「凄いのねあなた。じゃあお願いするわ。でも今回ばかりは本当に人生諦目る所だったもの……でも男さおと目真琴! 目げる訳にはいかなかったわ。
こんな姿見られたら、修様に笑われてしまうもの……」
「あなた女の子でしょ? でも真琴さんって言うのね? 男の子にも女の子にも使える響きねー。でも早乙女さん? 修ちゃんはそんな事で笑わないよ。励ましてくれる絶対に」
「そう? でも修様って言ってね? 完全に間違っているから。それで、真琴って名は自分で改名したの。本当の名前は、真由美って付けられた。でもしっくりこなくてね……響きも嫌い」
「え? 改名ってそんな簡単に出来るんだ」
「そうね2000円位で出来たわ。そして1か月位待ったら新しい名前になれた。本当の私にね……!」
「へえ、でも親に申し訳ないと思わないの?」
「そうね」
「そうなんだ、色々あったのね……」
早乙女の顔をよく見ると、瞼の中央に、縦に破られた傷があり、それを糸で縫い合わせた様な跡が残っている。
目玉が、飛び出す時に瞼を破って出てきたのだ。恐らく目をしっかり閉じていた時に飛び出したのだろうな……うう……生々しい……
全身の筋肉を鍛えているだけあり、目の飛び出す力も常人のそれではなかったという事で、その激しき勢いで、破れてしまったという事か……
そう、前回の話になるが、とある方法でホテルの運動場の天井に引っかかっているボールを取ってくれた人がこの早乙女で、そのボールにはユッキーと言う化け物の絵が描いてあった。そいつに近づいたり、見たり触れたりする事で、人体に色々な被害が起こっていた事は多数確認されている。
それを取った後、すぐに返せば、触れた事で手の指の爪が一つか二つ剝がれる程度で済んだのだが、その前に自分の顔に乗せ、バランスを取るというありえないパフォーマンスを行ったのだ。
その後遺症で、右目と左目が入れ替わったと言うらしい。恐ろしい症状である。
その時に破れて、現在縫われている傷跡が克明に残っている瞼を、アリサは治せるという口実で、彼女の能力を見ようとしているのだ。彼女は好奇心旺盛なのだ。
「じゃあ頼むわ?」
早乙女は少しかがんでアリサの治療を待つ。
「はいっ!」
アリサは手をおでこに伸ばす。
プルプルプルプル……
「クッあと少し……」
タッチ!
ふくらはぎが釣る寸前、横っ腹の筋肉が伸び切る寸前で、何とか、そこに、届いたッ!!
「え? 何でおでこ? もう少し下よ?」
「大丈夫だって、これで治るの!」
平気で嘘を突く。
ブゥン
サオトメマユミ LV25 ♀ 桜花ジャパンリーダー
力 660
素早さ 245
体力 480
賢さ 25
運 85
HP 33 /960
MP 50/50
攻撃 660
防御 650
スキル
格闘マスター
体操マスター
☆ ビノレドアップ 消費MP10
☆☆斬鉄拳 消費MP3
☆☆針闘気 消費MP5
☆☆☆物理反射【硬】 消費MP25
☆☆☆力限界突破
☆☆☆体力限界突破
☆☆☆霊視
満腹値 60/100
状態異常 瀕死
E,Tシャツ
短パン
鋼の肉体
好きなもの プロテイン 松谷修造 スポーツ全般
嫌いなもの 糖質 ヨヨヨ 両親
桜花ジャパンのリーダーで、いかつい体格だが女性。声が異様に可愛らしく、見た目とのギャップのせいで両親から虐待を受けた過去がある。家を飛び出し力を求め彷徨い、いつしか桜花ジャパンのリーダーと言う立場になっていた。
言葉使いは丁寧で、頼れるリーダーではある。上下関係に厳格で、自分の尊敬する者には人だけでなくあらゆる物に様付けする程である。それを他人にも押し付ける習性もある。
父親は未だ現役の格闘家で、酔拳の達人。未だ勝つ事は出来ていない。
