magisyaのブログ

小説となぞなぞを投稿してます

31話 少女の想いと500人の英雄達

 

「あれ? 何でだろう? 涙が出ちゃう

だって女の子だもん・・」

アリサは、送り出した時の笑顔とは裏腹に

その笑顔のまま涙が溢れ出てきた。

そう、自分の力のなさを悔い始めたのだ。

 

(何とか全員助ける事は出来たけど

帰る途中で意識を失ってしまった・・悔しいよ・・

あんな汚い巻き○その石像如きに・・悔しいよ・・

あの悪魔の部屋に又入るのが怖い・・悔しいよ・・

でも放置してたら新たな犠牲者が・・悔しいよ・・

耐性のあるこの私でも無理なんて・・悔しいよ・・

あいつらを壊せる力が私にあれば・・悔しいよ・・

殆どの怪物を殺してきた私なのに・・悔しいよ・・

身長が後30㎝・・否35㎝高ければ・・悔しいよ・・

悔しいよ、悔しいよ・・悔しいよっっっ!!!!!)

 

        ♨ポ、ヤーン♨ 

挿絵(By みてみん)

おや? これは何だ? ・・成程、アリサの強い思いが

部屋の入口に残留思念として残った様だ。

 

一方、助けられた人達は、一応部屋を出る事は出来たが

一歩も歩く事が出来ず入り口の脇でぐったりとしている。

アリサは、展示室の外に出たらすぐに回復はしたが

心は憂鬱で頭も回らない・・しかし

その惨状を見ると、私がやらなきゃと感じてしまう

弱った頭で何とか打開策を考えようとした。

 

と? その時

ピッピッ ピッピ ぜんたーい、止まれ! ピッピッ

30階で天井のボールを取ってくれた筋肉達。

桜花ジャパンの方々だ。一体何の為に来たのだろうか?

よもや練習を終え、ここに用でもあるのか? 

 

「みんな! ここは展示室らしいぞ。

筋肉に直接は関係ないかもしれないが

たまには芸術を筋肉に浸透させてくれ。

芸術鑑賞は、品性と知識を増幅させるんだよ

インテリジェンスを兼ね備えてこそ

真のマッチョだ!」

 

「はいっ!」

嫌な予感は当たるものだな。

彼らは、害術鑑賞をしに来た用だ。

知らぬと言う事は恐ろしい。

こんな愚行はトラクエで言うならば

イパンスをして赤く光った宝箱を

喜んで開けるような物だ

しかし、一般人はこんな近くに来ても

あの悪魔達の気配を感じ取れないのか。

部屋の入り口付近の床や壁に

うっすらと突き出ている悪魔の気配を。

 

それを見るや否やアリサは、慌てて止めに入る。

 

「わーここは危険だから入っちゃだめよ!」

 

「え? あ、お嬢ちゃんさっき振りだね!

君も芸術を見に来たんだね?」

 

「違うよーここにいるぐったりした人達を見てよ

皆この中にいたの! 今入ったら死人が出るよ?」

倒れている人を指さし言う。

 

「え? 何でコンナに人が倒れテイルの?

まあいいヤ」

 

何故か聞き入れてくれない。30人の虫の息の人達を

一切気にしていない。

まさか・・部屋の外にうっすら突き出た瘴気は

彼らの常識を消し

部屋に招き入れる効果があるのだろうか?

リーダーの男の目の焦点が合っていない

まるで催眠術に掛かっている様に虚ろ。

・・そして・・

 

「ココハテンジシツデショ? 

ダイジョウブダッテ! サアハイロウ!

キンニクニシッカリシントウサセルンダゾ!」

ロボットの様に急に言葉の抑揚が無くなった

喋り方で指示を出す。

 

「はいっ!」

 

「はいっ!」

 

「はいっ!」

 

筋肉達もその変化には気付けず

素直に返事をする。

 

「ジャアイコウ」

 

アリサが必死に止めるも、全く聞く耳持たずに

ぞろぞろと500人と言う大人数で中に入っていく。

ポ、ヤーン・・ポヤヤヤヤーン・・シューン・・

? 何の音であろうか?

