magisyaのブログ

小説となぞなぞを投稿してます

私の行く先々で事件が起こる件について 46話

  最終話 新たなる力

 

「えーーーー? あんなに苦労したのにぃ……ぷー」

 

 嬉しい話ではあるが

今まで必死に探していたのを考えると

肩透かしを食らった気分である。

だがよく考えればアリサは最後の最後に

お姉さんを殺してしまうかもしれなかったのだ。

主人公に殺しの前科が付いてしまっては

もう先は無い。全く、危ない所である。

 

ホテルの外へ出ると、朝日が眩しい。

 

「アリサごめんね、こんな事になっちゃって 

即日電話で予約出来たのはここしか無かったのよ」

 

「うん、しょうがないよね。

そういえばお客が減って来ているって

まりちゃんも言ってたからね」

 

「あ、そういえばこんなのもう要らないじゃない」

今まで撮影したユッキー達の画像データを消していく。

 

「これから警察に事情聴取されるけど、すぐ済む筈よ」

 

「面倒くさいよー、アリサ第一発見者でもないのに」

 

「あなたが警察より先に謎を解いちゃったんだから。

それに第一発見者の女性。まだ気絶しているらしいわ。 

その人の代わりにも色々教えないといけないの」

 

「ぶるるるるるー」

アリサは唇を振るわせる。

 

そこへ、照代もホテルから出てきて声をかけてくる。

 

「刑事さん、アリサ、世話になったわ。

 犯人を捕まえてくれてありがとうね」

 

「うん」

 

「照代さん、毒はもう大丈夫なの?」

結局虎音は救急車を呼ばずに倒れ、数時間後に発見され

照代より先に病院に搬送された。

 

 

「照代、照代ォォ……」

虎音は苦しみながらも譫言うわごとの様に

愛する人の名を呼んでいたそうだ。

救急車を呼ぶ事は、彼女以外知らず

その彼女が倒れた為、照代は一晩中

毒の再発に怯えながら一夜を明かしたのだ。

 

「一応ね、でも心配なので、これから病院よ。

あ、携帯貸してアリサ」

ユッキーのデータを消している途中のアリサから

携帯を奪い取り、何か操作している。

この時、運よく生き延びた隠れユッキーが

一つだけあったのだった……

 

「はい、じゃあまた会いましょう」

アリサに携帯を返し、救急車へと乗り込む。

 

「じゃあね」 

救急車で運ばれて行く照代。

 

「行っちゃったね、それにしても

照代さんに送られた暗号、全く分からなかったね。

アリサ、何か分かった?」

 

「どういう意味があったんだろうね? 

でも大丈夫よ。読者のみんながきっと解いてくれるわ」

 

「そうね、読者のみんなならきっと……

アリサ、このお話に読者は一人も付く筈無いのよ?

って……え? アリサ、読者ってなあに?」

 

「読者が一人も付かないとか……めっちゃへこむよ。

欝だ死のう……あれ? そういえばそうよね。

なんかアリサね、急に脳みそから出てきた言葉なのよ。

何かしらねー? あはははは」

 

「ふふふふ、じゃあ私達も行こうか」

 

「はいっ!」

 

 

第13章 新たな力

 

 アリサとママは、パトカーに乗り警察署に向かう。

署内で1時間位の聴取を受けた。

八郎の事を聞いてみたが

未遂に終わったので罪はそこまで重くないとの事だ。

胸をなでおろし、アリサは押収されていた

八郎の携帯を警察から借りて、番号を登録しておく。

いずれ八郎が出てきた時、約束を果たす為に。

その後署長から、感謝状をアリサに贈られる。

 

「こんなの貰ってもねー。何かの役に立つのかしら?」 

 

「履歴書に書けるんじゃない? 分からんけど」

 

 警察署を出た時に 2人は気付く……

 

「アリサ、私、今とんでもない事に気付いたわ」

 

「うん、アリサもだよ。はっきりと分かったわ!」

 

 ぐきゅーるるるる

買い物を終え、ホテルに着き、事件が起こり

その事件を解決し。一泊した後も

刑事にたたき起こされ朝食をとる間も与えられず

今、警察署を出るまで結局…… 

ほとんど何にも食べていないという事に気付き

地面にへたり込む二人。

 

アリサ&ママ「すっごくおなかへったよー」

 

