が笑いを取って、停電するかなんて誰にも分からんだろうが! 狙って停電するまでの電力を消費させるなんて事は俺には出来ねえよ。全て偶然なのさ」

「でも、出来なかったらそれまで、出来れば実行するって意気込みでこの計画を実行したとしたら?」

「そんな分の悪い賭けなんかしねえよ。この大会は年に一度しかねえんだぜ?」

「それでもそれに賭けた。年に一度しかない大会のどんなルールかも分からない予選を難なく勝ち抜いて、決勝の前に冷房を全開にして、あのタイミングで大爆笑を取り、あの大きな機械を作動させて停電させる。で、暗闇に慣れる為に目を閉じておき、暗くなったら真っ直ぐに司会に近づいて、触る以外の何かをやって落とした。

意図的にね……これが私の考えに変わりは無い!」

「またそれか……触る以外の何かって何だよ」

「今はまだ分からない。でも、そこさえ分かれば犯行は十分に可能よ」

「ちょっと待って下さい! 白川さん何で一回戦の前半は黙っていたんですか? 大爆笑を取るなら最初からネタ披露して顔を覚えて貰った方がいいと思いますよ」

「ああそれは簡単よ。鎌瀬さん覚えてる? 私達が休憩している間、会場のお客さんは、途中停電があったけれどプロの芸人のネタを一時間も見ていたのよ。そのプロ達はドッカンドッカン笑いを取っていた筈よ」

「それがどうしたって言うんだい?」

「白川さんはその温まったお客さんが、決勝1回戦の序盤で、電源が落ちる程の大笑いは起こせないって判断したのよ。

それで1回戦の前半は動かなかったの。実際起きなかったし」

「あっそういえば! 酷いよね、ここの運営。素人も混ざっている挑戦者達が、急に出されたお題に答える様なネタをやる前に、しっかりとネタ合わせしたプロの芸人の漫才を一時間も見せるなんてさ」

「そうよね。後、私達のネタを見て無理な様なら白川さんが動き出すって計画だったのかもね。

決勝の8人の誰かがブレーカーを落とせる程のネタを言えばいいだけなんだから、白川さんが無理にネタを考える必要性は無かったのね。

でも、そうもいかなくなったのね」

「ど、どういう事ですか?」

「それは、私の20000ポインツのネタでもブレーカーが落ちなかった事よ。そこから焦り始めて、白川さん自身も動き始めたという考えが自然ね。

流石にそこまで微調整は出来なかったみたい。結構大きめの笑いが起きなければ停電しない様に設定したんだと思う。

恐らく私の20000ポインツってのは20000人分のポインツだと思う。今満員の3万人位が入っているから、あのネタで会場の3分の2のお客さんに認めて貰ったと思うんだけど、白川さんの、停電した時のネタは、表示される前だったけど、私以上のポイントが表示された筈よ。その前に壊れちゃったからその真実は分からないけどね」

「そんな……なんて事だよ……あの土壇場で、停電の事を考えながら、アリサ兄さんの上を行く得点を取ったってのかよ……芸人としての格が、違い過ぎる……」

膝から崩れ落ちる鎌瀬

「ハッ!! 鎌瀬さん買い被り過ぎだぜ? そんな事ねえから安心しなよw俺はただの普通芸人だよ。

どう考えても長さといいクオリティと言いこのチビの面白い☆☆☆3連星ネタのが上だ。

考えても見ろ! 一年に一度しかない大会の決勝で、本気で競技に臨みつつ、同時にあらかじめ暗くなる事を想定し目を瞑って置き、偶然大爆笑を取り、その時の機械の作動電力でブレーカーが落ちて偶然停電が起き、その後すぐに司会の所に歩いていき何かをやって落とすだあ? マルチタスクにも程があるだろ! バカも休み休みに言いやがれ」

「そ……うだよ。そうであって……ほしいよ。

だってこのアリサちゃんも化け物だし、白川さんもそれに似たような化け物なんて……僕は、エリートだと思っていたのに……余裕で優勝できると信じ込んでいたのに……」

「残念ね。世界は広いのよ。この私よりも上の人もいるんだし」

「ああ宇宙言語を全部マスターしようとしているっていう子か……ググッ……ウッ……ガッハァアアア」

吐血する鎌瀬

「あんたと司会との因縁話。あんな事されて全て許した? ちょっと考えずらいわ。 

これは聞いていないし想像だけど、あんたの笑いをのスタイルをあいつにくたされた。

だからこの観客の中で、自分の定めた規定値までの笑いを取るが出来なかったら、司会の言う通り自分の実力不足を認め、その殺人は起こさない。そう決めていたのよ! これはあんた自身との心の誓約。だから大爆笑を取り、停電になった瞬間にあんたは【許された】と判断し、実行した訳よ。心置きなくね」