 

「おお立派な銅像がある。あれは石像だな

おお絵画もあるな! ほうほう

お? QRコードがあるよ! 取り込んでみよう♪」

パシャ♪

 

何て事を・・早く止めねば・・

 

「うーん我が筋肉達も喜んでるぞ! 

しかし・・何だろう?

余り芸術には詳しくないけど

これって本当に芸術品なのかな?」

 

大丈夫な筈はない。早く出るのだ。

 

「あれれ? 何か気持ち悪い気がするなあ。

何故か蕁麻疹と鳥肌が全身から出てきてるし

頭とお腹と心臓と肝臓が痛いし・・

私達の様な脳みそ筋肉の人種では

芸術は理解出来ないと言うのか」

皆その害術品を見て半信半疑ではあるが感動している。

 

「あれ? あの人達は大丈夫なの?」

 

中には入れず、入り口で様子を見るアリサ。

余程怖かったのであろう。

そして展示室は、徐々に、確実に筋肉達を蝕む・・

5分位経っただろうか? 一人の筋肉が声を上げる。

 

「あれ? 何かおかしいの・・助・・けて・・

自分が自分じゃなくナ・・ぐうわああああ!!」

 一人の筋肉が暴走を始める。それが引き金となり

 

「ぐわあああああああ」

 

「ぐおおおおおおおお」

 

「うおおおおおおおお」

 

次々と連鎖的に広まり、ほぼ全員が暴走状態になる。

 

「え? どうしたの? みんな、みんなあぁぁああ!」

 

まだ暴走していない少数派の筋肉は

必死に暴れた筋肉を止めようとするが

元々同じ位の実力であろうが

暴走した状態は、筋力が増加している為

頑張っても止める事が出来ない。

一体何が起こってしまうのだ?

 

「苦しい・・もう駄目・・」

 

「あれ? 眩暈?・・ううっ」

バタッ

暴走していない少数派の筋肉は

石像、その他の害術品の力で

次第に精神が弱って行き、床に倒れこんでしまう。

アリサは怖いけれど勇気を出し、部屋に入る。

 

アリサの眼前には信じられない光景が広がっている・・

額の脂汗も拭わぬまま奥へ進む。

「やはりか、やばいぞこれは! 

そうだ! 修ちゃん! もう一度だけ力を貸して!

大丈夫! どうにかなりまーす。

Don’t worry. Be happy! 熱く お米食べなさーい! 

頑張れ! しじみ

アリサは植物園に向かう時に暴走した女性に使った。

ポジティブワードを筋肉達に向かって叫ぶ。

が、効果は無い。

 

「あ・れ? な、何で?」

絶望・・

 

「ハッ」

アリサのいう事を完全に無視し

暴走した筋肉が、近くの銅像に殴りかかる。

バルキーッ エビワラーッ 

鋭く重い拳が銅像に華麗に2ヒット!

見事に鍛錬された遠慮のない重い打撃。

大木もへし折る程の威力ではないだろうか?

 

「!!」

 

しかし、びくともしない

操られて強化されている筈だが、痛そうな顔をする。

そして、拳が駄目なら足技をと

 

「ヤアッ」

サワムラーッ カポエラー

顔を狙っての2連続前蹴りがcleanHit!

海を割る程の重い音が響く。

しかし、銅像はびくともしない。

すると・・!

 

「? 何故で。しょう? こ、の人達

私達を攻撃し。ていま。すね」

 

ぬ?

 

「不。思議で。すね、同。士討ち。する波動を

送ってい、る筈。な。のですが・・」

 

??

 

「で、は、出。力、を最。大にして、みましょう

はあああ、あああ。あ。」

 

     ⇔プーン⇔ 

???

 

「や。はり駄目、ですね制御、できま。せ。ん

これ。だから。蛮、族は嫌なん。です、よ

全てを。力で。解決し。ような、ど・・

私達、のよ。うに頭を。一切使。わない

全。くや。れ、や、れ。ですね」

 

こ、これは一体???