「アリサ、ステータス画面を開いて」

 

「え? ママ? 何を言っているの?」

 

「満腹値の確認よ。Xボタンを押すのよ」 

聞き慣れない事を言うママ。

 

「ああ、アリサはまだ知らなかったか。

じゃあまず私が、ポチっと

これね、普段はアリサには見えないんだけど

特別に見せてあげるね」

 

ブゥン。突然謎のウインドウが開く。

 

 

 カブラギ メイメイ LV29  刑事 ♀       

 力   201   

 素早さ 232    

 体力  138     

 賢さ  190 

 運   105 

 HP   272 

 MP   382 

 攻撃  245   

 防御  194          

 スキル 

 柔道マスター

 拳銃マスター

 手品の基礎

  ☆☆☆人物調査  MP消費4

  ☆☆ 地獄耳 

満腹値   1/100   

状態異常 無し

E,拳銃             

 薄手のカーディガン  

 ローライズジーンズ

 白いサンダル

思い出の結婚指輪

 ペンダント            

 好きなもの パパ アリサ 猫

 嫌いなもの 犯罪者 ウーロン茶 犬 

 

アリサのママ

18歳でアリサを産み、警察官から刑事に。

同世代の女性とは比べ物にならない

身体能力と頭脳を生まれながらに持っている。

心の牢獄が口癖であり、座右の銘

 

「満腹値1かー死ぬ直前じゃない……

あら、でも力が久しぶりに上がっているわ。

最近何かあったっけ?」 

 

 空間に文字や数字が浮き出る。

アリサは突然の事に口が開いてしまう。

最近買い物時、主婦達との戦いで

力が上がった事にはママは気づいていない。

 

「えっ? これはなあに?」

動揺するアリサ。それを見て微笑むママ。

 

「私のステータス画面よ。まずいわね満腹度1だわ。

アリサはどうかしら?」

アリサのおでこを押す。ポチッ ブゥン

 

 カブラギ アリサ  LV11 名探偵の曾孫 ♀

 力     1  

 素早さ  41    

 体力    12       

 賢さ   292 

 運     1  

 HP     25 

 MP    580 

攻撃  4   

防御  86     

スキル    

速記マスター  

速読マスター

記憶マスター

☆☆☆賢さ限界突破 

☆撮去黒封円の陣 消費MP 40

満腹値   2/100  

状態異常 無し

E,爪 牙 毒舌         

 イチゴのワンピース     

 イチゴパンツ      

 イチゴのサンダル

腕時計      

 ペンダント    

好きなもの 読書 謎を解くこと たこ焼き

嫌いなもの 斉藤隆之 ゴキブリ ナメクジ      

 

 この物語の主人公。頭が良く、知らない事を

そのままにせずに納得するまで理解するのが

三度の飯より大好き。左利き。

 

「な? なんか出たー」

 

「あ、アリサは満腹値2あるわね、少し歩けるわ。

でも良くて200歩、最悪101歩って事も考えられるから

移動は危険よ、この距離では

見渡しても店も何も無いわね、どうしようか?]

アリサは少年から貰ったゼリーの分

ほんの少し満腹値が残っていた。

 

「ママ、冷静になって、電話で出前呼べばいいのよ

あっやば、残り20%だよ」

 

「ああ、そういえばそうね。空腹のせいで

頭が回らないわ。まだ20あるし大丈夫でしょ?」 

 

「アリサの携帯もう2年使っていて

20%になってから2分位で一気に0になるのよ。

もう長くないわ」

 

「そう? まあ事件解決してくれたし

新しいの買ってあげましょうね」

 

「本当? 嬉しい! それにしても凄いねこれ。

誰でも出来るの?」

 

「違うわ、ママだけみたい。でも娘のアリサなら

もしかして出来ちゃうかも?