「ハッ!! まーた想像かよ……全く感性豊かなチビだぜ。芸人は人を笑わせるのが仕事だ。殺人が仕事じゃねえ!」

「でも思ったんだよね? テレビであの司会が死んだニュースを見た妹さんは、司会の呪縛から解放されるって、新しい恋愛を、そして、新しい芸の道を歩み出してくれるって。そして、元の元気で面白い妹さんが戻ってくれるとね」

「はあー、水掛け論だな。一向に進まねえ。分かったよ。ちょっと可愛いが、飛んでもねえ言いがかり娘だったぜ。

……そんなに賞品が欲しいならくれてやる。そうだろ? それ目当てで言いがかりを付けたんだもんなw

それで許してくれるな? じゃあ俺はもう帰るぜ?」

「本当? それに可愛い!w?♡言ってみるもんね! 司会さん! 白川さん優勝辞退するって♪可愛い私に賞品を下さい! 全て」

変り身の速さよ……刑事っぽいアリサからもう素の小学生に戻っている……やはり彼女の目的は賞品のみだったという事か……しかし、アリサは幸運1なのに、こんな幸運を手にした。

あの言いがかりで、優勝出来なかった運命を捻じ曲げたのだ!! だがその反動で後で恐ろしい事が起こらないか心配になってくるな……

「いいんですか?」

「しゃあねえよ……このチビの「許さねえ」は、本当に怖え。大人の俺でもビビっちまったぜ。じゃあ俺は帰る」

舞台から降りようとする白川。

「ばいばい」

何という事だ……白川が受け取る筈の賞品をアリサの物にしてしまった。

「ちぃょよっぅつぉむぁつぃぬぁすぁい」

ぬ! 蘇我子が怒りながら何か言っているぞ早速翻訳せねば……

訳「ちょっと待ちなさい」

「ん」

白川もその声で階段の途中で停止する。

「はい? あ、蘇我子さん!」

「くぉるぅえうぁづぉうゅゆぅぅくぉつぉぬぁぬぉ? くぉぬぉくぉうぁぅゅゆぅしぃぃうしゅうぁぬぃぅふぅすぁすぃくぬぁいうぁ?」

訳「これはどう言う事なの? この子は優勝者に相応しくないわ!」

「うぇ? ぬぁ、何を言っているのでしょうか?」

おや? 彼女は先程蘇我子としっかり意思疎通出来ていてお題を受け取ったと思っていたが、どうやら違った様だ。そう、今まで蘇我子の言葉を一切理解せずに感覚でやり取りしていたという事だ。確かに女性はコミュニケーション能力が高いと言う。だが、ここまで感覚で応対出来るとはスゲエ―なあ。

「でももうすぐ白川さん帰るし。受け取れるのは私しかいないの! 分かった? 蘇我子?」

「ぬぅぅぅぅぅ」

ぐぅぁくっ、スィィョンヴゥォルルィィィ

しょんぼりと落ち込み席に帰っていく蘇我子。すると? 

「あのーすいません」

「ん?」

「竜牙さんの後輩の刑事さんね?」

「何か用ですか?」

「実は暗闇の時の映像が見られるようでして、持ってきました!」

「何だって!?」

狼狽える白川。

「そういえばこの会場の様子録画してるんだっけ?」

「そうです」

「でも停電の時もカメラは動いてたの?」

「そうですね、内部にバッテリー積んでますから。テレビ局の本格的なカメラですよ」

「そうか、で、それをテレビでその様子を流すんだったっけ? あっ! じゃあ司会のお漏らしシーンも残ってる訳か」

「そうです」

「じゃあ生前の司会の事をテレビ紹介する時、「これが生前の司会です」ってあのお漏らししている瞬間のシーンがを使われるのね……胸が熱くなるわ……!」

「どうしてそうなるんですか? そこだけは絶対に使いませんよ……不謹慎な……でもこれで詳しい所を見られますね」

床に散乱した血液を拭きながら怒る鎌瀬

「じゃあ見てみよう」

そして、刑事の持つタブレットでそのシーンが映し出される……が、黒い画面にアリサの顔が映るだけ。

「期待させておいて……ん?」

 舞台を斜め上から見下ろす形で撮影された映像の様だ。

舞台の縁には、うっすらと蛍光灯の様な物が淵に並んでいて、暗くても舞台だと分かる様になっているが、その上の縁付近でも、蛍光マーカーの様にうっすら光って浮いている2つの物が見える。二人とも右腕にその光る物が付いている様だ。

「うっすら光ってるのは多分腕章ね。蛍光塗料が塗ってあるみたいで、そこだけ光って見えるわ。数字は……見えないわね……あっ! 司会も腕章を付けてるね。その後ろに居る犯人らしき人物も司会と同じ位置に腕章があるって事は、同じ向きで並んでいるって感じかなあ?」