 

「で。すが。所詮人間、風。情が

頑張った。と、ころで。こ、のメタル。ボデ。ーに

傷一つ付。ける事は、出来な、いで。しょう

フ、ゴゴゴ。ゴw」

 

まさか・・? こ、こんな事があり得るのか??

そういえばアリサ一人で入った時も

こんなやり取りがあったな。

 

この空間に漂う幾つもの声。

明らかに人から発せられた物ではない。

そう、銅像達が、想定外の動きをする

筋肉達の行動に対し緊急会議を行っている?

信じられないが、どうやら全ての石像銅像

同じ様な喋り方をする思念体が宿っている様だ。

理屈は分からない。しかし、私の眼前で

現実に起こっている事だ。

私も混乱してしまいそうだが

しっかりとこの状況を伝える事に努めよう。

そして、最後のフゴゴゴゴ。は、恐らく笑い声。

筋肉達の無謀な行動に呆れ、高笑いしている様だ。

有りえない位汚らしい笑い声であるな・・

 

アリサも殺す事が出来ずに途方に暮れていた

害術品どもを、どういう訳か分からぬが

本気で壊してくれている素敵な筋肉達の行動に対して

あのような不衛生な笑い声で笑うとは・・

全く失礼な銅像であるな。

これはお灸をすえなくてはなるまい

恐らく斉藤隆之本人も

笑ったらあの汚すぎる笑い声を発するのだろう。

これは、私の発明した言葉であるが

 

【笑い方は、その人の心の現れ】

 

と言う言葉をたった今作った。

 

奴の行動を遊戯室でアリサは分析し

機関銃の如き言葉の乱れ撃ちで容赦なく

攻撃した時があった。

その酷い内面を思い返せば

何となく分かって頂けると思う。

 

そして、奴らははっきり言っていた。

混乱効果を持つ波動を人々に放っている、と。

原理は全く不明だが、それは

筋肉には効いていない様だ。

筋肉はどういう訳か混乱せずに

筋力強化の恩恵を受けた状態になっている。

 

 モケポンで例えるなら

【いばろうぜ】と言う技が最適だ。

この効果は、相手を混乱させた後に

攻撃力を二段階上昇させるという技だ。

2段階だと2倍の攻撃力になる。

 

混乱を喰らったら、半々の確率で自分を殴る。

おまけに、力が上がっているから

受けるダメージも大きい。

だが、その半分の確率をくぐり抜ければ

二倍の威力で攻撃を相手に叩き込める。

ハイリスクハイリターンな技である。

 

ところが、筋肉達は攻撃増加のバフを受けつつも

自我を保って石像を攻撃している。

いばろうぜのおいしい所だけを

貰った状態になっているという事である。 

筋肉全員のとくせいが

混乱を防ぐというマイペースだとすれば

混乱は効かず、攻撃が上がるだけだが

筋肉の特性が皆同じとは限らない

500人の特性が同一である可能性は0である。

一体何が起こっているのだろうか?

 

筋肉は、銅像の破壊は諦め

銅像よりは柔らかい石像を殴ってみる。

 

「ダアアアアアリャァ」

ダゲキッ! グラップラー・・バキッ

バギッ バギマッ バギクロスッ 

 

神の加護、祝福を受けた防具すら瞬時に

破壊しかねぬ程の容赦の無い5連コンボが炸裂!

 

「!!」

 

しかし、石像も殴り壊す事は出来ない様だ・・

挿絵(By みてみん)

上記のモケポンタイプ相性表にもあるが

先程の銅像も鋼タイプである

岩タイプ同様格闘タイプに弱い筈だが・・

この石像、銅像同様にかなりの強度らしい。

 

もしや、格闘タイプに強いエスパー むし 

ひこう どく ゴースト フェアリーの

どれかの成分が石の中に

混ざっているのかもしれない。

私の推測では、エスパー むし ひこうは

まず無いと思う。

そして、毒やフェアリーも像の中に

入り込んでいそうで捨てがたいが

 

恐らく石像の中で喋っている隆之自体が

ゴーストタイプなのかもしれない。

ゴーストは格闘を無効化する

故に完全にシャットアウト。

幾ら強化された拳で殴っても効果は無いのだ。

攻撃側がダメージを受けてしまう。

 