ビノレドアップは、攻撃と防御を1,5倍にする技だ。重ね掛けは6回まで可能だがMPが足りないので実現はまだ先になりそうだ。
斬鉄拳は、MPを消費するパンチだ。通常の2倍の威力が出る。
針闘気は、自分の周囲1メートルまでに針状の闘気を放出、定着させ、触れた時に刺し傷を与える見えにくい罠。皮膚は傷つける事は出来るが、横からの攻撃に弱く、金属などの硬い物による強い衝撃で消滅する。
目を凝らせば、うっすらと見る事も可能。継続時間は2分程で、時間が来れば消滅する。
物理反射【硬】は、父を倒す為につい最近編み出した技で、攻撃してきた相手に、彼女の防御力に相当するダメージを反射する防御無視の反撃技。覚えたてなので消費MPはやや高め。
殴ってきた相手の体力が650以下なら即死の反撃技。そう、650ダメージをそのまま殴りかかって来た相手に反射するという事だ。
防御無視なので如何に固めていても無駄である。更に触れた仲間に同等の能力を共有する事も可能。
ビノレドアップで防御を高めれば、反撃の威力を更に増大出来る。
継続時間は1時間程で、早乙女を無双系のゲームにこの技を使用した状態で放置しておけば、勝手に相手が反撃でやられてくれて自動レベルアップが可能である。
この技を習得したお陰で、針闘気に、新たなバリエーションが追加された。
それは、目を凝らせば何とか見る事の出来る針を見抜いた敵は、自分に攻撃して欲しくないからこの見えにくいバリアを張ったんだ! と勘違いする。
そして、それさえ破れば自分のお得意の物理攻撃で早乙女を倒せると思い込んでしまうのだ。
だが、それこそがフェイクで、針を叩き落とし、悠々と攻撃したが最後、その凄まじい反撃で逆にやられてしまうのだ。
この針の上手い所は、うっすら見えて取り払う事も簡単と言う所。
針を攻略出来た相手は、優越感に浸りながら、いい気分で反撃を喰らい倒れていく。
「え? なんで?」
と言いながらな……だが、当然欠点もある。この技を使用中は、移動が出来ない上に魔法や精神攻撃等の遠距離攻撃に対するの抵抗力が10分の1になる。更に消費MPも高く、多用出来ないのも救い。魔法で畳みかけるのが攻略法だ。
彼女はTシャツと短パンしか装備していないが、鋼の肉体を持っている事から防御力は異様に高い。
彼女の名は現在真琴ではあるが、真由美の期間が長かった為、今の所真由美と表記されている。
枠は赤く光っている。
「うわあ……凄い情報量……いっぺんに覚えられないよ……な、何よこれ……この人、只者じゃない……こんな強くてずるい! え? このカウンター技、うっかり殴り掛かったらこっちが一撃でやられるじゃん……正に初見殺しじゃない ……え? 残り体力33? もうすぐ死ぬじゃん……何でこれで立っていられるのよ……しかし、これだけで絵本一冊分位の情報量あるんじゃない? でも、おもろい! 相手の情報見るのってめっちゃおもろいやん!! うち、わくわくが止まらへん!!!!」
(嫌いな物の所のヨヨヨって何だろう? でも……聞いたら怒られそう……やめとこっと)
「え? あなた、何を見て言っているの? そっちは客席よ?」
「あっ斬鉄拳って技かっこいいね!」
「え?(///照///)な、何でそれを……」
早乙女の心の中で命名して、技を放つ時もその名は叫ばずに無言で使用している斬鉄拳という中二病全開の技の名を、アリサにぴたりと言い当てられ照れる早乙女。
「鉄を拳で切るってイメージは湧かないけど、凄く良い字面! 私はかっこいいと思う!」
「何で? あなたに話したっけ?」
「見えてるんだもん」
「え? どこよ?」
「ここ」
空中を指差し言う。
「あなた……そんな事が出来るの? じゃあ瞼を治すって言うのは?」