試しにやり方教えるわ、やってみて。

大体の人は顔にうっすら光っている場所があるのよ。

そこを押すの、ママをよく見てみて」

 

アリサは言われた通り見つめる……ブゥン

 

「青い光がママの額に浮き出てきた。これ押すの?」

 

「私は謎のボタンという事でXボタンと呼んでるわ」

 

「なんだSFCのコントローラーの

Xボタンかと思っちゃったあ、これか」

 

ポチッ

 

 先程の画面が出てきた。

人の顔のどこかにある青い光を触るという

条件付きではあるが、相手の能力を探る力

その力がアリサに宿る。

しかし、ウインドウの色がおかしい。

先程ママが自分の画面を呼び出した時は

白い枠だったが、アリサの呼び出した画面は

数字や文字は同じだが、ウインドウの枠の色が青いのだ。

 

「出たけど、周りが青い。数値はさっきと同じだけど」

 

「アリサは初心者だから青なのかな? 分からないわ」

 

「うーん、気になるなあ。あ、猫だ! おいでー」

すると寄ってくる。

 

「にゃー」

 

「あ、この猫の額、青く光ってる。触ってみよっと」

ポチッ ブゥン

 

 マダナイ LV9 雑種 ♂

 力   41     

 素早さ 101    

 体力  35      

 賢さ   3 

 運   22  

 HP   70 

 MP    0   

攻撃  44

防御  66

 スキル

 ☆☆☆絶対嗅覚  

 ☆☆野生の勘

 ☆夜目

満腹値   50/100

状態異常 魅了

E,爪 牙         

 毛皮               

 好きなもの マタタビ アリサ お魚

 嫌いなもの 歯磨き粉 柑橘類 サザメさん

 

どこにでもいる猫である。

 

 そして、ウインドウはピンク色に光っている。

なんと猫の状態が分かってしまった。

名前はまだない様だ。

好きなものにアリサがある。 

もしかして猫に好かれてしまったのだろうか?

 

「ええええ? アリサ! 何でそんな事出来るの?

ちょっと見せて?」

ママは、もう一度アリサのおでこをタッチする。

 カブラギ アリサ  LV11 名探偵の曾孫 ♀

 力     1  

 素早さ  41    

 体力    12       

 賢さ   302 

 運     1  

 HP     25 

 MP    604 

攻撃  4   

防御  86     

スキル    

速記マスター  

速読マスター

記憶マスター

☆☆☆賢さ限界突破

☆☆撮去黒封円の陣 消費MP 40  

☆☆☆☆☆万物調査(新)  消費MP 160

満腹値   2/100  

状態異常 無し

E,爪 牙 毒舌         

 イチゴのワンピース     

 イチゴパンツ      

 イチゴのサンダル

腕時計      

 ペンダント    

好きなもの 読書 謎を解くこと たこ焼き

嫌いなもの 斉藤隆之 ゴキブリ ナメクジ

 

ママから教えて貰った新たな力を身につける。

趣味はタイトル回収。

 

「万物調査? 何よこれ? こんなの初めて見るわ。

私の人物調査で見られない猫を見る事が出来るのね?

万物って言う位だから、きっと猫以外にも

ほら、斉藤隆之とかゴキブリとかナメクジとか

そう、何でも見通す力なのね」

 

わざとアリサの触れそうに無い

アリサのステータス欄にあった嫌いなものに書かれていた

三つの生き物を例に挙げる意地悪なママ。

だが、考えて欲しい

ちょっと教えただけで、自分しか使えなかった特技の

上位互換の技を習得されてはこうなっても仕方が無い。

これでアリサは

人物、動物の能力を読み取る事が出来る様になった。

いや? 万物と言う位だから

そこら辺に転がっているイシツブテ

もしも存在するのだとしたら神ですら

その能力を見る事が出来るのかもしれない。

 

 一人の人間と打ち解け

心を開いてもらえるまでには

早くても3ヶ月くらいは掛かるであろう。

それを触れた瞬間に全て見通す力

考えるだけでも恐ろしい。

 

「ママ、言っておくけど

斉藤隆之もゴキブリもナメクジも触らないからね?」

 

 何気なく言ったセリフではあるが

この能力に目覚めたアリサが、隆之を触ってしまうと

語り部的にもかなりまずい。

なのでほっと胸をなで下ろしているところだ。

 

そして画面を見て、もう一つの事に気づく。

「あらアリサ、さっきより少し賢くなっていない?」

 

「あ、300超えてるね。

これが他の人と比べてどれだけの値かは分らないけど

凄いの? それと今覚えたスキルも追加されているわ。

多分、ママにスキルの事教えて貰って

賢さも一緒に上がったのかな?」

 

「賢さは255以上の人は見た事無いわ。

スキルの限界突破で更に上に行っているって事よ。

相当賢い部類じゃない?