画像は動いているが、二人は一向に動かない。当然暗闇のせいで顔ははっきりしないが。すると……

「あっ! 急に司会が飛び降りた! 私が見た通りだよ。本当だったんだ!! で、犯人らしき後ろの人は、焦る事も無く選手の立ち位置の方に戻って行っているわ。何で急に飛び降りたの?」 

「これで完全に分かったな。あいつが勝手に飛び降りたって事がさ! 後ろの人物が例え俺だとしてもな。まあ俺じゃねえけどな」

「でもこの人は何であんな所に行く必要があったのよ」

「さあな? 大方暗闇で混乱でもして、やみくもに移動していたら、偶然あそこに行っちまって、偶然司会が居たから、あっすいませんって感じで戻って行ったんだろうなw」

「そんな事があり得るの? 暗いのに躊躇いなく真っ直ぐ動いている様に見えるけど……」

「そうなんじゃね? 可能性はゼロではないよな? それ以外何がある? 説明して見せろ! 暗くても良く分かる。この影の人物、司会を押す訳でも叩く訳でもねえ、明らかに殺意らしい物は無い感じだぜ?」

「そ、それは……」

「諦めろ! じゃあな、チビ。俺は帰る!」

そう言い残し、堂々と舞台から降りていく白川。

刑事も、周りのスタッフや選手達も誰一人彼を止める様子はない。

「ちょっと逃げちゃうよ? 犯人」

「……」

無言で首を横に振る竜牙。

「すうううううううううううう」

ぬ? アリサ?

「絶対に諦めないからな!!!!!!!」

クッ、突然大きい声を出すでない!!!

「wwバイバイww御為倒おためごかしのお嬢ちゃんww」

「ハァハァッ……おためごかし? どういう意味? 最高に可愛いって意味かしら? まあ後で一分以内に調べて見よっと」

こうして釈然としないながら大会は終了した。しかし、賞品を貰っているのに、白川を捕まえようとしていたな。

その事はすっかり忘れ、悪を退治したいと言う気持ちが先行してしまった様だ。

「ゆ、優勝は4番が棄権したため、6番の鏑木アリサさんに決定しました!」

-------------------------End of battle------------------------

Alisa win? 55経験値獲得! 1000000YEN獲得!

Item drop! One year's worth rice and TV appearance right with Syuzo Matutani

アリサは約束通り、賞品の米と賞金100万そして松谷修造とのテレビ出演の資格を獲得した。

「うおおおおおおめでとおおおおおお」

「フンガーフンフンフンガー!」

「やるじゃないか面白かったぞおおおおお女の子おおおおお」

「グレーゾーンの白川も面白かったぜえええ!」

観客は歓声と拍手を送る。

「そうだ! お米花咲米とだまってい米どちらにするんですか?」

「そうねえ」

アリサはぜいにくんの絵が描いてある方を前にしてカバンを顔の前に持ってくる。そして……

「おい俺のぜいにく! どっちで仲間を増やしたいんだい? 花咲米なのかい だまってい米なのかいどっちなんだい?」

「さあ選んで下さい」

「ふむ。花咲米は、その炊き上がりの香ばしさと歯ごたえは筆舌しがたく……黙ってい米は炊き立てでも美味しいが、冷めても独特の風味を残し、私の舌を楽しませてくれる……故に……どっちもー」

「駄目ですよ!」

ドドドッ 会場が盛り上がる。

「えー」

(あれっ? うけた♡嬉しい!)

「本大会第1回優勝者の中村ぜいにくん本人も、この優勝インタビューでこのネタをやってまして、ものすごく盛り上がりましたが、それでも片方しか貰えなかったんですからね! 実はあのネタをぜいにくんがやった事が切っ掛けで2種類の米の選択式にして一種類しか貰えない様にしたんですよ。

当初は2種類全てあげようって話だったんですが、運営がぜいにくんのネタを見てから片方にした方が面白いのでは? って話になりまして」

「へえ」

「2代目以降の歴代優勝者も、お約束な事なので初代王者の真似をして先程の件を行い盛り上がっていました。6番のアリサさんは、その事はご存じなかったにもかかわらず、しっかりと伝統を引き継いてくれました。

もう10回目になる優勝者限定の恒例行事です。皆様! 優勝者に今一度拍手お願いします!」

パチパチパチ

「うそー! そんな秘密が? なかなかいいセンスじゃん!」

「で? どっちですか? 決められないのであれば花咲米にいたします」

「はーい」

こうしてボケ人間コンテストは幕を閉じた。

 

私の書いている小説です

リンク先はブログより4話ほど進んでいます。先が気になる方はご覧下さい。

https://estar.jp/novels/25771966

 

https://novelup.plus/story/457243997

https://ncode.syosetu.com/n1522gt/