「ごめん……嘘なの。どうしても気になっちゃって……この技はおでこを触ると見る事が出来るの。でも、ステータス見せてって言っておでこは触らせてくれないかな? って思って……完全にプライバシーの侵害だし……だから治療する振りをしたの」
「ふーん。まあいいわ。顔の傷は戦士の誇りよ。治す必要なんかないわ」
敵から受けた傷ではなく、自らが付けた傷ではあるが……
「それにしてもよく死ななかったわね」
「ああ……凄く痛かったよ。でも、死ぬ程の痛みでは無かった。私も、ありとあらゆる所を鍛えていたからね。
目の周りにも筋肉ってあるのよ。そこも例外なく鍛えていた。だから余裕だったのね。あなたもしっかり鍛えなさいね?」
「はいっ!」
(それにしても早乙女さん1ページに一枚ずつ顔を書くと言う贅沢な使い方したから、大分スケッチブックが消費しちゃったなあ。
なんか勿体ない……ま、しょうがないか……でも、ユッキーってそこまでの事も出来るのか……ホテルのプールで一匹殺し損ねたのが気になるわね……)
「で、夜だけど、赤い涙を流しながら病院まで走っていって、体力ゲージ0すれすれで丁度辿り着いて、目、やっちゃいましたwって言って、その直後に倒れたんだ。
そして、手術でギリギリ間に合ったんだ」
「そこは救急車呼んで!!」
「都会だし道路も混んでいる可能性もあったから、待ってる時間は無いと判断したのね。
故に自分で行く方が早いと判断したの。目が見えなかったけど、都会だから、どこかしらに必ず病院はあると思ったの。
そして、鼻の感覚を研ぎ澄ませてみたの。そしたら薬品の匂いが漂っていて……あれは多分傷薬の匂いね。
それを頼りに迷わず行けたわ。その時感じたわ。自分のセンスは間違っていなかった。ってね!」
彼女にもあったのだろう。視覚を失った事による嗅覚の進化。人の可能性は無限であるな。
「先生も私を見て驚いていたけど、冷静に手術してくれたわ。もう……感謝しかないわ……」
「もしかして好きになっちゃった?」
「そ……そんな事は……でも、私は女を捨てた……男の人を好きになる資格は無いわ。
小さい頃からトクホのケソ様ばかり読んでたし、そんな女嫌いでしょ?」
「へえーでも男と話が合いそうじゃない? アタックしちゃいなヨ」
「で、でも……お医者様と言う繊細な仕事をされている方とは話が合いそうにないと思う。
そんな女駄目でしょ?」
「私の知り合いもそういう女ばかりよ?」
「へっくしょんくやしいー」
「ぶえっくしょんガル畜生ガル夏風邪ガルね……」
同時期に全く違う場所で、照代と虎音が同時にくしゃみをした。
「でも女と言うのは止めなさい。何かイラッ☆と来るわ。
でね、ケソシロウ様の胸のカシオペア座様の傷が格好良くて、自分で自分の胸に傷を付けた事があるの。
でもねー痛すぎて……2つで止めちゃって……」
「1個で止めればいいのに……」
「うん、でもそれは理由があったのよ。
1個目は読んだ直後にすぐに傷つけようと思ってて興奮状態? で自傷行為中でも痛みが全然無かったのよ。
2個目を作っている途中で、やばい! 死ぬ!!! と思って……でも、一応中途半端はいけないと思ったから、1個目と同じ位の大きさの傷を作ってから止めたわ」
私もその気持ちは分かる。例えば、何気なく右手を4回振ったとする。
その後どうしてか分からぬが、左手も同じ回数だけ振らないと気持ち悪いのだ。
恐らく人間には
【偶数同数保存の法則】
というのがあるのかもしれない。
これは私がたった今作った法則だが、その名の通り、奇数で何かを終わらせると気持ちが悪くなる現象で、私を始めとし、生きとし生ける全ての人間がその法則に当てはまっているのではないかと思わざるを得ない時がある。
皆さんにも思い当たる節は無いであろうか?