私小さい頃に猫と話してみたいなって

思っていたの。人間にはこの能力は使えるけど

猫に使えるかな? って友達の家の猫を触り続けた。

それでも無理だった。

それなのにアリサはいとも容易く……羨ましいわ。

さすが私の娘ね」

 

「そんなに賢いんだ。そう言えば教科書とかも

何度も読んだ事無いのよね。

一度見ると大体頭に入っちゃうみたいだし

みんな何度も何度も読んでいるって言っていて

その意味がよく分らなかったもん」

 

「そんな賢いのね? みんなの方が正しいわ

私も何度も何度も公務員の一般教養の

本を読みまくったもんね」

 

「ママは猫が好きなのね

確かに猫の事ちょっとは分かるけど

別に猫と意思疎通は出来ないわよ?」

 

「そうだとしても羨ましいの! 

でもちょっと教えただけで

自分の物に出来るのは凄い事よ」

 

「しかし、力はか弱い乙女だからいいとして

運が1ってどういう事よ?」

 

「運が1なのは今日の占いで最下位だったんじゃない? 

大体そういう感じよ」

 

「ふーん、そうなのかー。

後で今日の運勢見てみようっと」

 

しかし、ママの言った事は間違っていた。

アリサの運は1で固定なのだ。

これは、アリサに降りかかるであろう

不穏な未来を指し示している。

 

「それにしても☆5個なんて初めて見たかも

レアスキルよ」

 

「うん、でも今必要なのは

こんなスキルじゃなく食べ物よね。

あ、タクシーだ、呼ぼう!」

手を挙げるアリサ……

だが、運転席からアリサを確認する事は出来なかった

 

「あっ、私がやるわ」

 

ママが手を挙げるとすぐに止まってくれる。

 

「やっぱり背が低いと人生ハードねえ……」

 

「まだ伸びるから……カルシウム食べなさい!!」

 

「はいっ!」

 

 タクシーで近くの牛丼屋まで行く。

一日何も食わずに過ごした後の食事だ、何でも旨い!

自分的には空腹時に焼き鳥。タレは付けずに塩のみ。

これが最高! 異論は認める! 

 

 牛丼が届くと、アリサもママも一言も喋らず

目を血走らせ、まるで飢えた獣が

獲物を貪る様な食べっぷりを見せる。

牛丼の中の米も牛肉もその様にびっくりしている。

その時の擬音をここで語ってしまうと

アリサとママのイメージが

がた落ちしてしまう可能性があるので控える事にする。

更にはかなり大きな擬音の為

喉を痛めてしまう危険性があるのでな。

そう、まるで余り勉強していない素人が

ボイスパーカッションを行う事と大差ない。

 

 こんな事を語った時点で、酷い擬音だな

と言う邪推はやめて頂きたい。

女性2人の優雅な食事風景なのだ。恐らく大丈夫である。

 

__ 30秒後 __

 

 

捕食も終わり、ようやく人の目に戻る二人。

 

「ぷはー、楽しかったー。そういえば

私の職業の所、名探偵の曾孫って書いてあったね。

ママは、何か知っているの?」

 

 美味しかったでは無く楽しかった。

人は、空腹を極限まで感じ続けると

こうなってしまうのかもしれない。

何も胃の中に無い状態の二人。

肉が、米が、汁が、ダイレクトに血肉になる瞬間を

楽しくないと思う人間などいないからな。

 

 彼女達の迫力に思わず逃げ出して

ほっぺたに避難した米粒を片付けながら

気になっていた事を聞くアリサ。

ママはやっぱりそれ気になっちゃうか

といわんばかりの表情。少し悩んだ末口を開く……

 

「ええ、パパのおじいちゃんはね……」

 

 

 

 

 その後、イーグルスノーホテルは

殺人未遂事件が起こったホテルとして

ニュースでも取り上げられ、正しい名称である

ホークスノーホテル改名する間もなく消失していった。 

そして、オーナー斉藤隆之と愛犬橋本の

居場所を知る者は、誰もいない。

 

続く……

 

私の書いている小説です

 2月4日から2話を投稿します。よろしくお願いします!

下のリンクは1話の物です

https://novelup.plus/story/200614035

 

https://estar.jp/novels/25602974

 

https://ncode.syosetu.com/n3869fw/

 

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