 ここの石像は、岩/ゴーストタイプで

銅像は、鋼/ゴーストタイプと推測される。

岩/ゴーストの弱点は、草と悪と水

こんな時ピカチュウの電光雪月花があれば

丁度弱点を突けるのだが・・ 

電光雪月花は、先制技で雪→氷 月→悪 花→草

の3属性で攻撃する、威力40の3連続攻撃技。

 

いたズラごころエフルーンの身代われを

見てからでも後出しし氷属性で分身を確実に潰し

その後放たれる悪と草の2連撃をヒットさせるという

恐ろしい物理技なのだ。

まあ、お話の中の架空の技を期待しても仕方ないな。

現実的な話をしよう。

 

鋼/霊は、弱点が地面と炎

地震や火事をここで起こせば簡単に殺れるが

ホテル自体が倒壊する危険性がある。

となれば・・ううむ一体どうすれば・・

 

「人如、きが私達を。壊す事など。出来ません

霊、気を内在し。た金属、や石の硬さ

絶、対に。誰も壊、せ、ません

早。く私の。配下に、なりなさい!。!」

 

「そ。うです、よ醜く足搔。く貴方達は蟻。が水中で

鯨。に勝とうとしてい、る姿にしか見えません

直ちに投。降する、ので。す」

 

石像達は、筋肉達のタイプが

格闘しかないと言う事に気付き横柄な態度になる。

 

「イ! ヤ! ダ! フン!」

バキッ ジュゴン

 

ぬ? 気のせいか・・? 筋肉が言葉を発した? 

しかも、石像の声に反応した気もするが

聞き違いか・・操られている時に自我は無い筈。

 

すると、一人の筋肉が、怒りで我を忘れ

展示物の石像をワンリキーのみで

台座ごと持ち上げてしまった。

そして・・それを武器の様に振りかぶり・・

ドテッコツ!! ピッピ 

おお? 銅像に叩き付けているではないか!

ひびの入る音も響いている。

 

成程考えたな。金属に石をぶつければ

硬度の差で、脆い石像の方が砕けるのは当然。

幾らゴーストタイプが混ざっている石像であろうが

格闘は効かないが、鋼は効く。

更にゴースト同士は互いに倍のダメージ

岩/霊の石像を、鋼/霊に叩き付ければ

岩霊の弱点が鋼霊の2種類で重複するので

その相性は何と4倍になる。

従って石像でも壊せるのだ!!

 

勿論理屈で分かっていても普通は出来ない。

持ち上げるには尋常ならざる腕力が要求されるから。

・・が今の暴走状態ならば、それも可能であろう。

 

「こ。れは、ひび? そん。な。まさ。か・。・

崩、れる? そ。ん。な筈は、ないこ。の体は

神が、作、ったパ。ーフェクト、ボディ、なの。に」

 

顔にひびが入り戸惑う岩霊タイプの石像。

これは大チャンスである!

今までゴーストタイプである事が

メリットだと思っていたのに、それこそが

殺される要因となってしまったか・・

フッ皮肉なものだな・・

 

「コレナライケル」

それに筋肉も気付き、何度も叩き付ける。

 

サイドンッ ケンタロスッ ガルーラッ 

ミルタンクッ! ミロカロスッ ドサイドンッ!!

 

そして、ダビデ像を模した隆之

ダビ之と命名しておこう。

ダビ之は、顔を砕かれた後、股間

銅像の顔面に叩き付け粉砕された。

銅像側も石像とは言え股間を顔にぶつけられ

嫌な気分だろう。

 

「ば、ばかなあ、ぎ、ゃああ。あ。

痛。い痛、い体が崩。れてし。まい、ます。

私、の美しい顔と。逞しくダイナミ、ックで

ド。ラマチ、ックな股。間がぁ。ああぁ」

ダビ之、最後の言葉であった。

パシャリ

? 何の音だろうか?

一方股間を顔面にぶつけられた銅像

 

「止め、て下さい気持ち、悪いです

何。でこんな事をされな、くては。

いけ、ない。んです。か?」

と悲しんでいる。

 

しかし、何というゴウリキーであろうか? 