「律儀ねえ……でもケソシロウ様までは分かるけど、カシオペア座様っておかしくない?」
「だって私よりも遥かに大きな存在でしょ? 様を付けないと!」
「へー」
「で、その傷が
「え? 何でそんな事分かったの? よもや覗かれた?」
「違うよ。私ね、ずっと小さい頃から体育の授業前とか更衣室に行かずに、その教室で着替えてたのよ。
男だと思い込んでいたからね。男子の目とかも気にならないし。
それでその時に見られてそう呼ばれたのね」
「へえ。でも、お目目が喋るのは本当に驚いた。あれって本当は嘘なんでしょ? 皆を驚かせたくて作った嘘でしょ? 本当の事言って?」
「本当よ! 桜花ジャパンのみんなが証人よ……でね、入れ替わる瞬間に右目と左目の視線が合ったの。
そこで互いの姿を初目て見たわ……その時、2人とも照れていたの。
まるで運目いの人に出会ったみたいに♡顔を真っ赤にして初目て感じる胸のとき目きに戸惑っていたわ。
それを感じて初々しいって思ったわね♡そう、いつもは隣同士で近くに居る筈だけど前を見ているだけで、お互いの姿を見る事など絶対に出来ないと思ってた相方の姿を、しっかりと確認し合う事が出来たんだ! そう考えるとちょっと……よかったかな。
瀕死にはなったけど……そうね、この現象は、クロスアイ現象と呼ぶ事にする!」
早乙女博士の自身の体を実験台にした研究により、新たな現象がここに誕生したのだ。
「へえ、目ルヘンチックな話ね……あっ伝染っちゃった。まあいいわ。♪目と目が合うー瞬間すーきだとーきづーいた♪って感じね?」
「伝染ったって? まあいいわ。しかし、あなた歌上手いわね!」
「うん毎日鼻歌歌ってるし! でもクロスアイ現象なんて世紀の発見よ! 早乙女博士と言える程ね。だから行けると思うわ」
「何が?」
「先生に想いを伝えないまま死んでいく気? 後で絶対後悔するよ? 多分まだ間に合う」
「そ、それは……」
「今この瞬間だけ女に戻ってアタックしてきなさいよ! 早乙女真琴では無くて早乙女真由美としてね……! そして、クロスアイ現象を発見した早乙女真由美博士として近づくのよ! 先生と博士なら気が合うよ! クロスアイの話をして、彼の興味を引く! 完璧だと思います! 早乙女はベースは結構イケてるし、女装すればいけると思うわ。博士っぽく白衣とかがいいかもね」
だが、西洋の甲冑の様な肉体の彼に合う白衣があるかは不明であるが……
「女装って……まあそうか……てか呼び捨て?」
「細けえ事は気にするな! 人生一度っきりだよ?」
「う……」
「愛してるんでしょ? 言っちゃいなよ」
「彼の事何も知らないし、それにこんな腕の太い女……
握力だって右は192キロあるし……ベンチプレスも280キロいけるような女よ?
先生にも奥さんだっているかもしれないし」
「諦めんなよ!」
「え?」
「熱い血燃やしていけよ! 人間熱くなれば、何だって出来るんだ! もし奥さんがいたら奥さんの横っ面に本気パンチだ! そうすりゃ別かれてくれるさ!!」
怖い怖い。
「あなた松谷修造様みたいな事を言うのね……
そうよね……いくら握力が192あろうが、攻撃防御が600以上あろうが、物理カウンターを持っていようが、私……やっぱりあの人の事……!」
「そうだよ! 絶対出来る!! お米食べなさーい」
「……って今は仕事中! その炎ワードで私を惑わそうと言う作戦だろうけど後一歩及ばずね! その手には乗らないわよ! まあ私一人欠けたところで残り499人をどう捌くの?」
「頭さえ潰れればどうにかなるかなーなんて」
「生憎そんな事は無いわ? 桜花ジャパンは頭が潰れても動き続ける。そう……蜘蛛の様に……永遠にね……! でも、危うく感極まって病院へ駆け出す所だった……危ないわ」
「強いのね……体も心も……」
「そうよ! だからあんな程度の事で寝てる訳にはいかない。先生には1週間安静だと言われたけど、その言葉は無視して、今ここに立っているんだ」
恐ろしいまでの仕事に対する執念。
「そこまで早乙女さんを掻き立てる物は何なの?」
「それは、誓いかな」
「と、言うと?」
「私は、幼稚園の頃から無遅刻無欠勤無早退なんだ」
「あー私もだよ!」
「何だあなたも? なら分かると思うけど、高々目が飛び出して入れ替わったのがすぐに戻った程度の事で、この仕事を休む訳にはいかなかった。
ただそれだけ……!」
かっこいい早乙女。私なら10日は休むレベルだが……
「結構ヤバい事だと思うけどなあ」
「お陰でまた伝説を更新出来たわ。もう20年目よ……!」
「ねえ……早乙女さん。駄目で元々で相談があるんだけど」
「ここを通せって相談以外ならいいわよ」
「そっかあ、だよね……じゃあ、無理にでも通る!!」
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Alisa VS Macoto Saotome
私の書いている小説です
https://estar.jp/novels/25771966
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