いや、これはカイリキーと言っても過言では無い。

筋肉達が潜在能力を引き出されると

ここまで凄いのか、あんな大きな石像を軽々と?

まるで背中にもう2本腕が生えている程の

カイリキーぶりなのである。

そして、筋肉は石像の声が聞こえる筈が無いのだが

確かに

 

「イヤダ」

と誰かに対して言っていた気がする。

一体誰の? まさか石像の言葉に反応し

言ったのか? 

 

「何、故です? 一。体どう。して?

私達。の混乱、能力が効か、な、い?

何、故。だ? 幾ら考。えてもわ。からな、い

奴。ら。は人間じゃ。ないの、か?」

 

考える人を模した隆之が考えている。

考える人と隆之。考え之と命名する

全く相反する物が融合して出来た銅像

ミスマッチにも程がある。

体は細マッチョで、顔が隆之の銅像

一言で言うなら

 

【みじめ、せつない】

 

何を思ってこんな下らない物を作ったのであろうか?

しかし、これは展示室始まって以来の出来事。

考え之が焦るのも仕方がない。

今までは混乱で、動けなくても有利だった。

だが、それが効かないとわかった瞬間

ただのサンドバッグに早変わりする石像達。

 

「許して下、さい。何で。私達を壊す、のですか?」

筋肉達にすがる様な目で聞く銅像達。

すると・・!

 

「オマエタチガイキテイテイイセカイデハナイ」

?!???

ホーホー、今ドードーと言葉を発した・・

いや、これはドードリオとした凛とした喋り方である!

流石の私でも今度は聞き間違いは無い! ハッキリと

キェェェェアァァァァシャァベッタァァァ!

操られている筈の筋肉が・・

しかも、石像達の言葉を理解できている。

石像達にとってこれ以上厄介な存在はいない。

 

「うわ。ああ、あ逃げ。なく、ち。ゃ、殺られ、る」

 

石像達は、諦めて逃げようと試みるも

足が動かない。逃げようが無い。

そして、当然筋肉達は手を緩める筈もない。

攻守は完全に逆転した。

こいつらは、人類に失礼にも混乱攻撃を続けてきた。

その事は、既に筋肉も気づいている。それなのに

見逃してほしいとは・・ククク・・愚かな物だ。

 

ついに!

 

人類の!!

 

反撃が!!!

 

始まる!!!!!!!!!

 

ドカベン! ポリゴンッ コンパンッ ドンカラスッ! 

ルガルガン ベッキー ドッコラー ギガイアス

他の筋肉達も、素手の攻撃を止め次々に

各々石像を持ち上げ真似をする。

石像の顔面が銅像にぶつかり割れる。

 

       ♪ニコニコ♪

 

心なしか筋肉達が笑っている様に見える

気のせいかもしれぬな。

 

「もっ。と皆を苦、しめた。かった・・ぎゃああ」

 

すると

石像の目にはまっていたブラックダイアが

アリサの目の前に転げ落ちる。

 

コロコロリン♪

パシャリ

 

「皆止めてよー! 後でたこ焼きあげるからー

私の声が聞こえないの? ほら、たこ焼きだよ?

・・あれ? 何これ?・・あらあら

・・まあ、きれーい♪♡」

 

       <金> <欲>

 

アリサの目が輝く。

目の前に転がる黒い石。不思議な光沢がある。

唯のイシツブテではない事は分かる。

やはりアリサも女の子。

ピカピカピカチュウッと光る物には弱い。

そして、この世界には、聖なる石である聖石と

魔の力が籠った魔石が存在する。

この石は、どう考えても後者であろう。

その魔力に、まるで磁石に鉄が吸い寄せる様に・・

無意識の内に

 

・・サッ

 

??

 

それをアリサは拾う。

これは変なのだ。正義の味方のアリサが

窃盗行為を公衆の面前で行っている・・

石が放つ魔力にに操られ、意識を失っているのか?

 

私の書いている小説です

ブログより10話先まで投稿してあります

https://novelup.plus/story/200614035

https://estar.jp/novels/25602974

https://ncode.syosetu.com/n3869fw/

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